カムリの広告展開がスタートした直後から、予約が殺到!
――新型「カムリ」が発表されたときの、ユーザーの反応はいかがでしたか?
2018年型「カムリ」は2017年1月の「北米国際自動車ショー」で発表され、6月に生産が開始され、7月にデリバリーが始まりました。「カムリ」の広告が始まった直後から大きな反響があり、広告を見た人々はまるで磁石に吸い寄せられるように集まってきました。そのデザインを見てすぐにデポジット(予約金)を入れた人も大勢います。先代「カムリ」に比べて少し価格の値上がりもありましたが、そんなことで躊躇する人はいませんでした(笑)。カムリを見た瞬間に「これは買わなくては!すぐに買わなくては!」と決意を固めた人もいますね(笑)。
――「カムリ」のライバルはどんなクルマですか?
最大のライバルはホンダ「アコード」です。あとは、日産「アルティマ」ですね。日産「マキシマ」は「カムリ」の上の「アヴァロン」のライバルです。しかし、多くの人は「カムリ」を選びます。今回は刺激的なデザインに惹かれて買った人も多いと思いますが、カムリの最大の良さは品質です。彼らは「カムリ」のクオリティを知っていますから、たとえライバル車の方が2000~3000ドル安かったとしても、価格より品質の良さを重視します。
――「カムリ」のユーザーは「カムリ」が日本のクルマだという意識はどれくらいあるのでしょうか?
もちろん、ユーザーは「カムリ」がトヨタのクルマで、トヨタが日本の企業であることは知っています。しかし、「カムリ=外国車」という認識はもはやほとんどないでしょう。なぜなら、「カムリ」がアメリカで販売を始めて30年以上が経過し、長いあいだベストセラーを続けています。アメリカの人々の暮らしに完全に溶け込んでいて、アメリカのカルチャーのひとつになっていると思います。「カムリ」はそれほどまでに、アメリカのユーザーに愛されているんですよ。
――最後に、アメリカの自動車ディーラーは17時頃で閉店かと思っていましたが、遅くまで営業しているのですね。
はい。トヨタに限らず、どこの自動車ディーラーもお客さんがお店に来るのであれば夜9~10時でも対応します。それは、チャンスがあればムダにしたくないからです。もし、私たちのディーラーが閉まっていたら、お客さんはほかのディーラーに行ってしまうかもしれません。それは絶対に避けなければ! お客さんは週末にたくさん来ます。金曜日の夜、その週の仕事が終わってウキウキ気分でディーラーに来ます。土曜日は朝から大勢のお客さんが来ます。日曜日は午前中に家の用事や教会に行くことを済ませて午後から来るケースも多いですね。なかには、日曜日の夜に「『カムリ』がすぐほしい! 明日、新しい『カムリ』で出勤したいから」と言って買っていくお客さんもいます(筆者注:アメリカは日本と違って車庫証明などの手続きが不要で、ナンバーも購入から一定期間はつける必要がないので、自転車を買うようにディーラーから新車を買って乗って帰ることが可能)。
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アポなし取材でありましたが、新型「カムリ」に関する興味深い話を聞くことができました。「カムリ」がここまでアメリカのユーザーに愛されていることを知って胸がアツくなりました。そして、ひと昔の日本車のように品質や価格、燃費の良さだけではなく、「デザインの良さ」でも日本車が選ばれる時代になったのだなあと思うと、なかなか感慨深いものがありました。
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加藤久美子 (自動車ライター)
乗り物ニュース 2017/11/19(日) 11:10配信
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Posted at
2018/04/23 09:37:13