2003年10月31日
『よし、手短に説明するぞ。これだけの広さと人数を、我々の限られた人員でカバーするのは不可能だ。だからピンポイントで行う。野郎は・・・ズバリ、マニラに向かうはずだ!』
「あのー・・・、ソウルという線は考えられませんか?」
『なぜそう思う?』
「いや以前ですねー、野郎『韓国のアガシが忘れられない』とか言ってたんですよ。それと、『ウォーカー・ヒルで、またでかい勝負をしてみたい』・・・とか」
『う~ん・・・、ありえそうだが・・・』
「でも、野郎がパクッた金額と物価を考慮すれば・・・やっぱりフィリピンですかねー・・・」
『・・・、俺と長さんで出した結論だし・・・、午前中はマニラ便しかチェックしてないし・・・。ここで迷ってもしようがない。よし!午後もマニラ便だ!』
「わかりました。で、この情報、ガセじゃないんでしょうね。出所は?」
『昨日、テキサスの携帯に『明日はもう日本にいない』と連絡があったそうだ』
どうも心許ない気がする・・・。
本当にマニラでいいのか・・・。
テキサスへの電話を信じないわけではないが・・・、鵜呑みにしていいのか・・・。
陽動作戦だったらどうする・・・。
でも我々の仕事は、「万に一つの可能性であっても、それを排除してはならない。むしろ追求すべきである」と教えられている。
そうだ。今は、その「万に一つ」だ。
そこへ、テキサスがやって来た。
ボス、長さんと三人で、既に午前の便をチェックしていたのである。
「あ、山さん、お疲れ様です。・・・で、ボス、午後のマニラ便は2本です。JALの743便とノース・ウェスト1便です」
『時間は?』
「JALが15:45でノース・ウェストが17:55です。あと、エジプト航空865便なんですが、こいつカイロ行きですがマニラを経由します。時間は・・・15:50発です」
『どっちから発つんだ?』
「JALとエジプトが第2、ノース・ウェストが第1です」
『エジプトはカバーできるのか?』
「チェックインはちょっと無理ですね。出国手続へのゲートのところでしか・・・」
『よし、殿下が来るまで、今いる全員でJALをチェック。殿下が到着したら、山さんとテキサスは第1でノース・ウェストをチェック』
「了解です」
『長さんと山さんはチェックイン・カウンター、俺とテキサスは出国手続ゲートだ!』
それぞれ持ち場につき、午後の張り込みが始まりました。
明日に続く
Posted at 2003/11/01 02:48:16 | |
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