新世代軽自動車、発進!!
“遊べる軽、出た”というキャッチを掲げる「スズキ・ハスラー」。軽自動車の新たな楽しみ方を提案する。
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<ドライビングインプレッション>
今年1月の発売を機に、クルマ好きを問わず、多くの方から注目を集めている「ハスラー」。
その人気の秘訣とはなんだろうか?
やっぱりそのスタイリングなのだろう。まん丸のヘッドライトはカワイイのだが、直線基調のボディラインをはじめ、やや高めの車高やボディ下部を覆う樹脂製パーツでSUVらしさを表現する。フロアの天地を広げて背高なプロポーションにキリッとした顔つきを組み合わせた軽自動車が相次いで登場する中では、かなり独特な存在感を放っている。
ボディカラーはオレンジやピンクなどポップなものから、濃いグリーンやブラウンといったものまで用意し、同じクルマながら色によって様々なキャラクターを感じられる。
そのこともあってか、多くの人の関心をひき、このブームを巻き起こしたのだろう。
今回の試乗車はXターボの……前輪駆動(+o+)。どうやら4WDモデルの試乗車は県内に用意されていないらしい。
いざ、乗り込んでみると、着座位置の高さとそこからの眺めに驚かされる。流行りのSUVは、視点こそ高くても、ドライビングポジションはフツ―のクルマと変わらない。しかし、「ハスラー」は違った。フロントウィンドウやサイドウィンドウの天地が狭く、「ジープ・ラングラー」のような本格派クロスカントリーを感じさせる視界を実現していた。にもかかわらず、ボディは小さいから扱いに困ることはなく、運転は楽々。
見た目から乗り味は重めかと思いきや、予想は裏切られた。ターボエンジンを搭載するので、どんな場面でもパワー不足を感じることはなかった。むしろ不自然なほどクルマが軽い。
やはりベースが「ワゴンR」であることも軽快な走りの一因であるに違いない。同車は燃費を向上させるために、部品を見直し、軽量化(先代比:-70kg)を達成させた。その車重はわずか約780kgと軽自動車の中でも軽い部類に属する。
「ハスラー」は各所で重量は増加させながらも、その車重は900kgを下回る。ターボエンジンのストレスフリーな走りもいいけど、自然吸気エンジンの方が先述した軽さが適度な重みとなってしっとりとした乗り味になるに違いない。もはや「自然吸気エンジンの軽自動車は走らない」なんていう考えは古い。
そういえば、今回のディーラーでは珍しく担当が同い年のしかも女性……。正体不明のプレッシャーのせいか、運転に集中できない。色々と「ハスラー」の説明をしてくれているのに、まるで頭に入らない。
そんななか、しばし運転していると、その女性がひと言。
「すごく運転上手ですね(*^_^*)」
とくに特別なドライビングテクニックを駆使して走っているわけではなく、せいぜい走る・曲がる・止まるときの荷重移動に気を配る程度。
ここで大切なのは、「ハスラー」はその挙動の変化を素直に伝えてくれるということだ。多少心に動揺があっても、クルマが情報をしっかりと伝えてくれるので、丁寧な運転が容易くできる。しかも、13km/hで惰性走行に入るアイドリングストップの制御が改良されたのか、停止直前にブレーキを緩めて荷重を逃がす際にエンジンが再始動してしまうことがなくなった。運転が上手いとモテるかは分からないが、少なくとも同乗者に不快感を与えることはないに違いない。
試乗して改めて思ったのが、もし軽自動車を買うなら「ハスラー」一択ということだ。デザインや走り、後席居住性や荷室の使い勝手のすべてのバランスが良い。
今年1月の発売以来、ディーラーへの問い合わせと受注は右肩上がりで、なんと納車は半年先になるとか。ただ、6月の増産によって、もう少し納期が早まる可能性もあるかもしれない。
軽自動車販売でトップを争うダイハツ、スズキ、ホンダ。とくにダイハツとスズキの差は年々縮まりつつあるのだが、「ハスラー」の登場によって逆転するかもしれない。この「ハスラー」ブームの今後が楽しみだ。
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<バイヤーズガイド>
最廉価グレードの価格は104万8950円と、コンパクトカーにも迫る価格高騰の軽自動車の中では異例の安さ。ただし、安全装備やエネチャージが省略されているので、個人的にはオススメできない。
そうなると中間グレードの「G」と最上級「X」のどちらがいいか。違いは、本革巻きステアリングホイール、ホイールのサイズおよびデザイン、ディスチャージヘッドライト、スピーカーの数。両車の価格差は約15万円なので、「G」に+6万3000円でディスチャージヘッドライトを装備して、他は必要に応じてアフターパーツで対応するのがいいのではないだろうか?
最後はFFか4WDか。キャラクターから4WDを選びたいところだが、冷静にクルマとの付き合い方を考えてほしい。「G」で比較するとその差は約9万円で、ホイールやスピーカーを買える。個性的な軽自動車がほしいだけならFFで十分。それにハスラーにはドレスアップパーツなどのアクセサリーが豊富に用意される。登場から間もないからこそ、どノーマルでも目立つが、それもいつまで続くのやら。だったら、差額を使って自分だけの「ハスラー」をつくってみてはいかがだろうか。
(文&写真 K-ON@0823)
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<お知らせ>
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Posted at 2014/02/22 21:01:49 | |
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試乗レポート | クルマ