空燃比の話その②理論空燃比ガソリンエンジンは空気とガソリンの混合気をプラグで着火し燃焼させ、出力を得ています。燃焼をもう少し詳しく言うと、燃料と空気中の酸素の急激な化学反応のことです。燃焼は化学反応ですから、当然化学反応式で表わすことが出来ます。理論空燃比とは、化学式で求められる燃料を完全燃焼させるために必要最小限な空気(中の酸素)と燃料の割合をいいます。化学式は割愛しますが、ガソリンは 約14.7:1 ということは車に興味がある人なら聞いたことがあるはずです。 この14.7:1より濃いと燃料が余り、14.7:1 より薄いと空気が余ります。完全燃焼=14.7:1だと勘違いしている人がいますが、それより薄くても完全燃焼は可能です。出力空燃比さて、これが難しい。約12.5:1というのはよく知られているところですがなぜ12.5:1が出力空燃比かを述べている資料はあまり見ません。そもそも理論混合比より濃くても燃料が余るわけですし。で、色々調べたところ1.熱乖離2.燃焼速度の2つがポイントのようです。1の熱乖離とは燃焼温度が高いことによる化学結合が出来なくなり、燃焼温度を下げてしまう現象。熱乖離を考えると理論空燃比よりリッチ側寄りが最も燃焼温度が上がるようです。2の燃焼速度はエンジンの構造上同じ燃焼温度でも燃焼速度が速いほうが良いため。(P-Vグラフをイメージしてください) 燃焼速度は理論空燃比よりも少し濃い側の方が速いようです。詳しくは専門書を買って調べてください(笑)で、熱乖離は燃焼温度に依存するので出力空燃比はエンジンの違いや状態によって多少異なってきます。ただし。ターボエンジンの全開時の空燃比が11:1程度になっているのは、そのエンジンの出力空燃比が11:1だからではありません。出力空燃比はもう少し薄いところにあるはずです。ではなぜ出力も燃費も落ちるのにそんなに空燃比をそんな濃いところに設定してあるかというと・・・それは次回に。たぶん。