迫力ある外観が印象的なこのMINI 3ドアは、先日公開された「エレクトリック・ペースセッター」なるモデルで、車両自体はそれまでBMW i8をベースに造られていたFIAフォーミュラE選手権の各ラウンドで使用する新型セーフティーカーとして、今月10~11日にイタリア・ローマ市街地コースで開催される2020-21シーズン第2戦より稼働していく模様です。
「エレクトリック・ペースセッター」はBMW i3譲りの電気モーターを搭載した“クーパーS E”
(ガソリンPHVであるクロスオーバーのクーパーS E オール4とは違い、こちらは諸事情で日本未導入)がベースで、184hpを誇るモーター出力に変更はないものの、最大トルクをベース車の27.5kgmから28.5kgmに、0-100km/h加速を7.3秒から6.7秒へ短縮するなど動力性能の引き上げに一役買ったセッティングが施されているのに加え、ボディ前後に装着されたJCW(ジョン・クーパー・ワークス)チックなエアロパーツや、内装で目立つロールケージと6点式シートベルトなども奢り、セーフティーカーでありながらレース車両っぽさも感じさせたのが特徴といえます。
ちなみに上述したエアロパーツはBMWモータースポーツのスタッフも協力に当たった話があり、それはグループ内両ブランドの持つ知見が生かされている証拠ですから、車両開発にあたってはMINI側とBMW側とで相当な議論が交わされたんだろうなと想像に難くないでしょう。
すでにベース車等々で実証済みの、EVならではの高い加速性能と内燃機関モデルから継承している「ゴーカート・フィーリング」の融合はこの『エレクトリック・ペースセッター』でも健在になっているのではないでしょうか。
そういえばMINIは先月中旬にBMWグループが行った年次会議で、エンジン車の新車販売を2025年デビューのモデル(次期ハッチバックあたりが有力?)より随時終え、
今後は全ラインナップのパワートレーンをEVに一本化させるニュースが飛び込んできたばかりですから、そう考えると実にタイムリーなときに新セーフティーカーが発表されましたね。
小型車ブランドの全車EV化はフォーツー/フォーフォーを擁したスマートのほうが早かったですし、最近は方々の国と地域でエンジン車の新車販売禁止に向けたビジョンが進んでる傾向にありますので、BMWグループ全体の販売目標と照らし合わせた苦渋の決断なのは、内燃機関搭載のMINIを知るいちファンとして甘受しておかなければいけないのかなと思っています。
Posted at 2021/04/01 22:50:01 |
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