
連日の大雪のニュースの中、
山の中に車を走らせるのは、ちょっと面倒な感じもする。
一応多少の凍結に備える為に、簡単なチェーンは用意した。
目的地は群馬県の四万温泉。
以前、日本に住んでいた時には何度か訪れたことのある、
趣のある温泉地である。
当日は、前橋市内からも周辺の山々がはっきりと見渡せるほどの晴天であった。
が、気温はかなり低めでかろうじて路面温度がプラスであることを
情報パネルのデジタル数字が示していた。
当然、凍結の注意を促す雪の結晶マークも表示されていた。
昼過ぎに今回の目的地である四万温泉付近に到着する。
どーしても、そばが食べたかったので、
小さめで素朴な蕎麦屋を探してみる。
で、一軒
それらしき店を発見。
暖簾だけが下がっている、飾り気の無い店構え。
これまた飾り気の無い直筆の文字で、
「限定20食」と書かれた張り紙が無造作に掲げられていた。
何が限定なのか良くわからないまま、店に入る。
ほぼ無音に近い店内に、店の主人と思われるおじさんの声だけ響いた。
たぶん「いらっしゃい」と言ったのであろう。
店には単独の男性客と二人組みの男性客の計3人。
会話をするわけでもなく、そばが出されるのを待っている様子だった。
カウンターの向こうには、この寒さにも関らず裸足に雪駄の
頑固そうなおじさんが無表情でそばをゆでているようであった。
壁にかかれているメニューに驚く。
そこには「もりそば」、「ざるそば」のメニューのみ。
まさに求めていた、そばの楽園がそこにあった。
不穏なまでに静まり返る店内で、
先客のそばをすする音だけが耳に入ってくる。
そこに無道さにそばが出される。
見るからに「手でコネテ切った」と見て取れる不揃いのそばが
ざるの上に盛られていた。
・・・が、うまいのである。
あっという間に平らげて、普段はあまり口にしない
蕎麦湯まで平らげる。
囲炉裏の一つにかけられていた鍋の中の豆腐が妙に気にかかったが、
質問を許される雰囲気ではなかったので、
築かないフリでその場を後にした。
Posted at 2006/01/19 01:02:47 | |
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