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しまえるシューマッハのブログ一覧

2017年02月27日 イイね!

550 Maintenance Weekend オラの550には電気がねぇ!爆

550 Maintenance Weekend オラの550には電気がねぇ!爆










こんにちは~

しばらく欧州自動車博物館巡りの旅のブログが続きましたが、今回は久しぶりに550ネタです^^;

昨シーズンどうも調子が良くなかった550。仕舞には積車のお世話にまでなる始末でした。。。

どうやら、アイドリング状態で1番シリンダの点火が数回に1回しか飛んでいないようでした。

さらに、走行すると1気筒どころか2気筒ぐらい燃えていないような感じで、正に“絶不調”という言葉がピッタリ当てはまるほど、絶望的なコンディションに結構凹んでいました・・・(T_T;)


おまけに、プラグを始めデスビ,プラグコード,コイルと電気系をことごとく一新するも一向に改善する兆しがありませんでした。

そこで、いよいよ目を付けたのがコレ↓

“ベック 550 スパイダー”は、形はクラシカルですが何気に80年代デビューのクルマだけあって、80'sなイグニッションコントロールユニットが搭載されています。

かかりつけ医にコントロールユニットの型番と症状を言うと、経年劣化と熱によるこのユニットのトラブル症状によく似ているとの見解を得たので、コントロールユニットを一新することにしました。

しかし、このコントロールユニット、Volkswagenから純正補修部品として購入すると結構高価なことが判りました。

そこで、折角なので点火系チューニングとして有名なMSD社のコントロールユニットにそっくりそのまま置き換えて、点火系はMSDで制御することにしました!

“MSDコントロールユニット”と専用の“ブラスター2コイル”がカナダのCip(California Import Parts)社から到着!

値段もVolkswagenの純正コントロールユニットとほぼ同等程度で手に入れることが出来ました。


早速、純正コントロールユニットに関係するワイヤハーネスを取り除きます。

ワイヤハーネスを摘出しました~


当初はあくまでも純正コントロールユニットの置き換えとして、MSDを導入する予定でしたが、折角MSDを導入するのでデスビもマグネティックピックアップ式のポイントレスキットPertronix社の“IGNITOR(イグナイター)”↓を導入することにしました♪


デスビ本体はEUROMAX製の009タイプを、そのまま使用します。

IGNITORの装着は、コンデンサとポイントを外したデスビ本体に、配線を通してボルト1本で固定して、最後にマグネットスリーブを軸に嵌め込みます。

EUROMAX製の009ディストリビュータが、ポイントレスになりました♪


続いて、MSD導入に当たってプラグギャップを0.6mm⇒1.3mmに拡大します。

この寸法については、FLAT4のインストールガイド↓が分り易くていいと思います


今回は、“IGNITOR”を併用するので、配線は付属解説書↓の“Wiring to a Pertronix Ignitor kit”を参考に接続しました。


導入したMSDコントロールユニットは、レヴリミッタ機能付きの“6AL”モデルなので、レヴリミット設定↓が出来ます。

とりあえず、仮にMax 6000rpmで設定しています。

さらに、MSDは4,6,8気筒のエンジンに対応しているので4気筒に使うには、この青と赤の配線を2本とも切断します。


仮配線状態ですが、とりあえず配線が終わったので、エンジンをかけてみました。


かかりました~!


外は粉雪が舞っていますが、アイドリングも至って安定しています♪

キャブは昨年の不調時から調整していませんが圧倒的に安定していて、マフラーからの排気圧も今までにないくらいに強烈なので、今までがよほど電気的に貧弱だったかが判ります^^;


これは、今シーズンが楽しみです!




久しぶりに検索したら“IKZO Remix”が進化してました!爆
Posted at 2017/02/28 02:05:49 | コメント(4) | トラックバック(0) | 整備 | クルマ
2017年02月12日 イイね!

欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015 ポルシェミュージアムⅡ part 3

欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015 ポルシェミュージアムⅡ part 3









こんにちは~

前回は“Typ 356”から“911”登場までのポルシェロードカーの歴史を振り返った“欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015 ポルシェミュージアムII”ですが、今回はいよいよ“911”登場以降のモデルについて、レポートしていきたいと思います♪♪(今回は“911”以降、様々なヴァリエーション展開により魅力的なモデルをラインナップに追加してきた60~80年代のロードカーについてレポートしていますが、相変わらず長編となってしまいましたので(笑)、お時間のある時にどうぞ~( ^_^)/)

前回をご覧になりたい方は↓
https://minkara.carview.co.jp/userid/1499353/blog/39254584/

欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015を最初からご覧になりたい方は↓
https://minkara.carview.co.jp/userid/1499353/blog/35064111/

1967年 ポルシェ 912 クーペ(Porsche 912 Coupe)

1965年、ポルシェは“911”の低出力仕様モデル“912”をマーケットに投入しました。“912”は水平対向6気筒エンジンの代わりに、“356”用の1.6リッター,90馬力の水平対向4気筒エンジンをリアエンドに搭載していました。

内装についても“911”より控えめな装備となり、インスツルメントパネルには“911”の5つのメータの代わりに、ベーシックな3つのメータが備えられていました。

この“912”は“クーペ(Coupe)”と“タルガ(Targa)”のボデースタイルで、1969年の夏まで生産されました。

パワーユニットは前述のとおり、1,600cc,90馬力の空冷水平対向4気筒OHVエンジンを搭載して、最高速度185km/hを実現しました。

ポルシェミュージアムの車両解説を見ても、“911”の廉価版としてナインナップされたことが書かれていて、“911”よりもグレードダウンしているような印象の“912”ですが、“911”に比べてリアエンドのパワーユニット重量が軽く、搭載位置も前方に積まれることからグッドバランスとも言われています♪


1969年 ポルシェ 914/8(Porsche 914/8)

1960年代後半、長きに渡るポルシェ(Porsche)とフォルクスワーゲン(Volkswagen)の関係は、スポーティで手頃なモデル“VW‐ポルシェ 914(VW-Porsche 914)”の開発に繋がりました。

この使い勝手の良いミッドエンジン車には、VWのための4気筒モデルのみならず、6気筒エンジンを搭載したモデルもポルシェのために生産されました。

また、レース用の8気筒エンジンを搭載したモデルも2台造られ、そのうちの1台は、フェリー・ポルシェ(Ferry Porsche)の60回目の誕生日にプレゼントとして送られました。

この展示車両はその2台のうちの1台で、パワーユニットはレース用に開発された2,997cc,300馬力の空冷水平対向8気筒DOHCエンジンを搭載して、最高速度は250km/hに達したそうです。

もはやポルシェミュージアム名物となった感のある“914/8”ですが、幅の広げられたリトラクタブルヘッドライトで通常の4気筒,6気筒モデルと識別することが出来ます。このロードゴーイングな出で立ちの“914”にレース用フラット8の組み合わせは、是非とも公道で乗ってみたい魅力的なクルマですね♪


1967年 ポルシェ 911 2.0 タルガ(Porsche 911 2.0 Targa)

“世界初の安全なカブリオレ”、これはポルシェが1965年に初めて“911 タルガ(911 Targa)”を発表した際に示したモットーでした。

この新しいモデルのネーミングを考える際に、ポルシェはステンレス製ロールバーの乗員保護機能にヒントを得ました。この“タルガ(Targa)”というネーミングは、シチリア島で行われる伝説的なレース“タルガ・フローリオ(Targa Florio)”でのポルシェの成功を連想させるとともに、“targa”はイタリア語で“盾”という意味でもありました。このような保護シールド付きのカブリオレは、このクルマ以前には存在していませんでした。

この展示車両のパワーユニットは、1,991cc,130馬力の空冷水平対向6気筒SOHCエンジンを搭載して、最高速度200km/hを実現しました。

ポルシェミュージアムの“targa(タルガ)”と言えば、以前はブルーメタリックの1970年式の個体が有名ですが、今回はショートホイールベース(SWB)の'67年式が展示されていました。

タルガボデーとショートホイールベースの組み合わせにより、ショートホイールベース独特の後方に張り出したボデーが、より一層際立って見えます♪


1973年 ポルシェ 911 カレラ RS 2.7 クーペ(Porsche 911 Carrera RS 2.7 クーペ)

このクルマは当時ドイツ最速の市販車で、一般的には“ダックテイル(ducktail)”として知られる特徴的なリアスポイラーを備えていました。

ポルシェは、このような空力デバイスを市販車に使うことを広めた仕掛け人(トレンドセッター)でもあります。

最小限に抑えられたインテリアを持つこのクーペは、“軽量な部品へ置き換えることによる重量軽減(軽量化)=高出力化”という方程式を完全に具現化しました。

また“RS 2.7”は、古典的なロードレース“カレラパナメリカーナ”に由来する“カレラ(Carrera)”の名称が与えられた最初の“911”でもあります。

パワーユニットは2,687cc,210馬力の空冷水平対向6気筒SOHCエンジンを搭載して、最高速度240km/hを実現しました。

言わずと知れた“911”マニア羨望の“73カレラ”ですね^^;
この車両解説を読んで意外に思ったのが、それまでの市販車にはスポイラーのような空力デバイスが採用されていなかったということですね。


1974年 ポルシェ 911 ターボ Nr.1(Porsche 911 Turbo Nr.1)

“911 ターボ(911 Turbo)”は、ターボチャージャーを用いて出力を高めたポルシェ初の市販車で、当時としては途方もない260馬力を発揮し、すぐさまポルシェのフラッグシップモデルとなりました。

この技術は、トライ&テストを重ねたレーシングテクノロジーに由来します。

1974年9月、フェリー・ポルシェの姉 ルイーゼ・ピエヒ(Louise Piech)は、一番最初の“911 ターボ”を70回目の誕生日にプレゼントされました。

このユニークな“911 ターボ”は、幅の狭いボデーとチェック柄のインテリアという特徴を持っていました。

パワーユニットは2,687cc,240馬力の空冷水平対向6気筒SOHCターボチャージドエンジンを搭載して、最高速度は250km/hに達しました。


1976年 ポルシェ 924(Porsche 924)

1970年代のエネルギー危機(オイルショック)を受けて、フォルクスワーゲンは新しいスポーツカー開発の共同プロジェクト“EA 425”を立ち上げました。それを受けて、ポルシェは“924”を設計し、自身のエントリーモデルとしてラインナップさせることを決定しました。

“924”のスタイリングで最も特徴的なのは、その大きなグラスウインドウのハッチバックスタイルといえます。

フロントに搭載される水冷式エンジンとトランスアクスルを持った“924”は、1976年にドイツ国内のネッカーズルム(Neckarsulm)にあるアウディの工場で生産が開始されました。

パワーユニットは1,984cc,125馬力の水冷直列4気筒SOHCエンジンを搭載して、最高速度200km/hを実現しました。

近年、価格高騰の著しい空冷ポルシェの陰に隠れがちなFRポルシェですが、トラディショナルな“911”に対し、先進的な設計でトランスアクスルを採用して重量配分を最適化するなど、世界中のFRスポーツカーのベンチマークとされる傑作車となりましたね♪


1977年 ポルシェ 911 S 2.7 クーペ(Porsche 911 S 2.7 Coupe)

この“911 S”は、ポルシェ 911“G-モデル(G-model)”の1台です。“オリジナル 911”と“G-モデル”の特徴的な違いは、この新しい世代に装着されている大きなバンパーにあります。このバンパーは前世代の物よりも大きく、蛇腹を備えていました。

また、ポルシェは1976年から“911”のボデー構造部材に亜鉛メッキ鋼板を使用することで、ボデーの錆に関して6年間保証するサービスの提供を開始しました。

この“G-モデル”から、すべての911のエンジンは2.7リッターに置き換えられました。

パワーユニットは2,687cc,165馬力の空冷水平対向6気筒SOHCエンジンを搭載して、最高時速220km/hに達しました。

通称“ビッグバンパー”や“930(本来930はターボモデルのコードNo.)”などと呼ばれるこの世代の“911”ですが、ポルシェとしては“G-モデル”という呼称を使っているようです。

昨年(2013年)はサーフボードが乗っていたこの“911 S”ですが、今年はクリスマス用?のツリーが載っていました^^;

このキャリア↑も当時物のようで“LUPA”というロゴが書かれたモノでした。


1981年 ポルシェ 928(Porsche 928)

当初、“928”は“911”の後継車として企画されました。しかし、その計画は早い段階で修正され、別々のモデルとして歩み始めました。

マーケットに投入されたちょうど1年後の1978年、“928”はスポーツカーとして初めて、“カー・オブ・ザ・イヤー(European Car of the Year)”を受賞したクルマとなりました。

“928”の設計は、トランスアクスルギヤボックスや軽合金製水冷式V型8気筒エンジン,アルミニウム製サスペンションアームなど、“911”とは根本的に異なるものでした。

パワーユニットは4,420cc,240馬力の水冷V型8気筒SOHCエンジンを搭載して、最高速度230km/hを実現しました。


1981年 ポルシェ 924 カレラ GTS(Porsche 924 Carrera GTS)

ツッフェンハウゼンで造られた最初の“924”は、単にレース用車両としての小規模な開発プロジェクトの一環でした。

ヴァルター・ロール(Walter Röhrl)は、このスポーツカーのドライビングを気に入り、特にラリーで成功を収めたようです。

この“924 カレラ GTS”は、いくつかの点検をパスできれば公道で使用できる認可が得られます。しかし、快適性は期待しないで下さい。このクルマに備えられたレーシングシートは“935”から、そしてホイールとブレーキシステムは“911 ターボ”用が奢られています。

パワーユニットは1,984cc,245馬力の水冷直列4気筒SOHCターボチャージドエンジンを搭載して、最高速度250km/hに達しました。

様々なヴァリエーションのモデルが造られたポルシェですが、個人的にはこの“924 カレラ GTS”のようにレース車両とロードカーの明確な線引きがないのが、この時代のポルシェの魅力なように感じます。

自分の“ベック 550 スパイダー”も、“914/4”用のリヤブレーキディスクローターやナローのレース用Φ23mmマスターシリンダーなどに換装していますが、自分のクルマでも部品さえ交換すればその仕様を造ることが出来る、高年式の部品を組み合わせることで当時はなかった独自のクルマを作ることが出来る、こういった状況は自分でクルマをカスタムするユーザーにとっては、この上なく魅力的な素材だと思います♪


“911”以降、様々なヴァリエーション展開をしてきたポルシェロードカーの歴史をレポートした“欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015 ポルシェミュージアムⅡ part 3”ですが、ボクが感じているこの時代のポルシェの魅力を語ったところで(笑)、一端区切りにしたいと思います。

今回も長文になりましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございますm(_ _)m

次回は、80年代後半から始まるポルシェロードカー技術革新の歴史をレポートしたいと思います♪



2017年02月01日 イイね!

欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015 ポルシェミュージアムⅡ part 2

欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015 ポルシェミュージアムⅡ part 2









こんにちは~

前回は主に“Typ 356”以前のDr.フェルディナント・ポルシェ(Ferdinand Porsche)の軌跡をメインに辿ってきた“欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015 ポルシェミュージアムII”ですが、今回はいよいよ“Typ 356”から始まるポルシェロードカーの歴史をポルシェミュージアムの素晴らしい車両解説と共にレポートしていきたいと思います♪(今回は“911”の登場までですが、それでも長編となってしまいましたので(笑)、お時間のある時によろしくお願いしますm(_ _)m)

前回をご覧になりたい方は↓
https://minkara.carview.co.jp/userid/1499353/blog/39214602/

欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015を最初からご覧になりたい方は↓
https://minkara.carview.co.jp/userid/1499353/blog/35064111/

1949年 ポルシェ 356/2 グミュント カブリオレ(Porsche 356/2 Gmünd Cabriolet)

第二次世界大戦後、最初のポルシェ(Porsche)のスポーツカーは、オーストリアのグミュント(Gmünd)で造られました。

1948~1951年の間に、53台の“356”が労働集約型の手作業(ハンドメイド)で製作されました。また、少量のコンバーチブルモデルの生産は、ウィーンにあるコーチビルダー カイブル(Keibl)社に外注生産していたようです。

1949年のジュネーヴモーターショウでデビューした“356/2”は、控えめな出力ながら素晴らしい加速とブレーキ性能を実現していました。

パワーユニットは1,131cc,40馬力の水平対向4気筒OHVエンジンから最高速度140km/hに達しました。

この個体はセマフォー(腕木式)のサイドマーカを備えていて、フロントにライトユニットしか存在していないため、フロント周りの造形がとてもシンプルですね。


1950年 ポルシェ 356 クーペ “フェルディナント”(Porsche 356 Coupe "Ferdinand")

1950年の復活祭前の“洗足木曜日(Maundy Thursday)”、シュトゥットガルトで造られた最初の“Typ 356”が工場から出荷され、ポルシェの歴史の新しい章が始まりました。

テスト車両にニックネームを付けるポルシェの伝統に従って、この展示車両は“フェルディナント(Ferdinand)”と名付けられました。この個体は、1950年9月3日に75回目の誕生日を迎えたフェルディナント・ポルシェ教授へのプレゼントであると同時に、“車上のテストベンチ”とも呼ばれていました。

パワーユニットは1,086cc,40馬力の水平対向4気筒OHVエンジンを搭載して、最高速度140km/hを実現しました。


1953年 ポルシェ 356 アメリカ ロードスター(Porsche 356 America Roadster)

北米市場専用に生産されたこの新しい“ロードスター(Roadster)”は、その当時生産されていたどの356シリーズよりも軽量で、軽量化されたドア構造やアルミニウム製の軽量ボデー,挿し込み式のサイドウインドウや幌によって、車重はわずか605kgしかありませんでした。

この“ロードスター”は、インテリアもスパルタンで明確にレースのために仕上げられた“スピードスター(Speedster)”の先駆的なモデルといえます。

パワーユニットは1,488cc,70馬力の水平対向4気筒OHVエンジンを搭載して、最高速度は177km/hに達しました。

この“アメリカ ロードスター”、後の“スピードスター”の祖先となったのは解説文の通りですが、個人的には1953年という時期的なことも考慮すると、フロントに開けられたブレーキ冷却孔や背面に2面装備されたグリル↑など、生産型の“550”とも共通点が見られる興味深い1台ですね。


1954年 ポルシェ 356 1500 クーペ(Porsche 356 1500 Coupe)

ツッフェンハウゼン(Zuffenhausen)でのサクセスストーリーは、この中央に支柱のないフロントウィンドウを持つ特徴的なモデルからも、一目で判ります。

中央部が曲ったフロントウィンドウ,ボデーから離れた位置に装着されたバンパー,高級感のある内装は、356シリーズが絶え間なく進化してきたことの証です。

また、この展示車両はポルシェロゴの紋章(ポルシェ クレスト)を持たない最後のモデルだそうです。

パワーユニットは1,488cc,55馬力の水平対向4気筒OHVエンジンを搭載して、最高速度160km/hを実現しました。


1954年 356 スピードスター プロトタイプ(Porsche 356 Speedster Prototyp)

この最初の“スピードスター プロトタイプ”は、発表と同時に旋風を巻き起こして伝説になりました。

ポルシェは、アメリカのポルシェインポーター マックス・ホフマン(Max Hoffman)の依頼を受けて、3,000ドル以下で販売することが可能なスパルタンな装備の356を生産しました。

この“スピードスター”は、専用のレイントップ(幌)と挿し込み式のサイドウインドウ,外部から取り付けられた低いフロントウインドシールドを特徴としていました。そして、当初はアメリカ国内のみで販売されたようです。

パワーユニットは1,488cc,55馬力の水平対向4気筒OHVエンジンを搭載して、最高速度155km/hに達しました。

この個体はプロトタイプということで、生産型の“スピードスター”と異なるディテールがいくつか見られますね♪

まずは、前回取り上げた記事にも書いていましたが、“スピードスター”の特徴でもあるボデーサイドのモールがありませんね。このモールの有無で、結構クルマ全体の印象が変わってきますね^^;

また、幌とフロントウインドウの留めつけ方法↑も、一般的な金属製のラッチとは異なり、革ストラップが使われているようです。

内装もパッと見では黒のように見えるシートとドアの内貼りは濃紺で、とてもセンスのいい組み合わせであることが判ります♪


1959年 ポルシェ ディーゼル シュレッパー“スタンダード”(Porsche-Diesel-Schlepper "Standard")

トラクターは、たとえそれが1956年に著しい効率主義の基に設計されたものであったとしても、コレクターズアイテムになり得ます。その機能的な仕様書を書く際に、フェリー・ポルシェ(Ferry Porsche)はエンジニアたちにトラクターの本質を“操作しやすい多用途な道具”と定義づけました。

トラクターは、フリードリヒスハーフェン(Freidrichshafen)のポルシェ‐ディーゼル‐モトーレンバウ社(Porsche-Deisel-Motorenbau GmbH)にてライセンス生産され、1963年までにこれらのトラクターは約120,000台が販売されたそうです。

パワーユニットは1,644cc,25馬力の直列2気筒ディーゼルエンジンを搭載して、最高速度は20km/hまで出たそうです^^;

近年、ポルシェのWEC復帰を歓迎したアウディのCMや、アウディのWEC復帰を願うポルシェのアンサーCM※でもお馴染みのポルシェ‐ディーゼルのトラクターシリーズですね♪

※詳しくは関連情報へ


個人的に気になったのは、この↑フロントホイールですが、PCD(ナット座ピッチ直径)が空冷VWや356Bまで使用されていた205mmのように見えます^^;


1962年 ポルシェ 356B カレラ 2 カブリオレ(Porsche 356B Carrera 2 Cabriolet)

0-100km/h加速、9.4秒。このクルマは、これまでの約2倍の出力を持つエンジンを搭載することで、その偉業を成し遂げました。

この最もパワフルな356の派生モデルのうち、コンバーチブル仕様は僅か34台が造られたに過ぎず、そのすべてが豪華なインテリアで仕上げられたそうです。

また、1962年4月にはポルシェがフォーミュラー1カー“タイプ 804(Type 804)”のために開発したディスクブレーキシステムも採用しました。

この(カムシャフト駆動用の)垂直シャフトを持ったパワフルな2リッターエンジンの性能は、“カレラ2(Carrera 2)”というモデル名にも反映されています。

その強力なパワーユニットは1,966cc,130馬力の水平対向4気筒DOHCエンジン(フールマン:Fuhrmann)によって、最高速度200km/hを実現していました。

356シリーズでディスクブレーキを装着したモデルは、最終型の356Cになってからで、“初期の911シリーズと共通のPCD130mm,5Lugのスティールホイールを履いている”というのが一般的な識別ポイントですが、この“カレラ2”は例外です。

ディスクロータを内側からキャリパーが掴むという特異な設計↓で、PCD205mmながらディスクブレーキ化に成功しています。

※写真はF-1カーの“タイプ804”のブレーキ廻り

ボクが常々葛藤しているのが、“ベック550スパイダー”におけるディスクブレーキとPCDの関係です。550において、スタイリング上はオリジナルと同様のPCD205mmのスティールホイールというのが1つの望ましい姿ともいえますが、ブレーキの発展性やヴァリエーションを考えるとディスクブレーキも捨てがたい^^;

本来PCD205mmはドラムブレーキありきの設計で、後年に一般的な外側キャリパーのディスクブレーキを採用したモデル(356C,911~)ではPCD130mmを採用しています。

実際、うちの550は前後とも既に通常(外側から掴むタイプ)のディスクブレーキになっているので、PCD130が正しい選択とも言えます。見た目を重視していくか、内面の落とし前を着けるか(笑)、この辺の拘りは個人の心情的な部分にもなってくるので、なかなか難しいですね・・・^^;


1964年 ポルシェ 911 2.0 クーペ(Porsche 911 2.0 Coupe)

“911”の原型は、1963年のフランクフルト インターナショナル モーターショウ(IAA)で、“356”の後継車として発表されました。

“911”はレスポンスの良い6気筒エンジンのみならず様々な点において、それまでのモデルとは異なっていました。

また、プジョー(Peugeot)が3桁の数字の中央に“0”を使うネーミングの権利を主張したことから、当初の“901”というネーミングを撤回せざる負えませんでした。そこでポルシェ社は、“911”という不思議な数字を選んだのです。

パワーユニットは1,991cc,130馬力の水平対向6気筒SOHCエンジンを搭載して、最高速度210km/hを実現しました。

いよいよ“911”の登場ですね。今でこそポルシェの代名詞となった“911”ですが、ポルシェ自身が車両解説で“不思議な数字”と言ってしまっているところが面白いですね^^;


“356”から始まるポルシェロードカーの歴史をレポートしてきた“欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015 ポルシェミュージアムⅡ part 2”ですが、“911”が登場したところで一端区切りにしたいと思います。

今回も長文になりましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございますm(_ _)m

次回は、いよいよ“911”から始まるポルシェロードカーの歴史第2章をレポートしたいと思います♪

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何シテル?   03/11 00:36
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