
一通りの展示物を見終え、最上階の展望スペースへ。
そこからは、呉が臨む瀬戸内海と大和が生まれた造船ドックを
含めた港が一望できる。
厚い雲の隙を縫って、夕日が海に差し込む風景は、
寒さにやられて両手の感覚を失う程度の代償であれば
喜んで差し出せるほど、美しかった。
機能を求めた結果である人工機械的ないびつさと、
そのもの自体には何の意味も無いが、時間の経過だけが刻まれている自然が作り出した島のいびつな造形。
それらが織り成す光と影と単一な色彩の描写は、
とても写真には写らない、別世界のオブジェにも見えた。
極度の寒さにより、そんな幻想的な世界から現実的な世界へ引き戻される。
更には空腹という、更に現実的な欲求も加わることに。
タクシーに乗り、アーケードのある商店街へ。
そのはずれに、和食が食べられそうなお洒落なたたずまいの店の
重い木でできた引き戸を開ける。
店の名前は「KAKU-UTI」。
その店は、カウンター席が大部分を占める小さなお店。
雰囲気は抜群に好みにヒット。
お酒の種類も豊富で、メニューにない各種銘柄のお酒も
ランダムに用意されているようであった。
出される料理も、量も多く味も良い。
食べたいと思っていたカキも、メニューには無かったが
試しに聞いてみると、有るとの事であった。
それがまた、旨い。
それ以上の言葉が冒涜になるくらい、賞賛の言葉が見つからない。
更には、私以外のお客さんのほとんどが女性ってのも気に入った。
いつもそーなのかは知らないが。
それにしても、呉の女性は綺麗な人が多かった(萌)。
で、良く食べ、良く飲む(笑)。
傍から眺めていた感想である。
外に出てみると、雪国だった(汗)。
雪が降るところまでは理解できても、
それが道路に積もることがあるなんて(驚)。
駐車している車にはちゃんと雪が積もっているし、
車が通った後には、タイヤの痕が綺麗に残っている。
ノーマルタイヤのタクシーはすべて戻されたとの事で、
タクシーがつかまらない事態に。
もう一軒店に入って、タクシーを呼んでもらって何とかホテルに戻ることができた。
タクシーを待つ約1時間の間に口にした、「ホット赤ワイン」は
お酒に疎い私にも美味しいもので、冷えた体を十二分に温めてくれた。
それにしても、雪である。
店の人の話しでは、十数年ぶりのような口ぶりであった。
そんな瞬間に立ち会えた事を喜ぶべきか、
悪天候をもたらしたのは自分であることを本気で心配すべきか(笑)。
そんなことを考えながら、一日は過ぎていった。
Posted at 2005/12/30 00:01:59 | |
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