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かじはら(父)のブログ一覧

2012年11月28日 イイね!

クロカンスペシャルなウインチングのアンカーテクニック

クロカンスペシャルなウインチングのアンカーテクニック今回はウインチングに必須の「アンカーテクニック」についてお話したいと思います。

「アンカーなんて適当でいいやろ?」って思う方もおられるかもしれませんが、ウインチングの成否はアンカーをどうやって取っているかで半分は決まっているといっても過言ではないんじゃないかと思っております。


これだけよくウインチを使っていると、いろんな方からよく「かじはらさんってウインチングって誰から教わったの?」って聞かれることがあります。

まぁ最初は、僕もウインチを搭載していませんでしたので、一緒に走りに行っていたLCCOのメンバー、特に最初のうちからウインチを搭載していたキリスト様とか、他の古株のメンバーが使っているのを見て、基礎的なことは目で見て学んだって感じだったのですが、

後にアイアンバールカップに出るようになった頃には、浜松の親分とか(笑)、「向こう岸の住人」と呼ばれていた方とよく遊ぶようになっていたので、そこでいろんなことを学ばせてもらったって事はありますね。


ただ、それももうかれこれ10年以上前の話なので、それ以降はひたすら自分流にアレコレと工夫して今に至っているっていう感じですので、かなりの点で自己流が入っているということはまずご理解ください。


それと、僕がこれから語る話は特に”本業”として重量物の牽引などをしている方からすると「邪道」と言われる方法も多く含まれているということは知っているのですが、まあ趣味の世界の話ですし、「クロカンスペシャル」程度の技ということでお許しください。


まず、「クロカンの現場」ではまともなアンカーが取れることが極めて少ないってことが多いです。

例えば、先日行った某所の廃道でも、斜面に張り付いた後で横方向に引こうとしたのだけど、崖の斜面に張り付くように生えていた数本の細い木に上手く荷重を分散するような形でアンカーに取らないといけないことがあったり、


先日の飽きるまでクロカンしようぜ走行会で単独でこっそりスタックしていた時も(笑)、斜面に張り付くように生えていた細い木3本に荷重が分散するような形でアンカーを取っていました。



これがその時の動画ですが、ここで一つ問題を出させていただきます。



この図が、アンカーに取っていた木の様子を真上から見たものなのですが、どうやってアンカーを取ったかわかりますか?

これらの木は、単品でアンカーにしたのではどれも細すぎてすぐ折れてしまうか、根こそぎ根元から地面からモゲてしまうかのどちらかです。

どうやってアンカーを取ったか、考えてみてください。



・・・


ちなみに、「アンカーになる木」というのは、ものすごく重要なものです。


四駆のコースの場合は、木を撤去すると逆に喜ばれる場合がありますが、廃道アタックなどの場合は、自然破壊と言われてもおかしくないので、僕は自車のリカバリーより、木の保護を重視すべきだと思っています。

また、今回のような四駆のコースでも、斜面に張り付くように生えている木というのはアンカーがかけやすいので非常に貴重な存在です。

だから、自分の都合や知識のなさで勝手にボキボキ折ってもらいたくないというのもあります。

そこで、特にウインチングなどで木をアンカーにする方の場合は、まず「クロカンとしては正しい」アンカーのテクニックを学ぶべきだと思っています。



さて、どうやってアンカーを取ったか、考えはまとまりましたか?


まず、考えられる手としては、こういうのを想像しませんでしたか?



これは、本当に多くの方がついやってしまう大きなミスですが、今回の場合は右端の木に過大な負荷が集中してしまいます。

特に真ん中の木などはほとんど荷重が掛かっていませんよね。

ただ、力のかかる向きとしては悪くないってことが言えると思います。

というのも、左端の木は崖に張り付いて生えているタイプなので、手前方向に大きな力が掛かるよりは、奥方向に力がかかるようにしてやった方が大きな荷重に耐えれるわけですから。




次の手としてはこんなロープのかけ方が想像できると思います。



真ん中の木の奥側にロープを通すとこんな感じで多少、荷重がかかる方向が変わります。

・・・ただ、真ん中の木にかかる荷重の向きは土がない方向に大きくかかってますし、相変わらず右端の木に大きな荷重がかかりすぎているのでこれも却下です。



次に考えられるのは、右端の木をチョークして、こんなロープの貼り方をする方法。



今回はたまたま、右端の木が一番ゴツそうに見えたので僕はこの方法でアンカーを取って脱出させました。



「チョーク」というのは、この図を見てもよくわかると思いますが、トウロープの端の輪っかの中にロープを通し、ロープを固定させる方法です。



・・・ただ、このチョークというのは特に免許をとっているような方からしてみると、邪道中の邪道な方法なので否定されることも珍しくありません。

なぜかというと、この方法で止めてしまうと、ロープの局所的に荷重がかかってしまうために、ロープの寿命が短くなってしまったり、不意に破断したりすると言われているからです。


また、この事については後ほど詳しく自分としての解釈などを説明しようと思っていますが、先ほどの続きではこのようなロープの取り回しも考えられます。



真ん中の木を軸に、一旦右端の木から左端の木に回すという方法ですね。

それぞれの木にかかる荷重や方向もほぼ問題ありません。

僕もこの時は、この方法でアンカーを取るか、先ほどの方法でアンカーを取るかすこし悩んだのですが、あの時は右端の木が一番しっかり生えているように見えたので、この方法は採りませんでした。


また、こんな方法も考えられますね。



左端の木を軸に、真ん中の木の下側を通し、右端の木をグルッと巻いて、また真ん中の木の下側と左端の木の上側を通すって方法です。

おそらくこれが正解かも?って気がするのですが、厳密に言うともう数種類の取り回しが考えられるので、本当の意味での正解というのは見つけにくいものですね。


まぁ、こんな感じでアンカーになる木をパッと見て、瞬間的にこれくらいのことは想像できないとクロカン上級者とはとても言えないと僕は思っています。

(そういう意味で僕もまだまだなのですが・・・)


僕の場合、自走で遊ぶ場合は完全に効率は無視で、同じ場所を納得いくまで行ったり来たりしてみたり、揺り返し使ってみたり、極端に移動速度やエンジン回転を遅くするようなクロカンをしているのですが、

牽引とかリカバリーとなると全く正反対に「効率」や「安全性」を最優先しています。


というのも、自走は多少ジタバタあがいてもそれほど時間はかかりませんが、レスキューとなると要領が悪かったり、道具が足りなかったりするとたちまち1時間とか2時間とかかかることが多いので、

最初から効率や最適化などを最優先で考えて無駄のない行動や戦略で動いておくほうがなにかと良い場合があると思っています。



■トウロープのチョーキングについて

先ほど、トウロープのチョーキングについて「これは専門家から言わせると邪道って言われることがある」と言いましたが、正直僕も邪道だと思って使用しています。

トウロープが痛む主な原因というのは、ロープとロープや、ロープと木の肌が摩擦して起こる損傷や、局所的にかかる負荷が原因だと言われていますが、このチョーキングという方法は、これらを誘発し易いからですね。

・・ただ、同じプロと呼ばれている業種の中でも荷造りなどでコッソリとチョーキングを使っている方も多く知っていますし(笑)、また、「トウロープは消耗品」だと割り切って、適当な処で適度に交換していくのであれば、特に運用で問題が起こるとは思っていません。



■アンカーになる木の保護について

今回の記事はどちらかというと、ロープの保護よりアンカーになる木の保護のために書いたわけですが、先ほども言ったようにアンカーになる木の保護を本気で考えるのであれば(例えば競技などで一日に何度も同じ木をアンカーにすることが想定される場合などは)、木に滑りやすいブルーシートなどを最初から巻いておくなどの処置をすべきだと思いますね。



■クロカンスペシャルなウインチングのアンカーテクニックとは?

僕の場合、本職として牽引をしている場合の人と、クロカンでのウインチングの最も大きな違いとしては、「アンカーにかかる負荷をいかに下げるか」ということを工夫していないのと、工夫しているという違いがあると思っています。

このような違いが出てくるのは当たり前の話で、先ほども言ったようにクロカンの現場ではまともなアンカーが都合よく生えていない場合が極めて多いってことが言えると思います。

僕が、安易に同行している他の車にアンカーをお願いせず、手持ちの道具とアンカーになる木をなんとか使って自力脱出にこだわっているのは、普段からこういう思考法や対応力を磨いておき、本当に困った状況に陥った時も多少なりとも他人より有利に動けるようにしておきたいと思っているからです。

まともなアンカーが取れないということは、当然、牽引出来ないからダブルラインで無理やり牽引するってことも少なくなります。

よく雑誌やビデオなどに出てくるウインチングテクニックでダブルラインなどマルチラインのテクニックを教えるものは多いのですが、より難易度が高いトルクアシストなどの使い方や応用法などを教えるものは極めて少ないというか、見たことがありません。

ですが、僕としてはダブルラインで牽引力やアンカーの頑丈さに寄りかかったウインチングより、ウインチ本体やアンカーに負担を極力かけないトルクアシストなどを覚えるべきだと思っていますし、

今回の記事のようなアンカー分散やアンカー保護などを最初に覚えるべきだと思っています。


■P.S.

え~っと、前回、沼で「掘らないように注意して走った」という動画とレポートを載せていたところ、同じ場所が物凄い勢いで掘れてました(大汗)



たぶん、あの動画を見た人が物凄い勢いで掘ったんだろうなぁ~とは思うのですが、

今回紹介したアンカーの木を頼みますから折ったり掘り起こしたり、根こそぎもぎ取ったりしないでくださいね(汗)
Posted at 2012/11/28 11:52:23 | コメント(1) | トラックバック(0) | クロカンテクニック | クルマ

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「また、いいの入れましたな(^ω^)

何シテル?   06/05 08:56
かじはら(父)です。 1993年頃からランクルでクロカンするようになり、3年ほど休んでましたがまたPZJ70幌でクロカンを再開させました。 息子(♂...
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