今日はドラテクの話です。
画像は昨日の袖-1GPの基準タイム出しのデータ。
フルWETだったのでAudi R8が26秒台(Dryの時の予想タイムは14秒位)とFFのVW アップGTIの35秒台(Dryの時の予想タイムは25秒位)の比較です。
一般道で減速をすると言うのは渋滞の原因を作ると言われてますし、サーキットでは難易度を生みます。
パワーが無いけど切った方向にアクセルを踏めば進もうとしてくれる特性のFFはコンディションが悪くなっても難易度は上がり辛く、パワーがある車やタイヤの扁平率が高い/幅広の車、Wet性能よりもDryのグリップに特化したタイヤなどはどんどん難しくなる。
今回のAudi R8はMT車という部分も難易度向上に貢献してしまっている。
何が難易度に直結するか?と言うと”減速操作”です。
でもパワーがあるとコーナーに差し掛かった時に曲がれる速度まで落とさないといけない量が増えるので”止める”という一番難しい操作を曲がりながらでもやる必要が出てくる。
コーナーボトム速度って両車両、ほとんど変わらない所か、コーナーによってはアップGTIの方が速い箇所もある位、それだけタイムを出す為に頑張らないと行けない所は違うという事です。
この”減速操作”と言うのはグラフに表すと下降線になります。
なるべく下降線を作らず、上がり続けるのが車は安定する(アクセルを踏んでいる状態)、加速が出来なくても並行線(一定速度維持状態)ならまだ良い、しかし到達スピードが速くても曲がれる速度は余り変わらないから、減速をしなければ行けなくなるのが問題で、クルマが真っすぐなら強い減速を出来ても曲がりながらの減速が必要な所が実は多かったり、曲がった状態で減速をした方が返って好都合だったりするという話の先はワンスマで(笑)
下降線になるような操作が必要と言うのはクルマを不安定にするという事と同義語。
クルマは安定させると曲がり辛く、不安定になるから曲がるとも言えます。
でも速度が高い所で不安定に上手にコントロール下でさせるのが上手い旋回とは分かっていても、そこがとりわけ昨日に様なフルウェットの難しいコンディションでは簡単ではない訳です。
2コーナーはアクセルOFFで行けるアップと少しブレーキを当てないと行けないR8では減速量=難易度が違う、アップは5km/h程しか減速してないからほぼアクセルOFFと言うよりもハンドルを切った抵抗で勝手に速度が落ちている位のレベルでR8は20km/h以上減速しているからステアの抵抗に加えてアクセルOFFか少しブレーキを当てているレベルの減速になります。
ドライバーがしなければならない操作は難易度を下げる操作をする事、そして操作を効率的かつ簡素化する事です。
一杯減速しなければならない時はクルマをなるべく不安定にしないようにコントロール(真っすぐにしろ!という意味ではない)、減速をやめて加速に移るというサイクルは最小限回数で(1コーナーに対して1サイクルで済むようになるべくする)、減速から加速への移行は急激に行わない、車速が高い時にやり辛い事は低くなるまで待ってから確実にやる・・・等。
いつもワンスマでお話している事に繋がっていきます。
車線グラフを見ると赤線のR8の方が2コーナーだけでなくT5-6から55R(T8)へ向かう大きく右に降る所も速い速度でアクセルOFFをしなければならない分難易度が上がるし、T4やT10のようにその後に長い加速区間がある箇所はしっかり減速してより沢山の量を低い速度の内に曲げて置いて、その先の加速でパワーを活かせる様にしている事も分かります。
上手い人とそうでない人のグラフを重ねるとそれば一目瞭然です。
山や谷の形や数で大体ドライバーのレベルが分かりますね、山は尖がっていて、谷の数は少なく、谷の形状も下降線から上昇戦への変化が1発でしかも穏やか。
この速く走る、挙動が大きくなる時にどう操作してその後の速度が落ちた時の操作への準備をしておけたり、速度が落ちた時を見逃さずに操作によって車の姿勢を安定させて沢山曲がれるか?が車が持っている旋回性能と加速性能の使い方バランスを考慮した正しいリスク管理された走りという事が言えます。
是非、どういう操作をしたらどういう車線のグラフになるのか?を考えながら常日頃のサーキット走行を、特に夏のタイムを気にしないで良い季節だからこその注目ポイントではないかと思いますよ。
一般道でもいるでしょ?凄い剣幕で右から左からスペースを使って周りのクルマにブレーキを踏ませながら、自分も急加速、急減速や車線変更を繰り返して、あからさまに急いでいる車。
でもETCレーンでは一番流れの悪い所に吸い込まれていったり、先の流れを見てないから行き場を無くして大きくロスしたりしていて、ほぼ一定の速度で効率よく走っている自分と余り変わらないって言う人、そうかと思ったらPAに入る回数も多くて長距離移動中に数回同じ車に抜かれるみたいな・・・(笑)
あれは熱効率で言ったら凄いパワー出しているのに動力ロス大きかったり、大きいがゆえに冷却にもパワーを使う必要が出てきて全然路面に捻出しているパワーが伝わってない車両と一緒。
操作やサーキットでの速さ、一般道でもスムーズさって瞬間的なものではなく”効率”ですからマネージメントが大切だって事です。。。
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2018/07/30 09:42:56