アウディ A3スポーツバック1.4TFSI

今年はとにかくCセグメントの当たり年です。メルセデスAクラスに始まり、ボルボV40、フォルクスワーゲンゴルフ、フォードフォーカス、そしてこのアウディA3スポーツバックと出そろいました。
このA3スポーツバックは、フォルクスワーゲンゴルフと共用化したMQBというモジュール化されたプラットフォーム(車台)を採用しています。
パッと見、実は先代とあまりデザインが大きく変わっておらず、中身も大して変わってないのかなと高をくくっていたら、なかなかどうして、やはり新世代のアウディの実力はなかなかのものでした。
試乗したのはエントリーグレードの1.4TFSIで、価格は308万円です。
エンジンは1.4L直列4気筒エンジンにターボで過給。最高出力は122馬力ですが、1,400~4,000回転で20.4kgmという最大トルクを発揮します。それに7速のSトロニックと呼ばれる、DCT(デュアルクラッチトランスミッション)が組み合わされています。
非常に扱いやすいエンジンで、とにかく低回転でのトルク感が実に気持ちがいいです。122馬力という数値から想像する通り、伸びは確かに物足りないと感じる場面もあるかもしれませんが、しかしスポーティに走ればそれなりにスポーティに走りますし、なかなか魅力的なパワーユニットです。
アイドリングストップ装置はもちろん装備されており、これの再始動時の振動もほぼ気にならないといっていいと思います。
トランスミッションはSトロニックですが、初期のものにくらべれば発進時のギクシャク感はほぼなくなりましたが、たまにATのようなスムーズさを頭に入れて乗ると少しギクシャク感じることもなくはないです。しかし、普通の人はさほど気にならないかもしれません。
今回からエントリーグレードにもパドルシフトが採用されました。このシフト変速の素早さは実に気持ちがよく、こういうところはかなり運転を楽しめるポイントだと感じました。
乗り味は大変しなやかで、気持ちのいい乗り味でした。やはりドイツ車ですから、固いかやわらかいかどちらかで判断するなら、固いほうだとは思いましたが、サスペンションのストローク感はかなり大きく、乗っていて気持ちのいい乗り味なのは先代モデルから引き継いでいるところです。
もうひとつよくなったのはステアリングのフィーリングです。電動式のパワーステアリングが採用されていますが、先代の初期モデルで感じられたような、中央付近でのあいまいさがなくなり、非常にドライに気持ちよくステアすることができるようになりました。直進の安定性もいいです。
ここでいわば兄弟車ともいえる「フォルクスワーゲン ゴルフ」と比較してみたいのですが、ゴルフで試乗したのは2気筒休止するエンジンだったため、エンジンがまず異なっています。この気筒休止エンジンもA3には用意されています。
細かな出来を見てみれば、内装などは特にA3の緻密なつくりはよくできているのですが、しかし最新のゴルフもクオリティ面ではかなりよくなってきています。
騒音はA3の静かさもかなり感心させられましたが、ゴルフも静かだったのを覚えています。
乗り味はよく似た味だと思います。ゴルフが気持ちしなやかと言えるかもしれません。
このA3で驚かされたのはニューMMIの「アウディコネクト」というナビゲーションその他もろもろの機能です。まず、このクルマは車内でWiFiがつながります。
そして、ナビゲーションの画面は通常のもののほかにGoogle Earthを選ぶことができ、航空写真にルート案内を載せることができます。もちろん、ストリートビューも表示できるとのことでした。通信キャリアはソフトバンクで、3年間の通信費は無料。
ただ少し物足りないポイントもあります。このA3よりも安いゴルフには自動ブレーキが標準装備されていますし、上級グレードには追従装置がついていたり、レーンキープアシストがついているのにA3はオプションであるのが少し最新のクルマとしては物足りません。
不満に思うのはその程度で、それ以外は実に気持ちよく乗れるクルマでした。ダウンサイジングを考えている人にはなかなか魅力的に映る1台でしょう。
ボルボ V40 T4 SE

V40に関しては、
以前上級グレードの「T4 SE」と、クロスオーバータイプの「クロスカントリー」に試乗し、これもいいクルマだと感心しました。未確認ではありますが、きっと走行距離が少なかったことから、今回の試乗車は2014年モデルだと思います。

以前、詳細はレポートしたため今回は短くまとめたいと思いますが、以前乗った時と今回印象が異なったのは乗り味です。以前はここまで固い印象を感じなかった乗り味だったのですが、今回は荒れた路面の上を走ると少しゴツゴツ感を感じる乗り味でした。まだ700km台の走行のため、ダンパーのフリクションが取れていないのかもしれません。クロスカントリーは明らかに乗り味は異なり、しなやかさが高かったと記憶しています。
昔ながらのボルボらしいしなやかさをもう少し感じたいものです。
パワーは1.6Lターボですから十分で非常に気持ちよく走れます。トランスミッションのフィーリングもいいものです。

しかし、何よりこのクルマで魅力的なのは先進の安全システムです。
ほぼ自動運転に近いことができるそのシステムは、かなり長距離運転での疲労度は低くなると思われます。
そして、メーターは液晶ディスプレイとなっており、3種類のテイストをチョイスできますし、前方にあるカメラが道路の標識を認識して、最高速度の表示や、追い越し禁止などの表示をメーター内にします。
あとはドイツ車とは異なる、内装のオシャレさは魅力的です。
《まとめ》

結論からして、A3スポーツバックとV40どちらがいいかというと正直なところ、いろんな方面でA3のほうがいいところと悪いところ、V40のほうがいいところと悪いところがあり非常に迷わされます。
A3がV40より優位なところ
〇乗り味
〇エンジンフィーリング
〇先進のインフォメーション など
V40がA3より優位なところ
〇先進の安全装備
〇デザイン
〇内装のオシャレ感
それからブランド力ということを無視して、フォルクスワーゲンのゴルフも射程範囲に入れると、バリュー度からすればA3よりもゴルフだと思いました。
Cセグメント全体で考えると、今私がいいと感じているのは上にあげた3台です。
メルセデスのAクラスは内装や乗り味がもうひとつ、BMW1シリーズはいいクルマだけれどもFRのためやはり室内空間に難あり、プジョー308はもう古い。個性を主張したいのならば、アルファロメオジュリエッタ、シトロエンDS4というチョイスも面白いですが…。
Posted at 2013/11/16 20:22:32 | |
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