下のグラフは、車速とエンジンの出力のグラフ。 普通は横軸が回転数だが、前回のギア比の計算で、速度に換算しました。
BNSは120kW以上で、つまり車速に拠らず、3000rpm以上で逃げれば、SH-VPTではついて来れないと言うことが分かる。
ダウンサイジングエンジンは、低速でトルクが有るが、馬力は無い、3000rpm以上で引っ張る加速力が欲しい時に、加速出来ないのであった。
街中ではそんな機会は無くて、専ら、高速道路や高速コースのワインディングロードですな。(低速コースはブレーキばっかり踏むことになる)
高速道路なら100km/h、3速5000rpm、4速4000rpmというと、追い越しを掛けるところで、気持ちのいいところですわ。 前の車に追い付いて、わざと速度を落として前を開けてもらうと、グオーって加速して、その後おまわりさんに怒られない速度に落としながら、次の集団を追う。
この瞬間のための、高い維持費ですな。
SH-VPTは30km/h以上出ていれば、何時でも120kWを引き出せる。 RS4の3000rpm縛りの経験からは相当走る。
で、パワー要らない時に燃費を稼ぐ。 2.2Lのディーゼルターボの真骨頂;圧縮費高く、スロットルロスなく、軽く過給掛かると、V8NAは敵わない。
燃費の割には走ると絶賛されるの、分かるような気がする。
計算していて、SH-VPTの3速のギア比が、間違っているかと思うぐらい変。 良く見ると、2速全開の後90~100km/hのパワーの谷間を埋めるためだけに3速が2速に近いのね。 エンジンの回転数が低いと大変だ。
ただ、全開で加速する時の2速以降のギアの繋がりは良い。 馬力が3000rpm以降も落ちずに保たれてる効果ですな。 馬力が落ち込む辺りから1速上のギアがカバーするようになってます。
CVTのごとく最高馬力を繋げることができる。
一方、BNSの1,2速は、シフトアップ後のパワーの落ち代が大きい。 まぁ、200kW(270ps)以上出ているから、パワーが足りないことは無いというか、ほとんどそこを使ったことない(泣)。
CVTはこの最高出力を維持したまま、変速できるのが良い所だが、420Nmに対応するCVTは無いはず。
まぁ、3速以上は繋がるんでAT、MTで良いのだが。
BNSを3000rpm以上回す刺激を諦めて燃費が倍になるなら、SH-VPTの動力性能は、価値あるんでしょうなぁ。
欧州の6MTのCX-5の最高速は230km/h位出るのね。 最高速を出すための4,5,6速になっている。
ところで日本の6ATは100km/hで1800rpmしか回らない。
調べてみるとむむ、やり過ぎでないの?
下の表は100km/h走行時のCX-5の欧州6MTと日本の6ATのギア比の比較。 実にBNSを31%も薄めてる計算。(100km/hの時のエンジン回転数の比ですな。) ここまでやると、さすがに調子悪いんと違うか?
欧州MTよりも日本のATの1,2速はローギアード。欧州MTの6速よりも日本のATの5速は既にハイギアード。
日本のATのギア比の1,2速は人を積んでも出だしの軽快感の演出のために。 6速は燃費を稼ぐために決めたな。
日本のATの3,4,5速が欧州MTの3,4,5,6よりも幅広い範囲をカバーすることになる。
下の表は1500rpmのBNSと日本の6ATのSH-VPTの比較。
SH-VPTの実用域を55kW@1500rpmとすると3速34km/h,4速50km/h,5速71km/h。
BNSなら51kW@1500rpmで3速29km/h,4速39km/h,5速48km/h、6速57km/h。
RS4でも6速1500rpmは加速がしんどいので、CX-5の5速は使えないな。
RS4の5速1500rpmは結構使えるが、CX-5の4速はダメなんじゃないの? 理由はターボだから。 1500rpmで巡航中は、大した過給が掛ってるとは思えない。
ということは3速しか使えない。 ギアチェンジを厭わないATならではの、ハイギアード(6速で100km/hで1800rpm)だが、さすがにギアチェンジし過ぎないかとwebを調べてみると、
出て
くる。
シフトスケジュールを疑ってらっしゃる方もいますが、根本的にギア比が高いのが原因だと思います。
これでは、加速時はギアを1段下げて「ガク」、ロックアップで「クッ」、過給が掛って「グッ」てな調子で、気になる走行条件もあるのでしょう。(乗ったこと無いけど)
後期型で手当てをしたといいますが、ギアを引っ張る方向ですよね。 燃費悪くなるけど、きっとモード燃費の運転条件は引っ張らないシフトスケジュールにして、モード燃費は維持するよな。 ある意味デフュートデバイスじゃん。 VWと一緒。
VWは、これを嫌ってGOLFの安い方のDCTを7速にして対応してるんですよね。 シフトショックを減らして、ギア比を詰めて。
快調SKYACTIVE-Dの弱点ですな。 とりあえず、高速燃費落ちるけど、ギア比を欧州の6MTと同じにしようか。
というか、新CX-5も6ATなんだ。 他社は7DCT,8ATを当たり前に装備だぞ。 大丈夫か?
7ATはMCの目玉かしら。
これでは終わりませんよ、さらにグラフの縦軸を仕事率から変えるのであった。
つづく