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2013年02月21日 イイね!

リジカラその4

今日は僕の推測を書きたいと思います。
あくまで推測です。
実測やCAE、簡易計算などの根拠は一切ありません。

リジカラの効果とは?

1、ボディとサブフレームの振動伝達減少効果
2、締結部剛性低下に伴うボディの固有振動数向上効果

リジカラのリジカラたる効果の根源は、ワッシャ部だと思います。(推測です)

以下も全て推測です。

まずは振動の伝達について
本来、ボディとサブフレームは摩擦接合によって強固に(実用上ズレが生じないように)固定されています。ガタツキなど微塵もありません。(これは推測ではなく、事実です)
接合面の面圧が高いところはサブフレーム内のカラー径の範囲です。
しかし、その周辺も面圧は低いと言え接触しています。
なので広い面積を通じて振動がサブフレームからボディへと伝達されているように思います。

ところが、ここにワッシャを入れるとワッシャの接触面からしか振動は伝達されません。
さらにヤング率の低いアルミをワッシャの材料に使うことで、振動が伝わりにくくなっているように思います。

これはS13シルビアのリアメンバーがラバーマウントされている状態と似ています。
ラバーの代わりに接合面にアルミを使ったと考えるとわかりやすいです。


次に締結部剛性の低下による固有振動数の向上
これはわかりにくのですが、いつものわかりにくい例で説明します。
今、あなたは30cmのプラスチック定規を持っています。
片端をつかんで、もう片端をビヨヨ~ンとたたきます。
このビヨヨ~ンの1秒間あたりの回数が固有振動数(共振周波数)です。

さて、ここで定規の先端にリンゴ(梨でもいいです)を突き刺します。
リンゴの刺さっている側を同じよう押して離します。
さっきよりもビヨヨ~ンの回数は減ります。
固有振動数が下がったということです。

隣にはもうひとつリンゴがあり、なぜか腐っていました。
中心付近はまだ腐っていません。
なので、定規はしっかり刺さりますが、定規と中心付近だけが一体で動きます。

ここでリンゴが落ちないように押して離します。
中心付近と定規は一体となっているので一緒にビヨヨ~ンと動きますが、外側は柔らかくなっていてその動きに追従できません。
このときのビヨヨ~ンの回数は定規単体よりは少なく、腐っていないリンゴよりは多くなります。
腐ったリンゴよりも固有振動数は上がったということです。
実際はこうならないと思うので、あくまでもイメージですが、変形するものの剛性が同じ場合、先端のオモリが重い方が固有振動数は低く、先端に何もついていない軽い状態の固有振動数が最も高くなります。

腐ったリンゴは中心部と外側の接続剛性が低下しているために、中心部の速い動きに外側が追従できず、実質的にオモリが軽くなったような状態になっています。

で、もうおわかりいただけたかと思いますが、リジカラとはクルマを腐ったリンゴにするってことです。
いや、言い方が悪かったです。
ボディとサブフレームの締結部剛性を落とすってことです。
ワッシャを挟むことによって本来の接合面よりも接合面積が小さくなってしまうので、締結部剛性が低下します。(すると思います)

元々はサブフレームというオモリ(例えのリンゴ)がついていたところを、接合面を小さくする(リンゴを腐らせる)ことにより剛性を落とし、ボディだけで動けるようにします。
こうすることで、ボディの固有振動数が上がるという仕組みです。

しつこいようですが、全部僕の推測です。
ただ、このメカニズムであれば、リジカラによる体感可能な効果があったとしても全く不思議ではありません。

実際はS13シルビアの様なリアメンバーのラバーマウントに比べれば剛性は圧倒的に高いので、元の状態とほとんど差はないと思うのですが、それでも人にはわかるレベルで変化があるってことなんだろうと思いました。

合ってるかどうかはわかりませんが、自分としてはこれなら納得です。
というわけで、このメカニズムであれば、サブフレームの間にリジカラと同じ径のアルミワッシャを挟むことで確認ができます。

散々文句言ってるので、時間ができたら実験してみたいと思います。
とりあえず謎が解けてスッキリしました。

というわけで、リジカラはボディの共振周波数向上効果があると思います!
Posted at 2013/02/21 00:33:17 | コメント(4) | トラックバック(0) | クルマ | 日記
2013年02月20日 イイね!

スプリング伸縮時の曲げの力

以前、オートサロンで見かけたエンドレスのピロボールつきアッパシートに続き、今度はハイパコからロアシートが登場であります。
http://autobacs-asm.com/blog/asm/index.php?mode=cal_view&no=20130219

ASM曰く
「ステアリング操作やサスペンションの動きで感じていたフリクションが激減しました」

なんと!
僕には微塵も感じられないのですが、わかる人にはわかるようです。
激減というくらいなのですから、今まではフリクションを相当感じていたと思われます。

ダブルウィッシュボーンのフリクションが気になるってことは、ストラットに直巻きなんて採用しようものなら、フリクションがありすぎて寝込んでしまいそうです。


ダンパのフリクション変化はロッドに歪みゲージ貼って測定すれば違いがわかるような気がします。
ついでにダンパの減衰力も測定できる気もする。

サスストロークセンサが一段落したら、歪みゲージを使えるようにしたいと思います。
冬のボーナスくらいかな?

追記:間違えてました申し訳ありません。
 激減したのはミニのストラットにスラストベアリング入れたときでした。
 大変失礼しました。

 バーチェはZ33のリアなどに使うと思われます。
 ASM=S2000のイメージが強くて勘違いしてしまいました。

追記その2:と思ったのですが、Z33のリアの場合はコイルオーバータイプではないので、ダンパロッドに曲げの力をかけることはできません。
ということは、ミニのストラットに使うと思われます。
Posted at 2013/02/20 00:21:52 | コメント(5) | トラックバック(0) | クルマ | 日記
2013年02月18日 イイね!

リジカラその3

なんと、Nekoクラッチ君が特許を見つけてきてくれました!

自動車用ボディーに対するサブフレームの締結ボルトによる締結方法と締結方法に使用する自動車用サブフレーム・リジットカラー
http://ip.com/patfam/ja/43899954

またはこちらのページでは絵もあります。
公開 2011-088552 で照会し、リストを選択してください。
http://www.ipdl.inpit.go.jp/Tokujitu/tjbansaku.ipdl?N0000=110

複数重積材の緩み止め締結構造(リジカラ特許で引用)
http://www.j-tokkyo.com/2005/F16B/JP2005-090530.shtml

あまりにもツッコミどころが多くビックリしました。
なぜ特許の審査が通ったのか当局(経済産業省 特許庁)に見解を聞きたいです。

でも具体的な記述もありました。
「前記図1~7の実施例1による規定トルクによる締結により、車体の共振周波数が約1Hz上がり操縦安定性や静粛性が向上、乗り味もソフトで芯がある理想的な効果を得ることが実証された。」

これは実測結果と思われます。
共振周波数はどのモードかは不明ですが、とあるモードが1Hz上がったことは間違いないようです。

冒頭にも”車体の共振周波数が”という記述があるので、リジカラを入れると共振周波数が変わるってところが重要なようです。


僕はてっきり、ヤング率の低いアルミワッシャを挟むことで、振動がボディ側に伝わりにくくなり、それを”ボディ剛性が上がったから振動しなくなった”と勘違いしているのかと思っていたのですが、そうではないようです。
共振周波数が上がるというところが大事みたいです。

どのモードの共振周波数が上がるのか?がハンドリング影響としては大きいので、そのあたりを引き続き調査したいと思います。
Posted at 2013/02/18 23:30:55 | コメント(2) | トラックバック(0) | クルマ | 日記
2013年02月17日 イイね!

荷重移動その3

タイヤを潰すという表現について質問があったので、まず第一回目は感覚的なところから説明します。

タイヤを潰す
荷重移動を使う

これらはどれも同じ操作の結果起こる事象です。
したがってどれを狙いとして走っても差異はありません。
ドライバーとしてはどれでもいいのです。

しかし、これがクルマの仕様を考える人になると違います。
いい例が思いつかなかったのでわかりにく例で説明します。

例えば、ストーブに使う灯油を総発熱量が最大になるように買ってくることを目的として、これを別の表現で人に頼んだとします。
ここで、20Lのポリ容器を渡したとすれば
①容器に満タンに入れてきて欲しい
②最も重量が大きくなるように入れてきて欲しい

普通はどちらで頼んでも結果は同じです。
20Lのポリ容器なら23Lくらいが限界です。
比重は0.8くらいなので、18.4kgくらいしか入れることはできません。
ようするに20Lの容器に満タンで入れてくるだけです。

しかし、ここで容器が限定されていなかったとしたらどうでしょうか?
①の人は満タンなら要求を満たせるので、楽をしたい人はより軽い容器に満タンに入れてきます。
②の人は重量が重くなければならないので、より大きなポリ容器を探してきてとにかく重くなるように入れてきます。
F1チームなら、ドライアイスで冷やして比重を大きくして、金属製の容器に無理矢理詰め込んでくるはずです。

この場合の結果は全然違います。
燃料の総発熱量は、重量(質量)に比例しますから、正しいお願いの仕方は②の表現です。
でも、わかりやすいのは①の方です。

クルマの走らせ方も同じです。
今回の例にクルマの走らせ方を置き換えると
1、やりたいこと
総発熱量を最大になるようにする ⇒ クルマの前後左右加速度の合計が最大になるようにする

2、すでに決まっていること
ポリタンクの容量 ⇒ クルマの性能(重量、前後重量配分、重心高、タイヤグリップ特性など)

3、具体的にやること
満タンまで入れる、最も重量が重くなるように入れる ⇒ タイヤを潰す、荷重移動を使う

という感じです。
2のすでに決まっていることが変えられないのであれば、どう理解しても結果は同じです。
でも、2の制約がなくなった瞬間に正しい理解をしていない人は路頭に迷います。
ポリ容器であれば、感覚的にも総発熱量を最大するためには、より大きなポリ容器を使わなければならないことは誰でもわかります。

これが、クルマになると現象が複雑なだけに誰でもわかるわけではありません。
ブレーキングでタイヤを潰すことが狙いなら、重心高は高い方がいいのですが、高い重心高では速く走ることはできません。
ポリ容器を満タンにすることが狙いなら、ポリ容器は小さい方が速く満タンにできるけど、これではたくさん灯油を買えないのと同じです。

「クルマの前後左右加速度の合計が最大になるようにする」という狙いを達成するためには
1、車輌重量は変えずに4輪合計の摩擦円の大きさが最大になるようにして
2、その最大値を使って走行する(4輪の摩擦円の縁で走る)

ポリ容器に置き換えれば
1、容器の大きさを最大にして
2、その容器満タンまで灯油を入れる

もう少し説明すると
実際は、1の”4輪合計の摩擦円の大きさが最大になるようにして”のところは同じクルマで走る限り変えようがありません。
なので、クルマの仕様を変更しようとする人以外は気にする必要はありません。

2の”その最大値を使って走行する(4輪の摩擦円の縁で走る)”については
減速時はタイヤがロックするまでブレーキ踏む
加速時は駆動輪が滑るまでアクセル踏む
旋回最低速度時は旋回半径とそのときの速度をライン取りと加減速で調整する
減速から旋回最低速度まではブレーキを緩めた分だけハンドルを切る

これだけです。
タイヤが潰れたり、荷重が移動したりするのは、これらの操作の結果であって、それ自体が目的ではありません。

とりあえず今回はこれで終わりです。
次回は4輪の摩擦円の縁で走るを説明したいと思います。
Posted at 2013/02/17 13:16:38 | コメント(1) | トラックバック(0) | サーキット走行理論 | 日記
2013年02月16日 イイね!

リジカラその2

今日は寒くて寒くてしょうがないので、ひたすら家でみんカラです。

ダンパテスタを調べてたらこんなん出てきました。
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=c1zuDJ76TGY

このビデオ見たら、
「サブフレームはあんな大きなガタ分だけいつも動いているのか!これは大変だ!!」
って思っちゃいますね。

自動車会社の設計者達は、ボルトの周りにあんな大きな隙間があって、サブフレームが動き回っているにも関わらず、生産効率を上げるために放置しているようなアホばかりなのか?

アホはスプーンです。

少なくともプリウスの設計をしているトヨタ自動車にはそんなアホはいないはずです。
(プリウスの設計がトヨタかどうかは知りませんが・・・)
トヨタ自動車にはねじのスペシャリストである酒井さんという方がいました。
http://www.yokendo.com/book/978-4-8425-0348-3.htm

被締結物の接合面に滑りが生じて、常時しゅう動しているとそのうち接合面が摩耗してきます。
摩耗するとボルトの軸力が下がり摩擦力も下がるのでますます摩耗が進行します。
最後は軸力がなくなって、ボルトに緩みが発生します。
トヨタ自動車は、そんなボルトの緩みが発生するような接合方法を採用するようなアホ会社ではありません。

ボディとサブフレームをボルト締結している構造では、ボルトの軸力で接合面に摩擦力を発生させているので、ボルトの周りに隙間があろうとなかろうとボディとサブフレームの接合面が動くことはなく、ボルトの周りには隙間があってもなんら問題はありません。

実際には何かしらの効果がリジカラにはあるのかもしれませんが、そのメカニズムの説明として明らかなウソをつくのは許せません。

生産効率を上げるために、ボルトの周りに隙間がある⇒これは本当と思われる
その結果、走行中はその隙間分だけサブフレームが動いている⇒これはウソ

本当に動いているなら、実際の走行中にサブフレームが動いているところを動画で録るべきだろうと思います。

追記:ボディとサブフレームの接合面滑り対策としてリジカラを使うのは間違いですが、もし滑りでお悩みの方がいましたら、こちらの商品をオススメします。
その名もイカグリップ!!。
http://www.yepc.co.jp/products/esk/ekagrip.html
M10とかM12用のものが流用できるはずです。
どこで買えばいいのかは知りません。
Posted at 2013/02/16 20:27:39 | コメント(9) | トラックバック(0) | クルマ | 日記

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サーキットで車を速く走らせるために必要なこととはなにか?を研究するのが趣味です。 日光、TC1000、茂原、を毎年走行してます。 2010年まではもてぎで開...
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