
「イスラム国」に北大生が参加計画、背景に何が?
TBS系(JNN) 10月8日(水)1時15分配信
イスラム過激派「イスラム国」の戦闘に参加しようとして、北海道大学の学生が警視庁公安部の家宅捜索を受けた事件です。学生はなぜシリア渡航を計画したのか。また背景には何があったのでしょうか。
「(Q.海外は?)初めてです。日本で生きていれば、1~2年の間に自殺していたと思う」(取材:常岡浩介氏)
「海外は初めて」。こう語るのは「イスラム国」に参加するためシリアに渡航しようとしたとして6日に警視庁公安部から任意の事情聴取を受けた北海道大学を休学中の学生です。
「最近、イスラム国がいろいろあったので、話題になったのを一緒に見たり」(大学生の同居人)
この学生は最近、イスラム教に入信したといいます。外国人の人質を次々と処刑するなど残忍さが際立つイスラム過激派の「イスラム国」。学生とこの「イスラム国」を結びつけたのは、秋葉原駅近くの古書店でした。
「求人」と大きく書かれたその貼り紙は、文字だけのシンプルなつくりです。勤務地には「シリア」。詳細の欄には「店番まで」とだけ記されています。警視庁などへの取材で、学生はこの貼り紙を見て応募したと見られることがわかりました。
「求人について聞いてきた人は、何人かいるみたい。(Q.いつごろ?)8月とかに1人いたと聞いた」(古書店の店員)
7日、学生の渡航を仲介していたとしてイスラム法による厳密な統治を支持している日本人のイスラム法学者も家宅捜索を受けました。学生を書店から紹介されましたが、「つき合いはツイッター上だけだった」と話しています。
「(Q.直接やりとりは?)ない。できる限りこの件で連絡取れる人に連絡を取って、それで入るルートがあれば、教えてもらうことを約束した」(同志社大学元教授・中田考氏)
この法学者から連絡を受け、学生への同行取材を考えていたというフリージャナリストの常岡浩介氏も6日に関係先として捜索を受けました。
「(同行取材の)荷造りをしていた。今日出発予定だったので。ここに広げていた機材を(警察が)洗いざらい持っていった」(常岡浩介氏)
常岡氏が撮影した学生へのインタビューです。
「(シリア行きは)極めて個人的な事情とシリアというのが魅力的、の2つ」(事情聴取を受けた大学生)
「個人的な事情とは?」(常岡浩介氏)
「社会的地位とかに価値を感じなくなった。ただそれだけ。日本の中で流通しているフィクションにすごく嫌な感情を抱いていて、別個のフィクションの中に行けば、違った発見があると思った。それくらい」(事情聴取を受けた大学生)
「びっくりしたのは、イスラム国やシリアに対して全然関心持っていない。『別の場所でもかまわなかった』と(大学生)本人は言っていた。(大学生は)『今年か来年の初めに 自分は自殺をします、だからシリアに行って殺されても同じことです』と話した。(Q.自殺願望?)自殺願望か破滅願望か、結局シリアは彼の中では、“破滅的な場所”のイメージ。自分を破滅させる場所の象徴として考えていると受け取った」(常岡浩介氏)
学生は7日に成田からトルコ経由でシリアに入る予定で、千葉県の23歳の男性も一緒に行くことになっていたといいます。
今回の事件の背景には、何があるのでしょうか。イスラム過激派組織の調査をしている中東調査会の高岡氏は、こう分析します。
「イスラム国のまね事をしてみたいと考えている日本人は全くいないわけではない。人として存在意義を与えるという形がイスラム国の勧誘システムの一部。日本でも言語的環境さえ整えば、勧誘の対象になりうる人は少なからずいる」(中東調査会・高岡豊氏)
一方、日本国内のイスラム教徒は今回の事件をどう見ているのでしょうか。
「そういうの残念ですね。本当のことは分からないが、(イスラム国の)やっていることは、イスラムの教えではない。罪のない人たちを殺すのは、許されない」(日本イスラーム文化センター・クレイシハールーン事務局長)
「シリアの人々を助けるなら、他にもたくさん方法はある」(シリアから来日)
彼らは「イスラム国」の教義について理解できないと語り、大学生の行動に疑問を示しました。
「『イスラム国』に加わり、戦闘員として働くつもりだった」
事情聴取にこう語った学生。警視庁公安部は、この学生以外にも「イスラム国」に参加しようとした動きがなかったかなど全容解明を進める方針です。(07日21:32).
最終更新:10月8日(水)1時
*頭の良い人の考えは一般市民にはわからん!
Posted at 2014/10/08 16:10:12 | |
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