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2024年04月15日

中国経済失速の余波

ドイツ自動車工業会(VDA)は欧州連合の中国製電気自動車に対する追加関税に反対する立場を表明しました。
ドイツ自動車工業会、中国製EVへの相殺関税賦課に反対姿勢示す
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-04-15/SBYH94T0G1KW00?cmpid%3D=socialflow-twitter-japan&utm_medium=social&utm_content=japan&utm_source=twitter&utm_campaign=socialflow-organic


ドイツの自動車産業は中国市場での売り上げが1割以上で北米市場を凌ぐ最大市場となっている事から報復関税合戦に発展して売り上げが落ちる事を懸念しているものの、ドイツ車ほど競争力のない欧州の他の国では比較的安価でそこそこの性能の中国EVとの競争に曝さるる事になります。

中国が工業国になった背景には、日米欧各国の工場進出で技術移転を受け、生産ノウハウなども体得して来た事が挙げられますが、中国は自動車や電化製品、半導体などを重点事業として中央政府の補助や地方政府の誘致補助金をあてがって産業の発展を促して来ました。

今、中国製品が競争力を増した事でこの政府補助が不公正競争であるという認識が欧米で広がりつつあります。

これはかつて半導体分野で、日本の「超LSI研究組合」の成功が政府主導で日本の企業連合体が不公正な貿易で不当廉売しているとされた日米半導体協定(一次・二次)で価格統制を受け入れざるを得なくなったのと似ています。

中国ではそれまでの国内の経済格差を元にした安い労働力による「世界の工場」から脱却すべく2000年代以降、経済特区に企業を集約するような経済発展支援策で国内産業の振興に力を入れてきました。

政府の補助金を当て込んで、旺盛な起業が繰り返されるようになり、電子産業からEV製造への参入など一時は大小500社ほどの新興自動車メーカーが中国国内にひしめき合っていましたがコロナ禍以降の経済失速もあってEV市場が縮小し淘汰が進んでいるといいます。


昨今では大量に作られたEVが欧州などに出荷されています。その多くが買い手もつかないままで港に大量に集積されているとも聞こえてきます。

売れ残った中国のEVが欧州の港に山積み
https://cleantechnica.com/2024/04/11/unsold-chinese-evs-are-piling-up-at-european-ports/


日本では日本車の商品力が高く、また独自の販売網が全国津々浦々まで行き渡っている事などから外車の入って来る余地は一部の高級車や趣味性の高い車に限られており、ここに中国車のしかも参入障壁が高いEVが入り込むのは容易な事ではないでしょう。

また、中国車にEV補助金が適用されている現状は国内産業の保護と言う観点からも国内メーカーに限るべきと言う意見も増えて来ました。

このため、大きな戦争で世界が混乱して原油の輸入も滞り、ガソリンは連日売り切れといったような極端な事にでもならなければ国内でのEV比率は当分は変化しないとみられます。

しかし欧州や米国を締め出された中国勢が日本市場を虎視眈々と狙っているのも事実でしょう。

中国車のあの割り切った簡素な造り込みでも消費者が受け入れるようになれば国内における中国車の割合が急拡大する可能性も無いとは言い切れません。

そういう意味からもガソリン車の地位に安住することなく、たゆまぬ商品開発が求められるのではないかと思います。
ブログ一覧 | 日記
Posted at 2024/04/15 20:06:39

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セイドルさん

この記事へのコメント

2024年4月17日 9:24
お久しぶりです。こんにちは♪
中国人の特性か?国策なのか?
中国の産業はいつもブームになると大小さまざまな企業が参入して、すぐに淘汰されて、基礎開発や技術は育たずに、製品そのものは良くて70点くらいのものばかりが生き残るといった歴史の繰り返しですね。
まあコスト優先の選択を求める市場では数の強さでそれなりのシェアを取るのですが、負け組の中には基礎技術力を持った世界的な優良企業も含まれるので、真の技術屋としては悔しい限りですね・・・
まあ米国企業も金にものを言わせて、ブームに乗って何の技術的なノウハウもない適当な製品を市場にばらまいているので同罪と思いますが・・・
コメントへの返答
2024年4月17日 20:37
コメントありがとうございます。

大陸気質の人達はチャレンジ精神旺盛と言うかリスクテイカーでこれは日本人は真似できないですね。
昨今の動きは中国ワンパターンの集約型産業のように思われましたが、大資本を元に旺盛な設備投資で生産効率を追求する体質改善を成し遂げているようです。
日本では20年前の工作機が現役ですが中国工場では最新の工作機をずらっと並べてどんな注文でも短納期で応じて来るのは脅威ですね。

日本では大手であっても試験の数値改ざんなどが繰り返されて来た事が明るみになりましたが改ざんが「お客様のため」になるのか現場も経営陣も猛省して他の国では真似できない品質の拘りなどを追求しないと生き残れないのではないかと危惧しています。

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