2015年09月30日
「目的地周辺です」
「お疲れ様でした♪」
静かな車内に聴き慣れた声がこだまする。
いやっ、ひびく と言うべきか・・・
こだま ひびきか・・・懐かしい
そんなことはどうでもいい。
出発してから4時間半。
ひたすら下道を走り、ようやくおとずれた仲間との再会の瞬間だ。
上がりそうになる口角を必死に下げ、冷静を装いながら、会場へと繋がるスロープを下った・・・
そこには誰も居なかった・・・
「やっちまったか」
俺は動揺しながらも、今、目の前で起こっている状況を自分なりに分析してみた。
結果はこうだ。
1. 時間が早過ぎた
2. 会場を間違えた
3. 日付を間違えた
4. サプライズ
まずは1.の時間。
時計を見ると8時52分、集合時間の約1時間前か・・・
早いっちゃあ早いが、誰も居ない時間ではない
・・・と思う。
次に2.の"会場を間違えた"を考えてみた。
確かに見覚えのある会場なので場所は合っているはずだ。
「いや待てよ・・・」
もっと大きな間違いを犯してるのか?
もしかして都道府県という大きなくくりで間違えてるとか。
今回は滋賀ですよ? みたいな・・・
いやいや、それは無い
・・・と信じたい。
3.の"日付を間違えた" はどうだろう。
9月27日、日曜日・・・
確かにふりぃ〜だむオフは土曜日開催が多いが、今回はF1の決勝の日、と覚えてたので間違いは無い
・・・はず。
すると残るは4.のサプライズ
皆んな何処かに潜んでて、突然驚かすパターンのやつか・・・
ただ、だだっ広い会場には何処にも潜む場所など無いし、そもそも40過ぎのオッさんを驚かしても何の面白みも無い
・・・いやっ、それはそれで面白いか
こんなことを考えながら、俺は一人、誰も居ない広場で立ち尽くすしかなかった・・・
まだまだつづく・・・
Posted at 2015/09/30 22:10:54 | |
トラックバック(0)
2015年09月29日
あと7km・・・
目的地に近づくにつれ、徐々に心拍数が上がる。
「久しぶりだなぁ」
そう・・・
毎回参加と決めていた「ふりぃ〜だむオフ」に3度も行けてなかったから。
「3度目の正直か・・・」
いや、3度飛ばしてるのだから、4度目の正直・・・
あっ、でも不参加の回数は3回なのだから、それを考えたら・・・
「もういいっ、うんざりだっ!」
俺の中の小さいおっさんがそう叫んだ。
到着予想時刻は・・・8時55分、
集合時刻の1時間以上前だ。
「大丈夫だよ」
そう自分に言い聞かせた。
これまでの経験から1時間前には既に何人か集まってるはずだから・・・
「もうすぐ皆に逢える」
そんな事を考えながら走ってると、目の前に橋が見えた。
「あの橋の下だっ!」
はやる気持ちに比例して 力が入る右脚を
俺は必死に抑えた。
喜んだのも束の間、
橋に到着した瞬間、俺は 自分の目を疑った。
「・・・んっ? この橋じゃない」
どういうことだ?
そんなはずはない! 去年は確かここだったはず・・・
俺は混乱し、動揺を隠しきれなかった。
ふと我に返り ナビに目をやった・・・
"目的地まであと2km"
「ふっ、やはりな・・・橋違いだ」
「落ち着けっ、俺!」
身体中の上がった水温を下げるため、助手席側の窓を少し開けた。
金木犀の香りのする 秋の風を感じながら、
俺は、一人走り続けた. . .
つづ・・・
えっ?
なぜ運転席側の窓を開けなかったのかって?
「オフ会のために整えた 自慢のヘアースタイルが乱れるのが 嫌だったからさ♪」
さらにつづく・・・
Posted at 2015/09/29 18:27:28 | |
トラックバック(0)
2015年09月28日
オフ会の朝は早い・・・
AM3時半に起床、遠足の日の子供と同じだ、
自然と目が覚めた。
外は雨・・・
前日の洗車が無かった事になるのでは?
心配は無用だった・・・
ブリスの効果は絶大だ。
「これならいける」
分厚いトーストと砂糖まみれのコーヒーを流し込み、愛車のコックピットに滑り込む・・・
ステアリングを握った瞬間、自分の中のグリーンシグナルが点灯した。
「今日はF1の決勝か・・・」
「混むんだろうな」
小さな不安を抱えつつ、下道を法定速度で爆走した。
どれくらい走っただろうか・・・
気が付けばアニキの縄張りに入っていた。
車を降りて一礼
「お邪魔しまんねやわっ」
いつもの儀式を終えた俺は、その後も快調に走り続けた。
もちろん下道を・・・
快調に走り過ぎたせいか、身体から膀胱FULLのピットサインが出た。
「タイヤ交換は無しだ!」
「燃料もまだまだいける!」
妄想の中のクルーにそう伝えると、全速力でトイレに駆け込んだ。
「ふぅ〜、間に合った」
ほっと一息ついた俺は、ふと みんカラに目をやった・・・
「いざ。」
アニキからの暗号だ!
いざ? どういう意味なんだ?
何かのミッションなのか?
それとも・・・
さっぱり分からない
「どうすればいいんだ・・・」
抱えた頭を持ち上げだ瞬間、
信じられない光景が目に飛び込んできた。
「伊賀PA」
伊賀→いが→いざ!
「こっ、これかっ!」
アニキは俺が伊賀PAでお小水を放出する事を予期していたのだ・・・
「なっ、なんて人だっ!」
こうしている場合ではない、
直ぐに何かを返信しなければ・・・
白いモンスターをルーフに載せ、
こう呟いた。
「いが。」
無事 謎が解けた事に安堵した俺は、さらに下道を走り続けた。
熱い戦いが行われるであろう鈴鹿を横目に・・・
1号線かぁ
「ここが今日のメインストレートだ」
後ろを見てもライバルは居なかった。
「早朝だからさっ・・・」
俺は一人、オフ会会場まで走り続けた。
つづく・・・
Posted at 2015/09/28 20:15:30 | |
トラックバック(0)