
写真はモリワキzero-X7
最近クルマいじりが多かったので、バイクについて書いてみました。
CBX750、今年で中古購入後10年目になります。
あまりこのバイクについて情報ないので、80年代当時の時代背景と、個人的見解を参考までに。
前任機の人気車種である750第2世代のCB750Fから、第3世代として83年末にデビュー。
しかし、個性過ぎたデザインと盛り上がっていたレースブームにいまいち乗れない中途半端なキャラクターで人気はさほど。
第2世代、78/79年デビューのCB900/750Fはメインターゲットの欧州、国内や北米でも人気車種となっていたが、序盤はレースでも活躍していたものの、他メーカーの追い上げがあり、耐久レース用のRS1000では終盤にかけて度重なるエンジントラブルによる苦戦もあった。
また900/750Fがデビュー前後で、カワサキZ1/2、スズキGS1000/750と各メーカー揃ったが、海外メディアからは、「日本製のバイクはエンブレムを外したらどれも同じに見える」などとも言われていた。
個人的には空冷ダブルカムの4気筒をもつ丸目ライトのバイクという大きな面では同じだが、それぞれデザインも個性的なバイクであると思います。
この時期にホンダ対ヤマハのHY戦争が勃発。ミニバイクを皮切りに激しいシェア争いが始まった。
2輪メーカーの盟主として、ホンダは4輪の開発部隊も導入して新型車種を続々と開発する「GOGO作戦」を開始、大型車種では他メーカーとは異なる独自性をもつV型エンジンの開発に着手、レースでの圧倒的な優位性を目論んで開発された。レースでNR500による先行開発を行って、82年に水冷VF750がデビュー。これ以降のホンダのレース主力はV型となっていく。
他メーカーも個性的なデザインや、メーカー独自性の強い技術で対抗。
スズキは83年のGSX750E4/3型刀を挟んで、85年に油冷GSX-R750を発表した。カワサキは83年空冷GPZ750のあと84年水冷750R忍者を発表。ヤマハは少し間を挟んで水冷5バルブFZ750を85年に発表、いずれもレース参戦を前提、またはメーカー独自性の強い個性的なバイクとなった。
*カワサキはワークス参戦は86年GPX750以降、それまでは少し距離を置いていた
エンジン外観もホンダV型、ヤマハ45度前傾、スズキ油冷は黒で細かいフィン、カワサキ忍者は左右非対称と、個性的だったのが印象的です。
ホンダはレースの主力をV型に移しつつも、初代CB750譲りの直4路線もホンダ自身の伝統であり、官能的な吹け上がりをもつ直4はユーザー人気も依然高かった。
新しい直4 750として、82年デビューの空冷のCBX650を使ってベースアップすることに。
この手法はカワサキがZ650をベースにZ750FX2~GPz750として先行していた。
84年~市販車改造レースの最大排気量が1000cc→750ccに決まり、TT- F1として始まることが決定。
83年末にデビューのCBX750もプライベータがTT- F1に出られることを想定した設計がなされた。
HRCのレースキットにはモリワキ製のマフラーやピストンも含まれていた。
84年度はモリワキレーシングのCBX750 八代選手が見事に初代TT-F1チャンピオンに!
こちらは当然フルチューンエンジンです。
ベースのCBX750エンジンのポイント
※1 バルブ系が拡大、ハイカム化。後継機種の92年RC42では実用観点でバルブ系が小径化、カムも実用向けとされた。
※2 CBX650よりもさらにショートストローク化。
RS1000の反省を踏まえて、レース志向を強くした。
※3 圧縮比については9.3とし空冷では平凡な数値となった。
ちなみに同時発表のCBR400Fも前任機の大人気車種であるCBX400Fを踏襲せず、オイルクーラーむき出し、後付けされたようなライト等、簡単な改造でレースに出れるレース志向外観のバイクとなっていた。
この脱前任機傾向は750/400とも同じであったが、400は一部から熱烈ラブコールがあり、CBX400Fの再販に。
ユーザーはメーカーの劇的変化について行けてなかったんですね。私も乗ってたCBX400F2型。
進化の激しい80年代において、一度終了したモデルの再販に踏み切ったホンダはユーザーを見捨ててないことがわかります。SRのヤマハ、刀のスズキ、忍者のカワサキも同様ユーザーを見捨ててないですね。
当時の750cc ボアストロークと圧縮比と乾燥重量比較
スペック表より
ホンダ
・82年 CB750FC 62×62 9.2 231kg
・82年 VF750F 70×48.6 10.5 218kg
・82年 CBX650 60×58 9.5 197kg
・83年 CBX750 67×53 9.3 215kg
・86年 VFR750F 70×48.6 10.5 199kg
カワサキ
・83年 GPZ750F 66×54 9.5 217kg
・86年 GPX750R 68×51.5 11.2 195kg
ヤマハ
・85年 FZ750 68×51.6 11.2 209kg
スズキ
・83年 GSX750E4 67×53 9.6
・85年 GSX-R750 70×48.7 10.5 179kg
バイクブームとレースブームを背景に数年間の間に激しい競争により高回転化、軽量化を果たしていることが、スペックからも読み取れます。最高出力の数値だけでは判断できないところです。82年のVF750Fが飛び抜けていたのがよくわかります。
CB750Fのスクエアから、新しくなるほどにショートストローク化と圧縮アップによる高回転/高出力化が図られて行きますが、CBX750は時代の過渡期、ショートストローク、ハイカム、バルブ径アップは果たしたものの、圧縮比は従来並みとなり、インプレは高回転まで頭打ち感なく綺麗に回るものの、実用低速トルク感はいまいちのフィーリングとなりました。同じホンダで水冷ハイスペックなVF750に道を譲ったともいえますが。。
話は少し変わって、グループA時代のAE86も会社の方針で86年からFFのAE82FXにレースの主力を譲ってますね。
実はまだまだいけたのではと思ってます。
VFとCBの2枚看板を続けたホンダ、FFとFRの2枚看板を途中で下ろしてしまったトヨタ、この話の続きは後でまた書きたいと思います。

85年アドバンカローラ
カローラ使い鈴木恵一/ドリキン土屋圭一 組
話は戻り、乗ってる人が少ない、独自色を強めたところが気にいってるのと、ボルドールの大きなカウルは形も好みでツーリングでも助かってます。
80年代の階段をかけ上がるかのような進化と激しい競争、ホンダV型、ヤマハ5バルブ、スズキ油冷等、メーカーも独自色が強かった時代であり、懐かしく思う次第です。
もちろんCBX750の空冷への拘りも。
改善点が見えたところで資金もないのでCBX750の改善は一旦中断し、来年はCB750Fを復活させたいとも思ってます。