ピグミーマーモセット

アマゾンで購入したobd2の診断機がちゃんと接続されていなかったことに気付いたのは
再びエンジンチェックランプ先輩がログインしてからだった

どうやら診断機のデモモードを見ていたらしく
接続すればこんな感じになるよ、的な内容を鵜呑みにしていた
それがたまたまアクセルポジションセンサー異常だった

診断機どころか、普通にアプリだけ起動してる状態でもアクセルポジションセンサー異常と出るので
もはやセルシオは関係ないことが判明

池沼かな？
さすがに"草"ッス

オメー「DEMO」くらいの単語覚えとけよ

つかやっぱあの診断機死ね

裏の草っ原にぶん投げる所だったが

あいつとの思い出が脳裏を過る
























考えは思い留まり、一時保留となった

そしてやはりobd接続ができないため
いよいよ禁断のディーラーへ伺う事になった

家から出た私に対して、午前中の太陽は容赦なく殴り続ける

本来ならドスがややハミ出ているヴィトンのセカンドバックを用意するべきだったが
生憎そんな持ち合わせはない

仕方なくアマゾンのクラッチバッグをチョイス
そして電柱に止まっているセミに片っ端から噛り付いた

炎天下の下、クールなスマートエントリーを行い
剛性のある重圧なドアを開ける
まるで金庫だ

私はいつも金塊のような扱いを受け、乗車する

しかし、車内は丸焦げだった
ここままやと焼肉になってまう

即座にエンジンを掛け、エンジンチェックランプを無心で見つめる
我に返ったように、エアコンを入れるものの
どうやらガスが減っているらしく、すぐに冷たい風が出なかった

ふと足元を見ると、何らかの破片が散らばっていた


私は型落ち高級車の壊れた31前期セルシオで、トヨタのディーラーへ向かったのだった

実はちょっとした楽しみでもあった

壊れた31前期セルシオでディーラーに行くというチャレンジ
果たして、どんなシバキを受けるのだろうか

楽しみと言えど気持ちを落ち着かせるため、カインズホーム青梅インター店に転がり込む

その勢いでドライブスルースタバをキメまくり
アイスコーヒーの魔人と化した

片手にアイコスを握り締め
ドリンクホルダーにアイスコーヒー
窓から差し込む真夏の太陽の先にはアマゾンのクラッチバッグ

爽快感はMAXだった

運転中に思ったことが一つある
もしかして、田舎の悪い先輩みたいなことしてる？

今思うと、とても満足げな顔で運転していたと思う

車内換気のつもりだが、自慢げに修理したサンルーフをチルトUP
小傷まみれのボディで滑らかにディーラーへ特攻した

特攻隊長8番
帰りの燃料なんて知らねえ

ここで心が折れたら負けである
僅かなミスも許されない

16年落ちの傷だらけセルシオだが
当時は社長が乗っていたに違いない
つまり、私が社長

トヨペットの看板が視界に入る

俺は金持ち、社長
月収6000万
タワーマンション

脳みそに言い聞かせた


お客様Pに駐車すると
すぐに受付嬢のオーネーサンが駆け寄ってきた


こんにちは、どうされましたか？


こんにちは、エンジンチェックランプが点灯してしまって
見てほしいのですが


こちらの対応は完璧だった
全く恥らしさを感じさせない
堂々たるスピードボール

こいつはこの球を打つ事が出来るのか？


オーネーサンは見事に打ち返した
丁寧な説明を受け、中へ案内される
冷たいお飲み物はいかがですか？と、メニューを差し出してきた

アイスコーヒーの魔人と化した私は、ウーロンチャを注文


セルシオの診断は予想以上に時間が掛かっていた







整備士の方が、自らこちらへやってきて死ぬほど丁寧な説明を受けた

どうやら、ヨーレイトセンサー（VSC）の基準値がガチャガチャになっているのと
エアフロ、スロットルボディ、VSCコンピューター、ABSセンサー
この中の何かがガイジになっているとのこと

ヨーレイトセンサーの基準値は普段使いではまずズレることはないらしく
池沼対応で誤魔化したが
危うくヤられるところだった

一旦基準値のリセットとダイアグの削除で様子を見ましょう、とのことで
再び待つことになる

メニューの下の方を見るとおもむろに
※おかわり自由　の文字が

その瞬間、私の頭はブレーキの効かないファントム状態

唸るV12、そして日本国内では到底出すことのできない速度で突っ走った

脳細胞の一つ一つが、乞食となり
計算上乞食が成功する確率が88%以上だということに気づく

乞食精神を放出させ
追加でカルピスを注文し
壊れた31前期セルシオで入庫して無料で飲み物を2杯頂き
無料で診断してもらうと言う偉業を成し遂げた

拍子抜けしまくった私の身体は
足のショックが抜け切り、その場でひっくり返った

ヨレヨレのセルシオだった事もあり
もう破壊した方がいいよ的な事を言われると思っていたが
とてもいい整備士の方で、一瞬観音様の置物に見えた

シバキどころか、猫カフェのような仕打ちを受けてしまった
トヨタ車が売れる理由がよく分かった一日だった

すべての工程を行っていただき無事チェックランプも消え
また何かあったらご連絡ください、と電話番号を教えてもらい
笑顔でトヨペットを後にした







ディーラーを出た瞬間の出来事だった

















あああああああああああああああああああああああああああああああ！！！！！！！！！！！（ﾌﾞﾘﾌﾞﾘﾌﾞﾘﾌﾞﾘｭﾘｭﾘｭﾘｭﾘｭﾘｭ！！！！！！ﾌﾞﾂﾁﾁﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾁﾁﾁﾁﾌﾞﾘﾘｲﾘﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾌﾞｩｩｩｩｯｯｯ！！！！！！！ ）





























型落ち高級車との戦いは、まだまだ終わらない