4モーションとクワトロ

VWとアウディの4輪駆動システムを色々な資料を元に考えてみました。


横置きエンジンに組み合わされているのはハルデックス式。

前輪のスリップを検知してから後輪に駆動力を配分するもので、VWの「4モーション」は全てこれになります。ただ、パサートR36やゴルフR等に搭載された最新の第4世代「4モーション」はゴルフⅣ R32、ニュービートルRSi、ボーラ等の初期ハルデックス式4WDに、しばしば見られたコーナリング中に前後のトラクションが移動してしまう癖もかなり軽減され、自然なハンドリングを見せ、予圧機能によって必要な時すぐに後輪にトルクを配分できるように進化しています。

縦置きエンジン用としてメインで使われているのはトルセン式センターデフによって駆動力を配分するフルタイム式です。A4～A8等に使っている「クワトロ」がこれです。

ただ、「クワトロ」には、まったく違ったシステムが混在しています。同じトルセン式でも駆動配分が50:50のものと40:60のものがあって、R8にはビスカス式が使われ、A3やTTのクワトロはVWと同じハルデックス式が使われています。

ただ一般的にフルタイム4WDと言えばセンターデフ4WDを指す事が多いと思いますので、ハルデックス式4WDを「クワトロ」と呼ぶのは少し違和感を覚えると思います。

しかし第4世代ハルデックス式は50:50トルセン式クワトロシステムの動きに近づけるように制御ロジックを組んでいるので「クワトロ」と名乗っても違和感がないくらいに熟成が進んでいると思います。

センターデフを持たないR36も採用する第4世代ハルデックス式4WDは今、かなりいい線いっていると感じています。