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先程、仕事から帰宅すると、
先日お兄ちゃんになったばかりのボウズが、
「花火やろうよ！」と待ち構えていた。

帰ってきたばかりで、疲れもあったが私は迷う事なく、
仕事着のまま玄関先へ出て、ボウズと一緒に花火を楽しむ事にした。


手持ち花火の鮮やかな光が、煙混じりにボウズと私の顔を優しく照らす。

気持ちの良い夜風が、穏やかに吹き抜けて行く度に、
風鈴の涼しげな音色が耳に語りかけてくる・・。

・・・何て心地良いんだろう。

ここ数日、公私共に忙しかった私は、
しばらくぶりに、心安らぐ時間を与えられた気がした。

最後に線香花火を楽しむと、ふと先日聴いたラジオでの内容を思い出した。

線香花火は人間の生まれてから、死ぬまでの人生を表現できる、
世界最高の花火だそうだ・・。

・・・なるほど。

初めは生まれたての赤ん坊の様に弱々しい光が、
徐々に、眩い位の光の華になって乱舞する。

しかし・・・やがてまた、徐々に弱々しく光の華をすぼめていき、
最後には、小さい光の珠になって、嘘のように儚く散る・・。

さしずめ、今の私はちょうど光の華を咲かせた花火。
ボウズはまだまだ火の点いたばかりの
つぼみにもなっていない花火と言ったところか・・・。

これから、私は華を散らせて行くだけだが・・・。
それと引き換えに、ボウズと生まれたばかりの幼い子供達を
立派な大きい華にしていかなければならないなっ！


さぁ！明日から私も夏休みっ！
まだまだつぼみのボウズに
『遊び』という元気な水を与えてやるかぁ！！