
■それでは続きです。
シャア「まったく、あれは可愛げのない子供だ」
アムロ「しかしどうする、シャア?結局、MSは手に入らなかったぞ」
ファ「あのう…クワトロ大尉」
シャア「ややっ!ファじゃないか?まだ私たちに何か用かね?」
ファ「大尉、もしよければ私たちのMSを使ってください」
アムロ「なんだって!」
ファ「サイコガンダムとサイコガンダムマークⅡしかありませんけど…良かったら是非」
シャア「ありがたい!使わせてもらおう!」
アムロ「やったぞ、これでブライトに会いに行くことができる」
シャア「どうだアムロ?マークⅡの乗り心地は?」
アムロ「こいつすごいぞ…僕と同調している」
シャア「ハハハッ、それは良かった。こちらも乗り心地は抜群だよ」
シャア「では会いに行くとしよう――出撃する!」
―アーガマ―
トーレス「ブライト艦長!大変です!大型のMSが接近してきました!」
ブライト「なんだと!こちらへの呼びかけは?」
トーレス「まだありません」
ブライト「ならこちらから呼びかけてみろ」
トーレス「はい――こちらはアーガマ、そちらの所属を伝えてほしい」
シャア「アムロ、アーガマから呼びかけがあったぞ」
アムロ「ほんとだ。こちらからも呼びかけよう」
アムロ「あっ…しまった!間違えてリフレクターピットを発射してしまった!」
シャア「なんだと!?ええい、貴様はアホか!」
トーレス「艦長!相手は発砲してきました!やはりこちらの敵です!」
ブライト「ううむ…至急、応援を呼べ!」
ブライト「それまでなんとか持ちこたえるぞ!総員、戦闘準備!」
シャア「ええい、アーガマが撃ってきただと!」
アムロ「くっそ…ブライトの奴め、僕たちに職を与えないつもりだな!」
シャア「アムロ…?」
アムロ「誰にも邪魔はさせない!こいつぅ、落ちろ!!」
シャア「さてはアムロめ、サイコガンダムの影響でおかしくなったな」
シャア「ええい、話をややこしくしてくれる」
トーレス「各ブロックに被弾!損傷は甚大です!」
ブライト「おのれ…応援はまた来ないのか」
トーレス「来ました。シロッコが艦隊を率いてきました」
ブライト「来たか!」
シロッコ「ふふっ…戦闘とは久しぶりだな。君もそうだろ?レコア」
レコア「はい。緊張しております」
シロッコ「安心したまえ、君は私についてくればいい」
シロッコ「まずは敵の正体を知る必要があるか。呼びかけてみるとしよう」
シロッコ「聞こえるかね!MSのパイロット!」
シロッコ「私はパプテマス・シロッコ!諸君らの要求を聞きたい」
シャア「シロッコだと?なぜ奴が出てくる?」
シロッコ「私の呼びかけに応じたまえ!君達の目的はなんだ!」
シャア「私の名前はシャア・アズナブル!」
シロッコ「なんだと!?」
ブライト「シャアだというのか!?」
レコア「クワトロ大尉…」
シロッコ「シャア!貴様の目的はなんだ!世界か!それともスペースノイドの独立か!?」
シャア「職だ……」
シロッコ「はっ?」
シャア「私、シャア・アズナブルは新しい仕事を要求する!」
シロッコ「あのシャアが職探しをしているだと?レコア、君はどう思う?」
レコア「そんなことありえません。大尉のことですからまた何か実行するつもりです」
シロッコ「やはり君もそう思うか。しかも通信を傍受すればもう一人のパイロットはアムロ・レイ!」
レコア「アムロ・レイですって!?」
シロッコ「読めたぞ、シャア!貴様達はアーガマをそそのかして事を起こすつもりだな!」
シロッコ「そんなことはさせぬ!MS隊!出撃しろ!」
シャア「なんだと!さらにMS隊が攻撃してきただと!」
シャア「ええい、シロッコめ!完全に誤解しているな!」
アムロ「ララァ!僕だ!」
シャア「くっ…しかし私とて、死ぬわけにはいかん!」
シロッコ「やはり反撃してきたか…なんとしても撃ち落せ!」
一方、その頃…
マシュマー「ハマーン様!大変です!」
ハマーン「誰かと思えばマシュマーではないか。久しいな…花屋の方は順調か?」
マシュマー「はい、それなりに…そ、それよりもハマーン様!テレビをご覧になりましたか?」
ハマーン「テレビ?いや、見ていないが…」
マシュマー「ハマーン様のご主人が大変なのです!」
ハマーン「シャアがか!?どういうことだ!」
アナウンサー「ご覧下さい、ティターンズの艦隊とあのシャア・アズナブルが戦闘をしております」
ハマーン「シャア!?」
シャア「私、シャア・アズナブルは新しい職を要求する!」
ハマーン「くっ…シャアめ、私に恥をかかせおって!」
マシュマー「ハマーン様、どうしましょうか?」
ハマーン「すぐに部隊を召集しろ!」
マシュマー「で、では出撃なさるのですね!」
ハマーン「夫の不手際は妻たる私の責任でもあるからな…」
シロッコ「よしっ!そのまま二人を包囲しろ!」
シャア「くっここまでか…」
アムロ「見える!僕にもララァが見えるぞ!」
シロッコ「終わりだ!シャア!」
ハマーン「双方!戦闘を止めぇい!」
シロッコ「ネオ・ジオンが現れただと!ハマーンめ!シャアを手助けする気だな!」
シロッコ「何をしに来た!ハマーン!」
ハマーン「シロッコか…安心しろ。私は貴様と戦闘をしにきたわけではない」
シロッコ「では何をしにきた!答えろ!ハマーン」
ハマーン「そこにいる私の凡夫を引き取りにきただけだ…」
シャア「ハマーン…?」
シロッコ「(一体何が起きているというのだ?この茶番じみたわけの分からなさはなんだ?)」
ハマーン「この度は私の夫が混乱を引き起こし、真に申し訳なかった」
シャア「は、反省しております」
アムロ「ララァ…」
シロッコ「誤解が解けたならそれでいい。お咎めはなしとしよう」
シャア「それじゃあ!」
シロッコ「ああ、貴様たちは無罪放免だ。ハマーンに感謝するのだな」
シャア「ハマーン、お前…」
ハマーン「これでも貴様は私の夫なのだ。当然だろ」
シャア「す、すまない…」
シロッコ「(これぞ私が理想とする女性の時代だ。やはり私の予言は正しかった!)」
そして…
シャア「ハマーン、さっきはすまなかった」
ハマーン「シャア、貴様なぜ失業したことを私に隠していた?」
シャア「そ、それは…」
ハマーン「ふん。貴様にはほとほと愛想が尽きたよ、シャア」
シャア「……やはり私とは離婚か?」
シャア「当然だろうな、もはや私は世間を騒がせた失業者だ」
シャア「君を失って当然かもしれん」
ハマーン「……働けばいいのだろ?」
シャア「はっ?」
ハマーン「失業したお前の代わりに私も働けばいいのだろ?」
シャア「ハマーン!!」
~fin~