
続いてアルファロメオ156ロッソコルセのレンタカーです。
こちらもマセラティをお借りしたお店でレンタルしました。
残念ながら9月に売れてしまい今はレンタルしていません。
このクルマ、どこにでもある156のようで実は違います。
ロッソコルセといって、2ℓツインスパークのセレスピードをベースにフルエアロと白色アルミを履かせ、スポーツマフラーを装着した限定車なのです。
今までアルファなんて…と思っていてこれに乗る前も特に期待していませんでしたが、実物を見て一目惚れしました。
特にリアの大きなウイングとオーバーフェンダー、バンパー下のディフューザーがもうかっこよくて。
おまけにスポーツマフラーから発せられる咆哮がもうたまらないのです。
今までいろんな4気筒に乗ってきましたが、あのVTECよりも官能的だと私は感じました。
高回転まで回るわけではないのでVTECのようなドラマティックな官能性はありませんが、内燃機関としての純粋で透き通った快音が情熱的でとても心地よいのです。
こればっかりは情熱の国イタリアの人間でなければ真似できません。
もちろんズボラの国イタリアでなければ真似できない内装の精度の低さも健在ですが…笑
助手席エアバッグのカバーは浮いていて、破裂しそうに見えました。
それでも赤文字のメーター類とインパネの3連メーター(といっても燃料計と時計と水温計)のおかげでスポーティさは溢れていて、多少の質の低さは我慢できました。
これこそ「あばたもえくぼ」な感情なのでしょう。
走りの方はというと、これがまた侮れない実力を持っていました。
スペック自体は155馬力で1300kgですから普通の2ℓエンジン搭載車といってもよいでしょう。
ところがいざ走ってみると案外ボディの剛性が高く足回りもしっかりしており、クイックなステアリングと相まって街中でも爽快です。
乗り心地も不快なところはありません。それだけサスがしっかり動いているのです。
このクルマにはフロントにタワーバーが入っていました。
セレスピードに関しても私は特に違和感を感じませんでした。
この時代のセレスピードは黎明期なので制御がよくないと散々言われていますが、シフトアップもダウンもシフトレバーを操作した直後にアクセルを抜いてやれば何もギクシャクしません。
中にはシフトダウンは一瞬だがシフトアップにはタイムラグがあって気持ち悪いという人もいますが、それは間違いです。
アップもダウンも操作してすぐにクラッチを切っていて、ギアを切り替えてクラッチがつながるまでの所要時間にほとんど差はありません。
おそらくシフトダウン時は操作直後にブリッピング制御が入るのでタイムラグがないように感じるのでしょうが、クラッチが切れている空走時間はシフトアップ時と変わらないように感じました。
次に最高速はおそらく190km/hぐらいでしょう。
オヤジのベンツで後ろから追走してみましたが、イタリア車なのにメーターの誤差はほとんどないようです。
その上100km/hからの加速は3ℓディーゼルターボのベンツと互角でした。
高速走行時でも車内には余計なノイズはなくエンジン音が響いているだけなので、元気なときなら飛ばしても疲れないでしょう。
それでもワインディングはさすがにあかんやろうと思っているとこれまた仰天。
非常にしっかりしていてアクセルで曲がっていける素直なハンドリングを持っていました。
限界を超えるとグリップが一気になくなりますが、すぐに回復します。
ただこのクルマは左フロントのダンパーのガスが抜けており、ハードブレーキング時に嫌なバイブレーションとともにステアリングが左に取られてしまうのが残念でした。
私にしてはめずらしくここまで褒めちぎってしまいました。
いつもならせっかくお金払っているのだから徹底的に問題点を探ってやろうとするのですが、笑
あえてこのアルファ156の不満を述べるなら、視界の悪さとシートポジションの取りにくさです。
ドアミラーはデザイン優先で小さく死角が大きいですし、ルームミラーも大きなリアウイングに遮られて視界は狭まっています。
シート自体はサイズも骨格もベストでお金がかかっているのがよくわかりましたが、上を向いたペダルはやたらと手前にあるのにステアリングはテレスコを目一杯引いてもまだ遠く、ペダルに合わせたらステアリングに届かない、ステアリングに合わせたらペダルが近すぎて踏み替えできない、というジレンマに陥りました。
アルファロメオは右ハンドルに変更するのが下手だとよく言われますが、これだけは本当に困りました。
あとは不満ありません。
今まで2回借りて2回とも全開走行を繰り返していましたが、燃費はリッター8kmぐらい。
これだけ走れてこの燃費は立派ですよ。
旧型ノアの燃費と変わらないのですから。
いろんなレンタカーに乗ってきて、アルファ156は初めてマイカーにしたいと思ったクルマでした。
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2012/11/06 23:02:58