ぶっちM45のブログ一覧

最近、少し、いっぱい、昔の映画見まくりです

「今頃ブラックレイン！」と驚かれますでしょうがいまごろです

ﾊﾊﾊヾ(=^▽^=)ノ



実は私は、ちょっとしたへそ曲がりなもので…ﾃﾍﾍｯ(*ﾟｰﾟ)>


「松田優作」という名前を聞くとすぐに「行かない」「見ない」とか言ってしまうのです

彼の出る作品を見たのは正直、今回初めてでした



遡ること、それこそ何十年か前

家の近所に、おばあさん一人でやっている小さなおでん屋がありました


５～６人くらいしか座れない、薄暗い小さなおでん屋でした

私は、家のすぐそばなのでちょこちょこ行っていました


ある夜、友人の女性を連れてそのおでん屋に飲みに行きました


その時彼女との間で、開高健の「オーパ」の話が出たので、私が「アパッチ部落が面白いよ」とか話していましたら、入口に近い方に座って黙って飲んでいた男性二人のうちの一人が「ふん、君たち文学部で開高健？そんなの読んでいないでもっとましなの読んだら～」と突然言いました


私は自分の話に難癖つけられたうえ、なぜもっとましなと言うのか理解していたので痛くプライドが傷つきました


何か普通と違う雰囲気があるけど、この人たち何者だろと思い「あなたたちミュージシャン？」と尋ねてみました

「いや、ちがう」と一言答えました


私は静かに反撃にメラメラしていたら、連れの彼女がいきなり「あ！！！松田優作だ！キャー！松田優作よ～！！！」と騒ぎ始めました


私は、その頃もテレビも映画も見ないような偏屈だったので、当然「松田優作」と言う名前は聞いたことがあったけどそれ以上は何も知りませんでした


良く見ると、どうやら話しかけてきた男性の隣に黙って座っていたのが松田優作と言うことでした


私の友人は、相手の迷惑も顧みず「松田優作よ～松田優作」とはしゃぎました


おでん屋のおばあさんは、彼らに気遣いながら私の友人に騒がないようにそっと注意しましたが、彼女にはなんの効き目もありませんでした


私も、彼女に「止めて！」という考えもなく、自分に固執したまま「私、松田優作なんて誰か知らないし、テレビも見ないからわからないよ！」と騒ぐ彼女に向かってどなるように叫んでいました


しばらくしたら、彼らはスッと立ち上がってお勘定をして静かに出ていきました



後に残った３人はそれぞれ複雑な気持ちだったと思います

おでん屋のおばあさんは彼らを帰らせてしまったことが残念でならなかったと思います


近所に山口県の何かの施設があったようで、松田優作はときどきこのひっそりとしたおでん屋に来ていたようです

そして私の友人は松田優作に会えたという余韻さめやらぬ様子のままだし


私ときたら、傷ついたプライドを挽回するチャンスもなく終わってしまったことが悔しくてなりませんでした



以来、私は松田優作と聞くと、頑なに無視を決め込んでいました

声をかけてきたのは彼の連れの方だったのですが


後で思い起こせば起こすほど、その頃の馬鹿な自分が見えて悲しくなり、この話は葬り去りたい気分でした



今回、そんなことを再び思い起こしながら「ブラックレイン」を手にしました

「よし！見てみよう！」と


なんと！主演はマイケル・ダグラスと私が好きだった高倉建ではありませんか

すぐになじむことができました

そして、病に冒され、まさに命をかけた松田優作の真迫の演技

若山富三郎の口から出た「ブラックレイン」


何とも良かった！


なんで早く見なかったんだと言うくらいでした

(＾▽＾)



何十年も経った今、あの夜の事は鮮やかに思い起こすことができるが、松田優作という役者さんはもういません


あの頃とは、私の人生も大きく変わりました



今更ながらですが、彼の作品を見せて頂こうと思いました


あ～　お喋りしたらすっかりスッキリしました

＼(＾▽＾)／おちまい！