なんとなくバランスの悪い空間となった、ノシャップを後にし、最北の地である宗谷岬を目指す。途中、野鳥の集まる場所である、湖に立ち寄ってみたが、鳥は皆無。案内所受付のお姉さんが、可愛い顔でお昼寝(朝寝?)していたのを観察する。はっきりしない空の下、最北の地を目指す。穏やかで広い海と小高い丘陵に挟まれた道を進みながら。緑で多い覆いつくされた小高い丘は、かつて訪れたニュージーランドの道を思い起こさせる。以前来たときよりも、若干賑やかさを増したような宗谷岬に到着する。相変わらず、ダカーポの曲が流れている。最北端の海は、波がほとんど無く、音も無い流れに満ちていた。手が届きそうな浅瀬を、何かの魚の稚魚らしき群れが行き交っていた。時折見せる腹の部分に反射した光が美しい。3月に訪れた、最南端の佐多岬に比べれば、かなり賑やかな感じである。最果て感は南の方が強い。水平線と同じ位置に降りて、水に触れてみる。川の上流のような透き通った水が、穏やかにたたずんでおり触れた部分だけに波紋が広がった。