さて、5月29日にFPAY31ことシーマが納車されました。
そう、バブル絶頂期の1988年に『シーマ現象』で一大ブームを巻き起こした初代シーマです。
初代シーマにはセドリック・シーマとグロリア・シーマがありますが、私のはグロリア・シーマになります。
私のこれまでの車遍歴は、ST202セリカ→JZZ30ソアラ→EXY10セラと、名車どころかどちらかというと迷車続きでしたが、今回初めて誰もが認める名車を手にすることになりました。
当初はオープンカー、具体例をいうとデルソル辺りが欲しかったのですが(またもや迷車)、以前見に行った時にあまりしっくり来ず、カーセンサーのホームページをみて東広島市の方に初代シーマが掲載されていたので、年末に見に行ったのが始まりでした。
人と同じがイヤな人間なのであまりこのような名車にはピンとこなかった私でしたが、実際に見に行ってみると、
「なるほど、これは文句なしにカッコイイ!」
と素直に感じ取ることが出来、まさかの3台目購入という形になってしまったのでした。
造形としては、ぱっとみ四角く見えるのですが、よくみると実は丸みのあるボディであることが写真3枚目から見て取れます。
ただし、昔の日産車故、輸入車に近い感覚の乗り物だと私は思ってます。
というのも、故障が多い・・。
純正オーディオがついていたのですが、これがめげて(壊れて)いました。
そのほかにも小さな故障がチラホラ。
新車でない以上、ここは目をつむるしかないか・・。
お金に余裕ができたら、直すとしますか。
ただし、オーディオだけはどうしても純正にこだわりたいので直します。
というのも、今回のシーマの抱負は
「徹底してにフルノーマルにこだわる」
だからです。
この初代シーマ、私が小学生から中学生にかけて、毎日何台も見かけていましたが、そのほとんどが、竹やりだのフルエアロだのシャコタンだの・・・ボロクソに扱われた哀れなシーマ達でした。
そんな扱いを受けた車両が多かったためか、ここ数年は初代シーマ自体を街中でみかけることすら無くなってしまいました。
そんな中、今回のシーマが中古車市場に出回ったのです。
しかもこの個体、1988年式(昭和63年式)のド前期です。
それだけではありません。
なんと27年もの間、前オーナーは屋内でカバーをかけて保管されていたのです。
おかげでボディはクリアもたっぷりのった艶々ボディ。メッキ部もしっかり生きています。
さ・ら・に!
初代シーマでは稀少の本革シート付き!
屋内保管が功を奏し、初代シーマは革がスレにスレたのが多い中、この個体は相当キレイな状態を保っています。
硬化も少なく、ソフトなタッチまで保っているのです。
しかもドノーマル。
ワンオーナーにつき、ナンバーも当時の33ナンバーのまま。
「まだ、こんな個体が残っていたなんて・・・」
この一言に尽きます。
今回の場合、東広島市と広島市が同じ管轄の為、名義変更しても元のナンバーを保つことができるのがポイント!
ここにきて、まさかの33ナンバーゲット!!
また、初代シーマ前期のパールにはアイボリーホワイト(濃いパール)とホワイトパール(淡いパール)の2色あり、そのほとんどがアイボリーホワイトの中、私のは数少ない淡いパールの方でした(後期で廃止)。
この2色で違うのは色味だけではありません。
この2色では、内装色が変わります。
アイボリーホワイトだと80年代車に多くみられるマルーン内装なのに対し、
今回のホワイトパールの場合、ベージュ内装になるのです。
個人的にはベージュ内装の方が好みだったので、これまた好都合というか、運がよかったです。
なお、女優の伊藤かずえは、大のシーマフリークであることはわりと有名な話なのですが、伊藤かずえのシーマは、アイボリーホワイトでした。
彼女曰く、このシーマが一番しっくりくるのだそうです。
なるほど、確かに格好もいいが、それだけではないクルマだということは、中に乗って運転して初めてわかりました。
これまでマニュアル限定と声高らかに公言してきた私がまさかオートマチック車を買う日がくるだなんて、想像すらできませんでした・・。
それを超越した魅力が、このクルマにはあります。
一言で表すとなかなか難しいのですが、一言で言うとすれば、それは
「アメニティ」
です。
アメニティ=快適性と言っても特段中が広いという意味ではありません。
むしろボディサイズを考えると狭いと思います。
しかし、タイトルにもつけたように、このシーマからの車窓、如何でしょうか。
安全性・燃費性能ばかりが問われる現代においては、このようなにBピラー(前席と後席との間の支柱)のないクルマは到底作れないでしょう。
そして、このピラーレスハードトップだけが成し得る抜群の開放感。
手元で解除可能なパーキングブレーキ。
光を感じると自動防眩してくれるオートリフレックスミラー(但しオプション)。
脱着可能な助手席シートベルト。
さらには後席ピロー&後席バニティミラー、後席優先暖房などなど・・。
ちゃんと前席・後席に乗る人のことをそれぞれ考えて設計されています。
乗る人の心をつかんでいます。
これこそが私はアメニティだと感じました。
中が広いだけが快適ではないのだということをこのクルマが教えてくれました。
無論、トランクも広くありませんし、燃費だってきっと極悪でしょう。
けれども、それを遥かに超える魅力がこのクルマにはあります。
その初代シーマを前オーナーの好意を無駄にしないためにも、あえてフルノーマルで末永く大事に乗っていきます!