WEC上海戦から一夜明けて2スティント走った疲労感と現地に観戦頂いた方々との楽しい会食の後のチームメンバーとの夜中までの酒NIGHTによる二日酔いと戦いながら、いざ帰国します。
帰ってJ-SPORTSの放送を見るのが楽しみです。
さて、昨日のレースは実は裏側で色々と起きておりました。
まずは全体的に言えばタイヤに厳しいサーキット恒例のタイヤカス祭り。
TVで観られていた方も気になったのでは?と思います。
タイヤカスが少ない所でクラス違いだろうが同クラスだろうがポジションの入替を図ろうとするから、上海特有の回り込むコースレイアウト(= 様々なライン取りがある)と相まって接触が本当に多かった。
我ら61号車もその影響をガッツリ受けてしまったのですがLMP1 & 2、そしてGTEプロクラスとのコース上でのコミュニケーションはいつも以上に私も気を使いました。。。
特にタイヤが垂れた状態のプロクラスはコーナーは自分たちの方が速い時もある位で、ストレートで離されるという状態だから良いところで前に出さないと自分たちもロスをしてしまう。
スティント序盤から1時間走行してラップタイムが3-4秒も落ちるような状態だから仕方ありませんね。
そして私はスタートドライバーを務めている時に無線のトラブルに遭遇してました。
(実際はドリンクチューブのヘルメット周りの取り回しが気になって走行中に直そうとしたら手をひっかけてしまったのか?耳栓イヤホンをコードを断線させてしまったのが原因だったのですが・・・)
スタートして直ぐにチームからの無線が聞こえない事に気づきました。
こちらからのは聞こえているか?って問いても当然その返答は聞こえません(苦笑)
聞こえているか、聞こえてないか分からないけど何かあったらサインボード出して!
って言ってみる。。。
「No. 61 Radio OK」って次の周にピット前のボードが出る。
「AC-ON」とか「AC-OFF」とかも出るし「FAN-3」とかも出てた。
なんだ、サインボードである程度何とかなるじゃん?って思いつつ(笑)。
ピットインまでのカウントダウンもL10から始まって、「L5」位になったら「L1の後にPとかBOXとかって出るんだっけ?」って聞いてみると次のピット前通過時に「YES」って出ていたり。
少しこの先進技術によって人とのコミュニケーションが多彩かつ安易になってきたこの時代に、使っているツールはハイテクなんだけどコミュニケーションが文通のようなローテクな感じで楽しくなってしまっていた。。。(爆)
でもSCとかフルコースイエローが出たらやっぱりラジオが無いとかなり困るだろうな~と思って、いつも以上にコースサイドのマーシャルの動きやコントロールラインのフラッグ、時には他の車両に出されているピットサインまで気にしながらの走りでした。
画像はGTE-Amクラス15名のドライバ-のレースラップランキングなのですが、優勝したアストンのP.ラミー選手が断トツ、そして我らがM.グリフィン選手も健闘!
3位がアストンのシルバードライバーであるM.ラウダ、そして私が4位。
ゴールドDrもポルシェ勢2台を従えて・・・だし、同じ488フェラーリでスタートからアストンと攻防を繰り広げたF.カセラッチ選手は速いけどタイムの落ち込みを大きい傾向なので7位に留まる感じ。
カセラッチ君にどんどんアストンを攻め込んで貰って私はタイヤマネージメントしながら見える所でレースしつつ、最後の10LAPになったら勝負掛けようかな~という作戦の前半は成功してましたが、最後の10LAPは自分もヘロヘロでその後のレースの展開の為に離れないように走るのが精いっぱい、聞こえているであろう無線でスティント中のタイヤの減りやそれによるマシンバランスの変化を伝えて置く位しか出来る事はありませんでした。
これを見るとタイヤに厳しいサーキットでの決勝は如何に一発のタイムではなく、アベレージタイムが大切か?が分かります。
(決勝のベストラップなら私は15人中で8位ですから)
速さはもう衰えているけど、上手さはまだまだ向上していると感じる事が出来るのはこういったデータからも・・・なんです。
さて、そろそろ帰国の時間。
明日からしかり袖森WEEKの準備をしていきます。
Posted at 2017/11/06 14:03:22 | |
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