原点回帰
2014年3月10日、ケータハムカーズジャパンは
新型車「ケータハム・セブン160」を発表した。
その発表会で、ゆとり世代×クルマ好きは何を感じた?
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「セブン」が登場したのは1957年。コリン・チャップマンというイギリス人エンジンニアが作り上げた。そのコンセプトは“最小限”の一言に尽きる。ただし、ここでいう“最小限”とは、とにかく動けばいいということではなく、高い走行性能の実現を前提とした“最小限”である。
「セブン」の魅力は走りに留まらない。当時のイギリスは自動車に対する税金が高かった。そこで、プラモデルのようにパーツと「分解」の説明書(逆順すれば組立られる)をセットとすることで、課税を免れた安価な販売を可能とした。
ジリ貧の若者でも楽しめるクルマとして人気を集め、そんな若者の一人に「グラハム・ニーアン」がいた。彼は後にロータス車の販売に特化した店舗をサリー州ケータハムに設立した。
1973年、税制変更を機に「セブン」の販売は窮地に立たされる。そこで、グラハム・ニーアンはチャップマンの承認を得て、「セブン」の製造権を獲得し、以来「ケータハム・セブン」として「セブン」は販売されている。
今回、発表された「ケータハム・セブン160」は入門車にあたる。その最大の特徴は、軽自動車として登録される点。イギリスでは税制に苦労させられたが、ここ日本では味方となった。
軽自動車規格(全長3.4m、全幅1.48m)に収まるボディ(全長×全幅×全高:3100×1470×1090)には、スズキ自動車製の660ccエンジンを搭載する。エンジンの出力は自主規制値を越える80ps/10.9kgmを発揮。これに5速MTを組み合わせて、最高時速160km/h、0―100km/hは6.9秒を記録する。

とまぁ、エンジンばかりに注目してしまうが、新エンジンを搭載するにあたり、シャシーやサスペンションが見直された。なかでもリヤサスペンションには、初期の「セブン」に用いられたマルチリンクライブアクスルを採用し、ハンドリングはかつての「セブン」を彷彿とさせるものに仕上がっているらしい。
エクステリアは、約40年にもおよぶ「セブン」の特徴を継承している。フロントノーズ&ショートデッキのプロポーションをはじめ、正面にドーンと構えるグリルと丸目ヘッドライトは登場当初から変わらない。むき出しのフロントサスペンションとサイド出しのマフラーなんかクルマ好きをそそらせる。ちなみに、軽自動車枠に収めるために、左右のフェンダーを小型化したとのことだ。
インテリアは、小径のMOMOステアリングにショートシフト、レバー式のサイドブレーキを採用し、運転しやすさを追求。オーディオやエアコンはなく、とにかく走りに関わるもの以外は削ぎ落とされている。
英国大使館で行われた発表会では、今年のF1にケータハムから出場する小林可夢偉氏が出席し、「ケータハム160は、ドライバーに恐怖心を抱かせることなく、運転を楽しめるユーザーフレンドリーなクルマです」と魅力を語った。また、パワーは少ないが非常に扱いやすく、排気音など感性に訴えてくる魅力が損なわれていないことも強調した。
さて……エントリーモデルかつ軽自動車と聞くと、気になるのは価格がどこまで安いのか? すでにご存じの方もいらっしゃるだろうが、ケータハム・セブン160の価格は365万円。正直、高い……一桁少なければいいのに。残念ながら、当時のように若者でも手が届くほどの価格は再現されなかった。しかし、長い目で見れば手が届きやすいと解釈できなくもない。なぜなら、この手のクルマは“2台目”として名前が挙がることが多い。2台体制をこれからの人生設計に組み込んでいるひとにとっては、その現実味はたしかに増したのだから。
(文&写真 K-ON@0823)
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<おしらせ>
クルマ好き×若者の集会場として「とある世代の車趣味人」を開設、メンバーを随時募集しております!!
Posted at 2014/03/15 14:15:40 | |
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発表会に行ってきた | クルマ