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2012年12月31日 イイね!

Project BH 【最終話】 ゞ(`')、 【小説風フィクション日記】  


※ この物語はフィクションであり、登場する団体・人物などの名称はすべて架空のものです。









ガソリンスタンドから伊那街道に出る。

数十台一般車が間に入ってしまった。

メンバーのBHは一台も見えない。

仕方なく単独で豊川 IC 向かった。







キャットのBHにはナビがない。

休日しか乗らず長距離は年数回の為に高性能ナビは必要ないと思っている。

数キロ勘で走っていると豊川 IC の案内標識が見えてきた。

あとはナビなど必要ないとキャットは思った。

東名高速に乗ってしまえば一本道も同然だ。








逢魔が時、辺りは闇に包まれようとしている。

合流から本線へBHのアクセルを床まで踏みつける。

チタンマフラーから乾いたボクサーサウンドが東名に木霊する。

高速域に達し道路照明が後方に加速する。

東名と新東名の分岐点、三ヶ日JCTに差し掛かった。

キャットは左にウインカーを出し車線変更をする。

まだ、全線開通していない新東名は浜松いなさJCTで大きくループを描く。

100kmを越える速度域では堪らなくきついカーブだ。

身体が横Gでシートの右側に張り付く。







開通したばかりの新東名には道路照明がまったくなかった。

ヘッドライト以外の明かりはトンネル照明と月しか見えない。

まるで暗い液晶画面を見ながらドライビングしている感覚だ。

路面は氷のように滑らかでタイヤノイズさえ聞こえてこない。

まるで宙に浮いて走っているようだった。








前後にはまったく車は走っていない。

ヘッドライトが照らすアスファルト以外は闇が見えるだけだ。







暗闇の先にBHのテールが見えてきた。

数台確認できる。

本隊にやっと追いついたようだ。

追越し車線から本隊に近づく。

走行車線には、アイランド、ネオ、マツ~ケンが走っている。

追越しざま各車にハザードで挨拶しながら抜かした。

本隊には、フロッグ、ブラッドの姿はなかった。

また先に行ってしまったのだろう・・・。

さらにアクセルを踏む右足に力が掛かる。






「トーン」

継ぎ目で跳ねた。

キャットのBHはFR12kgのスプリングが入っている。

小さな段差でも室内には激しく振動が伝わってくる。

また後ろから「カサカサ」音がする。

ハイマウントランプが外れたのだ。

「チェ、またか・・・仕方ない、次のPAに入るとするか。」

キャットは心の中で呟いた。






次のPAは掛川だった。

小さなPAだ。

車も少なく薄暗い。

キャットは一番奥の車が停まっていない駐車場に止めた。

リア ハッチを開けてみるとハイマウントランプがブラブラしていた。

「マスキングテープでは止められないのか・・・。」

だが、強力なテープは持ち合わせていない。

6ヶ所で止めているのを9ヶ所にした。

少し張り方も変え工夫した。







自動販売機で缶コーヒーを買いBHを眺めながら煙草を吸った。

オレンジ色をした街路灯の光に照らされて煙草の煙が宙を漂う。


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キャットはハイマウントランプをテープで止めていた。

その時PA入り口から「ボォンーボォンー」と

ヒール&トゥでエンジンブレーキを掛けながら入ってくる車がいた。

BHではないエンジン音だ。

入り口近くの駐車場は空いている。

しかし、こちらに向かって走ってくる。

その車はBHの隣に止まった。

キャットは心の中で叫んだ。

「モーホーかぁー?こんな空いてる駐車場なのに隣なんかに止めやがって!俺はその気はないぜ!」

車はジネッタ G55 だった。

オレンジ色の流線形なボディ、GTウイング付きだ。

V型6気筒、排気量3.7リットル、最大出力は370psを発揮する。

イギリスのスポーツカーだ。

キャットは焦っていた。

もしモーホーが現れたらどうやって断るかを・・・。

左ドアが開いた。

オレンジ色のマニキュアをした指先が見える。

腕は細く白皙だ。

「ヤバイ、本格的なモーホーだ。女がこんな車に乗っている訳がない。

掘られたら、どーしよー!」

咥え煙草の唇が震える。

ワインレッドにラメを鏤めたハイヒールを履いている。

網タイツの長い足が現れた。

髪は背中まで伸びている。

ハニーベージュだろうか、明るくカラーリングされている。

ギンガムチェック柄のカットソーワンピース

振り返った女(?)はキャットを見て微笑んだ。

顔立ちは、どことなく若い頃の中田有紀に似てる。

キャットの顔認証システムはフル回転状態だ。

だが、男で検索しているので回路は錯乱してしまっている。

「キャットお久しぶり♪」

声は女のようだった。

「こんな所で会うなんて偶然ね♪」

微笑んで首を25度傾げた。

検索は終わった。



あの首を捻る癖は、麗華だ。

化粧、髪型が変わっていたので分からなかった。








麗華とは六本木 Velfarre 前の路上で知り合った。

25日クリスマスの夜だ。

キャットの連れ数人は、GENTLEMENS' CLUBの黒人となにやら交渉をしていた。

その時、キャットが彼女達に声を掛けたのだ。

麗華と、もう一人の彼女はキャットの誘いに微笑んだまま通り過ぎて行ってしまっ

た。

「ここは六本木だが、そう簡単にナンパなんかできないか・・・」

キャットは苦笑をして舌を出した。

連れ数人がキャットに向かって歩いてくる。

黒人との交渉は決裂したようだった。








薄暗い六本木の路地を進むと、突然まばゆい光を放った階段があった。

入り口には黒服が立っている。

キャットは、その階段を登ってみたくなった。

覚束ない足取りで階段をあがる。

ディスコのようだ。

階段を上がりきると入り口と更衣室代わりのコインロッカーがあった。

何気なく左を見ると麗華と連れがコインロッカーに荷物を入れていた。

キャットは右手を挙げて「おう!」と挨拶をしVelfarreに入った。






エレベーターに乗る。

登っているのか下っているのかわからないエレベーターだ。

エレベータギャルに「一緒に踊らない?」と声を掛けたが断られた。

扉が開くと、そこは光と大音量の倉庫のようだった。

こんなに広いホールは見た事がない。

ミラーボール、シャンデリア、レーザー光線からギラギラ光を放っている。

ホールに入って連れ達とホールで馬鹿騒ぎしながら踊る。

キャットと連れ達は忘年会の帰りで泥酔状態だ。

キャットはお立ち台に上って踊ろうとすると黒服の黒人に

「no,no!」と制止されたりしていた。

お立ち台はレディ専用だ。

キャットは舌を出しながら黒服に下ろされる。

そんな状態ではしゃいでいると麗華が寄ってきた。

キャットは目を丸くした。

「どうした?」

キャットの問いかけに

「楽しそうに踊ってるから来ちゃった!」

と、麗華は応えた。

ステージには、キム〇ク、ダウンタウン浜〇、飯島〇子などが現れる。

ドラマの宣伝で来ているようだ。

ホールには響めきが走る。






何時間踊っただろうか?

楽しい時間はすぐに過ぎてしまう。

閉店1:00が来てしまった。

Velfarreを出て近くの地下にあるBARに入った。

裸電球だけの薄暗い店内だった。

外人の姿も多い。

カウンターの席に座っているのは、この辺の遊び人と言った感じだった。

キャットと麗華はカウンターに腰を掛けた。

麗華に休日は何をしているのかと問いかけてみた。

「そうね~。早朝、箱根あたりを車で走ってるかな・・・」

バックから取り出した写真には、イエローボディのポルシェ 911 GT2が写ってい

た。

「なんでこんな高級車を乗ってる?」

キャットは驚いた。

麗華はAKBグループの社長令嬢だったのだ。

それから2年付き合った。

しかし、麗華がグループ会社の神戸支店支店長になってからは疎遠になっていた。






あれから5年の月日が経っていた。

「何やってるのこんなところで?」

麗華が問いかける。

「いや~ハイマウントランプがとれちゃってさぁ~」

麗華はまた首を傾げなからBHを見た。

「何て言う車なの?」

「SUBARUのレガシィだよ!」

「ふぅ~ん、しらなぁ~い♪」

思い出した。

麗華は国産車に興味がない女だった。

服もブランド物しか身につけない。

麗華がキャットの左手を掴んで正面に立った。

キャットは「うぅん?」となる。

麗華の瞳にキャットの顔が映っている。

その顔が段々と大きくなってきた。

キャットは、自分の顔20cm以内に女の顔が近づいてくると自動的にベーゼをすると決めている。

どの女でもだ。

一度、満員電車でそれを実行したら怒られたことがある。

麗華の唇はピンクゴールドのグロスで湿っていた。

柔らかく滑らかに唇が動く。

麗華の舌がキャットの唇を押し開く。

キャットは唇で麗華の舌を愛撫する。

麗華の顔がピンク色に蒸気し始める。

麗華の腕がキャットの腰を強く引きつけ豊満な胸を押し当ててくる。

やがて二人はリアハッチの中へと消えて行った。
          
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その時、騒がしくクラクションが鳴った。




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駐車場からバックで出ようとした車が鳴らされたのだ。


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キャットは腰を上下に激しく振っている自分に気づき目覚めた。

腕は宙を掴んでいる。

「おおぉ!」

すぐには腰は止まらなかった。

しかし麗華の姿はなかった。

昨日からの睡眠不足の為か、いつのまにかに寝てしまっていたようだ。

「ちぇ、夢か・・・」

キャットはエンジンキーを回す。

「ドドドドドドドッド」

ボクサーエンジンも目を覚ました。

ライトを点け暗闇の新東名本線へと戻って行く。

本線には車の姿はない。







何気なくメーターを見る130kmを越えている。

何てスピード感覚のない道路なんだろう。






駿河湾沼津PA 2kmの看板が見えてきた。

ウインカーを左に出し本線を下りた。

淡い光の建物が見えてくる。

地中海の港をイメージして建てられた建築物は、航海に疲れた旅人達の心を癒や

しているようだった。

遠くから鐘の音が聞こえていたりもする。

多分ここでBCEメンバー達も錨を下ろしていることだろう。








港町には、ショッピング街・レストラン・カフェ・ベーカリー・フードコートなどがある。

展望台には鐘が設置されカップル達にはムードたっぷりの空間だ。

街を散歩していると、テラスでフロッグとブラットが食事をしていた。

軽く挨拶を交わし、キャットは煙草を吸いに外に出た。

スモーキングエリアはPAの一番奥にある。

何とも煙草吸いは邪魔にされたもんだ。

テラスに戻ってみると、マツ~ケン、アイランドも食事をしていた。

キャットは食欲がなかったので展望台に上がってみた。

薄暗い石畳の道は日本にいることを忘れさせてくれる。

階段を上がると小さなホールと鐘がある。

「あ~あぁ、麗華でもいればムードタップリなのに・・・」とキャットは思った。

周りは発情し舞い上がったカップルばかりだ。






フードコートにもどる。

BCEメンバーは各々お土産を買って帰るらしい。

キャットはメンバーと別れを告げ船へと戻って行く。





港にもどりエンジンキーをONにする。

先週切れたブルーのメーターリングが悲しく点滅をしている。

燃料計は一目盛り弱、これでは渋滞にハマったらガス欠になる。

ガソリンスタンドは目の前だ。

仕方ない給油するか。

ENEOSカードが使えるので20ℓを入れた。

これで燃料の心配はない。






ガソリンを給油しスタンドからPAの出口に車を向けた。

合流に差し掛かる。

後方からボクサーサウンドが聞こえてくる。

追い越し車線をヤマトが轟音を響かせながらクルージングして行く。

バックフォグが眩しく輝いていた。






ついに東名と合流をした。

アップダウン、コーナーが激しくなる。

サイドミラーにブルーのデイライトが映った。

また奴か・・・?

フロッグは5~6台の塊の中にいた。

100kmは遥かに越えるスピードだ。

トイレ仲間を従えての行進なのだろう・・・。

視界からは数秒で消える。







何時間走っただろうか

左足太股が痛くなってくる。

もうすぐ首都高速だ。

料金所を過ぎ用賀PAに入る。







閑散とした用賀PA。

時間は22時頃だっただろうか・・・。

BHを一番奥の駐車場に止める。

「お疲れ!」とBHに目線を送る。

白いボディが街路灯に照らされ輝いている。

やはり俺のBHは格好いいなぁ・・・と、キャットは心の中で思った。

自動販売機で缶コーヒーを買う。

料金所では減速、加速が繰り返されていた。

キャットは煙草に火を点けた。

長旅を癒やす一服だ。






遠くからボクサーサウンドが近づいてくる。

「誰だ?」

キャットは料金所の方を見た。

ブラットだった。

シルバー色のボディがボクサーサウンドと共に3号線に消えていった。

キャットは星の少ない都会の夜空を見上げながら灰皿に煙草を捨てた。






キャットはBHのエンジンを掛けた。

エンジンは快調だ。

PAから本線に合流する。

首都高の合流は距離が短い。

BHをフル加速して本線に入る。

往復600km以上走っているのでコーナーを攻める気にはならなかった。






C1右回りに入ってから一台ついて来る。

速度を上げたが向こうも加速してくる。

「覆面だと面倒だなぁ!」

キャットは免許証がなくなるとまずいのである。

箱崎JCT 左コーナーを立ち上がった。

「あ、間違た!」

7号線で帰るつもりだったが9号線に入ってしまった。

登りの右コーナーを抜けたところでミラーを見る。

まだついて来る。

「おまえのせいで間違えたんだぞ!」

キャットは左車線に車を寄せた。

5時の方向から甲高いエキゾーストノートが聞こえる。

この音はホンダか・・・

ブルーのシビックタイプRがフル加速で右コーナーに消えて行った。

「おいおい この先にはオービスがあるんだぜ!」

木場出口を越え右コーナーを抜けるとループコイルがある。

まあ、キャットの知ったことではない。






湾岸線に入った。

暗い海岸線に葛西臨海公園の観覧車が輝いている。

やがて幕張メッセのビル群が見えてきた。

キャットは左にウインカーを出した。

4速に落としスローダウンを始める。

キャットのBHは進路変更し静かに湾岸習志野出口に消えて行くのであった。

「お疲れBH!とキャットは車内で囁いた・・・」









<Project BH 最終話> 

Posted at 2012/12/31 02:07:55 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日記

プロフィール

「@yoshiro4460 さん
駅前のお店です。
これだけやっても1500円と良いお店です。
他のお店には行けなくなりそうです。

上段真ん中の写真にコロッケも少し写ってます。w」
何シテル?   08/06 21:36
コツコツとパーツを調達しながらカスタマイズ中! そんなには進まないが気長にやってます。♪v(*'-^*)^☆

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