モディファイ後、東西合同ツーリングが初乗りだったが、高速走行ではまだ真価がわからず、いつもの練習場である鷲羽山に持ち込んみ仕上がりをテストしてきた。
鷲羽山スカイラインは全長が20数キロあるワインディング。比較的高速で走れるコーナーが多く、ポルシェで走るのはなかなか楽しいコースだ。
朝6時半頃に起きだし、近くのコンビニで朝食を済ませ、高速に乗って鷲羽山を目指す。
高速走行でアクセルを踏み込んでエンジンの調子を伺ったあと、峠でのワインディングが楽しめるので、この一連のコースが気に入っている。
秋らしい朝の気温の引き締まった清々しさのなか、ワインディングを走る。新しく交換したエキゾーストを木々の間に響かせながら、左手に見える瀬戸内海を視界に感じつつ、アクセルを踏み込む。
Michelin Pilot Sports 2からPilot Super Sportsへの変化は未熟な自分にはよくわからないが、少なくともタイヤ交換前のグリップが如何に損なわれていたものかは理解できた。コーナーでの後輪の粘りが全く違い、今まではどこか滑ることを遠慮しながら走っていたことに気づいた。これはこの山道を走りはじめた当初にはあまりなかった感覚で、タイアの摩耗とアライメントの狂いによって生じていた違和感なのだろう。
ホイールが変わって純正の19インチに比べて鈍重さが加わったのかもしれないが、それに増してグリップがしっかりしている。これがこのタイヤの能力なのかもしれない。まだまだトラクションのパワーをかけれると感じる。しかしそのためにはアンダーになり過ぎないように、コーナー直前でブレーキングを強く行い、緩急をつけることが必要だ。そうするとサスペンションが俄然頼りなく感じてくる。そしてブレーキ。この駆け引きがポルシェという稀有な車の醍醐味といえるのだろう。
ポルシェは面白い。それは今ここの運転に常に自覚的であれと促す。四輪から伝わるすべての情報を身体感覚で捉え、それを哲学のように解釈してドライビングに反映させることを要求する。こんな文化を脈々と伝承してゆくこの会社の見識の深さに限りない尊敬の念を覚えるのだ。
そんなたわいの無いことを考えながら往復し、頂上で独り一息ついていると、乾いた空冷の爆音を鳴らしながら、ポルシェ狂がまたひとり。みんカラでつぶやいたメッセージを拾って駆けつけてくれたようだ。思わず笑みが溢れる。
964 と997。オールドスクールとニュースクールの2ショット。片や伝統的なBBSホイールを履く由緒正しき空冷スタイル。片やアメ鋳ホイールを履く無手勝流。しかしその走りの中には脈々と走りの哲学が受け継がれてゆく。
遂に羽のついた997。964のRSウイングと比較すると、この羽が空冷時代のミームを継承するものだということがよく分かる。オーナー、ウーベ・ゲンバラが南アフリカで射殺死体となって発見されたGemballaというメーカー。そんな忌まわしき歴史さえ、薀蓄の一環として許容してしまうほとに魅力的なスタイリング。いや早くして逝去したロック・スターのように、死して歴史に名を残したチューナーのその忌まわしい因縁こそ、俺にとっての魅力なのかもしれない。
Posted at 2012/11/05 01:20:13 | |
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997 | 日記