
車に戻りこの後のルートを確認する為にナビの地図に目を向けると、
ルートから少し外れたところに滝を発見する。
時間的に余裕もあるので、そこに向かう急遽そこへ向かいことにした。
滝の名前は
「白糸の滝」。
滝の名前としては、日本でもっともポピュラーだと思われる。
大小を含め、全国各地に、この名のついた滝が有ると思われる。
その他に良く見るのは「不動」がつく名称だ。
徐々に細くなる道を進むと、
8割がた紅葉が終わった木々に覆われた道路になっていた。
紅葉が終わったとはいえ、葉や枝の間から陽の光が差し込風景は、
心を動かすには十分であった。
車を止めて運転席からシャッターを切る。
ほんの少し昔に予感していた通りに手にしていた、
デジタル一眼レフの心地よいシャッター音が車内に響く。
2台駐車するとUターンができなくなるくらい狭い駐車場に
車を止めて、未舗装の遊歩道を歩く。
途中からかなり急な坂道となり、朽ちかけた木でできた
階段状の道を、ゆっくりと登っていく。
歩くこと十数分。
微かに水が流れ落ちる音が耳に届いてきた。
目の前には、断崖をまさに白い糸を垂らしたかのように
幾筋のも白い水の流れが、断崖に張りついているかのように
微かな躍動を見せていた。
遠めに見ると、無数の線の集まりにしか見えないが、
間違いなく形を変えつづけている。
私のような者には、写真によって表現できない美しさがそこにはあった。
滝からちょっと戻って、分岐路をもう一方の方へ進むと
富士山が望める高台にたどり着く。
そこは柵も何も無い絶壁で、不注意な者であれば
簡単に足を滑らせ谷底へ落ちていってしまいそうな
ひそかな危険が潜む場所でもある。
目に見える美しい風景によって目を奪われ、
足元がおろそかになった者も、
同じ運命を辿る可能性も十分にある。
無秩序に捻じ曲がっただけの枝が、
不思議と見るものの心を捉える松の並木が、
その奥に見える富士山を日本的な風景として味付けする。
逆光の為、またしても写真には思い通りに収まらないその姿は、
記憶にのみとどめることを許されているようにも感じた。
Posted at 2005/12/08 00:32:37 | |
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