中国共産党機関紙の人民日報は25日、日本のゴミ排出量が年々減少していることを挙げ、その背景について論じたコラム記事を掲載した。
記事は、「近年、世界のゴミ排出量が絶えず増えているなか、日本は排出量を年々減少させている。2015年には、ピークだった2000年の5483万トンから4398万トンまで減らした。そして、日本人1人あたりのゴミの量も同様に減少しており、2008年には1日1人あたり1キログラム以下となった」と紹介している。
日本も、かつては街がゴミに囲まれ、深刻な環境汚染を起こすという苦い経験をした。そこから1990年代には循環経済の理念を取り入れ、1991年に「資源有効利用促進法」を出したほか、2000年には「循環型社会」の目標を打ち出したと説明した。
そして、新たな循環経済の理念のもとで、日本のごみ処理システムに多くの新たな特徴が現れたと考察。まず「明確な指標体系」を挙げている。資源生産効率、リサイクル利用率、最終処理量の3大指標を定め、いずれも2014年時点で2000年の数値を大きく改善させることに成功したことを伝えた。
また、市場化を絶えず進めることで民間企業に主な役割を担わせた点についても触れた。ゴミ収集事業の民間委託が増え、これに伴ってゴミ処理に従事する民間企業、従業員数が増加したとしている。
続いて挙げたのは、ゴミ分別の細分化。「法律ではゴミの分類について規定していないが、各自治体が循環利用の目標達成のためにそれぞれ細分化された分別方式を打ち出している。8種類以上に分別する自治体は88%あり、16種類以上の自治体も32%にのぼる」と紹介した。
そして最後には、ゴミ処理自体が様々な、経済効果を生み出すようになったことを挙げている。新たなゴミ処理施設を建設する必要がなくなり、ゴミ処理事業費も大きく低下し、ゴミを燃焼した際の余熱利用や発電によるコスト削減といった効果が現れたことを紹介した。
記事は一方で、日本のゴミ処理も新たな試練に直面していると指摘。最も大きな問題は人口減に伴う既存のゴミ処理体制の非効率化であり、細かすぎる分別も処理コストの上昇を招くとしている。
経済成長とともに、ゴミの量も急増している中国。今年もやってくるであろう11月11日のショッピング祭りでは、おびただしい量のダンボールやテープなど梱包材のゴミが出る。社会全体でムダを減らしていく意識と取り組みが必要だ。(編集担当:今関忠馬) サーチナ 2017-10-01 09:12
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2018/03/13 11:22:32