先日注文したCDが届きました。
音を聴いていると、この頃の作品は録音が丁寧だったなと感じます。
そしてアルバムを最終的に仕上げるのが、レコーディング・エンジニア。
各楽器やヴォーカルのバランス、音響効果など、どれだけ気持ちよく聴ける作品になるかは、レコーディング・エンジニア次第。
この2枚の作品は、オーディオ的には決して高い評価を受けるものではないかもしれないけど、作品としての評価ならば、私の中では最高得点に近いです。
最近は録音の技術も上がったのでしょうが、こうした「作品」と感じられる録音にはなかなか出会えていません。
mp3配信など、聞く側が適当になったから、制作側も適当になったのか?
それともその逆なのか…?
【原音再生?】
某オーディオショップのブログを見ていると、とても気にかかることがあります。
その歌手の本物の声を知っていますというもの。
本物の音を知っているというのは大事なことです。
特にクラシックの作品を聴いているとそう思います。
しかしヴォーカルの場合、それがオーディオのセッティングに生かせるのかと考えると、ちょっと疑問です。
本物を知っているから、生の音に近いリアルな音が聴けるととらえられかねない。
そもそも録音をしてエンジニアの手にかかった時点で、その音はすでに原音ではない。敢えて原音追求というならば、エンジニアが最終確認をしたモニターから出た音となるだろうか?
CDに収録されている音を余すところ再生することを追求したシステム、真空管アンプで癒しを感じる音を楽しむシステム、フルレンジ一発の良さを楽しむシステム…
それぞれ自分の聴き方に合ったアレンジができるのが、オーディオの楽しみ方だと思う。
特に車の中といった特殊な空間では、いろいろな補正を加えるといった手法に私は賛成です。
一部オーディオマニアの嫌なところは、自分が良いと思っている音(システム)以外はすべて否定するところ。
人それぞれの聴き方がある。それでいいじゃないですか。安いシステムでも、セッティングの工夫次第でかなり楽しめるシステムになったりもします。
このショップでもそれなりのこだわりを持ったいい音が聴けるシステムなのだと思います。
ただ、その他の方法を否定するのはやめてほしいと思う。
これって、みんカラのルールから見ても、かなりグレーのような気もするし。
興味深い提案をしてくれているだけに、とても残念な気持ちになります。
つまり何が言いたいかというと…
こだわりはその人個人で追及するもの。
それを他人に押し付けてはいけない。
そう言っている私も、データをぶっ壊してしまう圧縮ファイルだけは否定していますが…
「たくさん曲を収録できる」「使い勝手が便利」、これもアリと認めなきゃいけないのかな…
【ライブ録音】
もし原音再生を目標とした録音を音楽で行ったら…
現場の生々しさが感じられる、オーディオ的には面白いものになると思うけど、音楽の作品としては成立しないでしょうね。
ただ、唯一リアルにこだわってほしいと思うのは、オーケストラのライブ録音。
通常はスタジオで録音されたものが多いのだが、まるで指揮者の位置で聞いているような録音が多い。楽器の音はリアルなのだが、音の調和という意味ではイマイチで、音楽としてはどうかと思うものも多い。
オーケストラの演奏はホールで聞くものだ。
演奏する側も、そのホールの響きを意識した演奏をしている。
ぶっちゃけ、すぐそばで聞く楽器の音って、雑音も聞こえてきてそれほど美しくない(笑)
オーケストラの演奏こそライブ録音にこだわってほしいと思う。
Posted at 2013/12/31 14:14:14 | |
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