自分と車の関係がここまで深くなったのは、一体いつからのことなのだろう。
最初はたまたまディーラーで乗った997が、あまりにも今まで自分が体験してきた車の感触と違うこと、そこに込められた車と人間を繋ぐ思索の深さに衝撃を受けたことがきっかけであったように思う。
まるで車が自分の身体の延長線上に感じられること。タイヤの先まで自分の神経系が延長しているような感覚。ポルシェという車の奥深さ。乗れば乗るほどに乗りてを挑発してくる、車と人間との対話。それが私がポルシェという車に感じる印象だ。
ポルシェという車にのめり込むようになって、はじめたみんカラというSNSで知った東西合同ツーリング。最初は全く知り合いもいないなか、それでも自分たちの車に対する強い熱量を感じることができた。
初めて参加したのが、第4回?それから回数を重ねて、今回で6回目の参加になろうか。
東西合同ツーリングに参加した中で、衝撃を受けたこと。それは1台の赤い930の存在だ。極端に張り出したオーバーフェンダー。そのフェンダー上にエンボスされたPORSCHEの文字。スワロフスキーのエンブレム。凶悪にデフォルメされたフェンダーと対照的に控えめに抑えられたダックテール。同じく巨大なオーバーフェンダーを特徴とする東のRWBスタイルとはスタイルを異にする、色気のある全くオリジナルなスタイル。ポルシェという工業製品にここまで自分の美意識を込めること、このポルシェの存在がこの持ち主の自己表現になりえているということに衝撃を受けたのだ。
ポルシェという車を知るにつけて、この車をモディファイすることで自己表現になるという文化が成立しているという事実を知った。それはこの車の豊かさと奥深さを物語っているのだろう。個人の人生の中にポルシェという車が入り込んでくることで、その人の人生の何かが確実に変わる。そんな工業製品が存在することが面白いと思う。
そしてそんな魔力に魅入られた人たちが集まるのが東西合同ツーリングではないかと思う。もちろんそこにはポルシェだけではない、様々な車のオーナーが集う。考えや想いもそれぞれだろう。しかし東西合同ツーリングはやはりポルシェ乗りのためのアンダーグラウンドな祭典なのだ。それは自発的になんの後ろ立ても持たない集まり。そしてその中心にいる2台の930の存在だ。東のリーダーHonma氏のメタリックグリーンのターボ。そして西のリーダーDOLCE&GABBANA 氏の赤い930。どちらも唯一無二のオリジナリティを誇るポルシェだからこそ、東西合同ツーリングの象徴としてポルシェ乗り達を惹きつけるのだ。
今回の東西合同ツーリングでの吹田での、甲南での、長島での西のリーダーの不在。誰もひとこともそのことに触れなかった。その不在を我々西のメンバーは味わったのではないか。喪失感と言ってもいい何か。俺たちは赤いワイドボディのポルシェ930、そしてそれを駆る男に、いつか出会う未来の自分の姿、ポルシェを自分の手の内に収める事ができるのではないかという見果てぬ夢を投影しているのだ。
長島から湾岸線のその先に、赤い930の後ろ姿を見つけたとき、胸に去来した何か。最高のタイミングで、最高の演出で、全てをその後ろ姿で語ってしまうその佇まい。皆の想いを受けて走るその姿。貴重な体験を皆で共有させてもらったと思う。こんな男はそうはいない。
そしてまた俺も次のミーティングにもまた参加するのだ。
この男に会いに、そしてここに集まらざるを得ないポルシェ乗り達に出会い、同じ時間を共有する為に。
(酔っ払っているのでここまで。本人の反論は受け付けます笑)
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ツーリング | 日記
Posted at
2014/04/09 03:04:19