クリスマス、雪、車といえば、やはりこの一枚だろう。今、松任谷由実の「SURF & SNOW ('80)」を聴いている。アナログリマスタリングなので、時折ノイズが入るが、それがレコードの「味」のひとつでもある。原盤のLPは、実家に大切にしまってある。「サーフ天国、スキー天国」は、原田知世主演の映画、「私をスキーに連れてって('87)」の主題歌だ。オープニングに登場する三上博史が駆るオレンジのカローラIIリトラは、当然のごとくMT車で、さらにオーディオはカセットテープだ。そしてこの曲に乗せてストーリーが始まる。何と言ってもこの映画で、一番印象に残っている車は、原田貴和子が駆るCELICA GT-FOUR(ST165)だろう。5ナンバーサイズで、こちらもMT車だ。公道ではあり得ない運転で、車道を飛び越え、ゲレンデを横切り、雪壁を突破したりで、挙げ句の果てには横転してしまう。その流麗なボディーデザインは当時「流面形」と呼ばれ、駆動方式(4WD)は「4輪でクロールする」と比喩された。バブル期とはいえ、GT-FOURを街で見掛けることは希で、劇中同様、特別な一台だった。近未来的に見えたデザインは、今でも通用しそうだ。ST16#~20#型は、最新の86などと比べても、全く見劣りしない。皆がアマチュア無線で交信していのも、当時の流行だ。言うまでもなく「恋人がサンタクロース」は、この時期の定番曲で、多くのアーティストにカバーされ、後生歌い続けられるだろう名曲だ。映画に登場する全てが、古き良き時代の産物だ。