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エキマニ [ standingstone ] 2010/03/14 23:56:48
こんばんは。
お久しぶりです。
あっ、名前は書かないでくださいねw
google検索で引っかかるとまずいので。
ブログにあるスズキのエキマニ見ました。
直角にあたる革新的?なエキマニですね。
確かに取り回しなどで、無理をしたエキマニを見たことがありますが、ここまで確信犯的に直角なのは初めてです。
多くの車が無理をしても申し訳なさそうに製造する中、実車で使用しており問題ないということは、何か理由でもあるのでしょうか?
kersさんのこれまでの経験からの考察をご教示いただけますと助かります。
standingstone さま
ご無沙汰ですね。覚えていてくださってありがとうございます。
なかなかナイスなエキマニでしょ?私も見てびっくりしました。
写真では見難いですが、#3と#4のパイプが#1#2とジョイントしやすいように若干細いんですよ。
結局生産時の手間隙を省くと言うか、コストダウンの結果でしょうね。
ましてやこのクルマ。
台数的にも数を望める車種ではありません。鋳物で作るにも型を興すのももったいないくらいで。
幸いにも単車も作っているメーカーゆえ、パイプを曲げたり切ったり貼ったりは朝飯前。(下請け業者でしょうけど)
思うに、このクルマは高回転も必要ないし、必要な排気管の容量さえ確保できればそれでOKと言うメーカーの考えなのではないでしょうか?
昔から思っていたのですが。
自動車の軽規格は排気量上限600CC、64馬力(馬力は自主規制)
ターボつきでも一緒ですよね。
でもバイクだと、600ccクラスの4気筒で、いわゆる逆輸入車だと
NAで100馬力は当たり前です。
規制がなければ軽自動車もNAでバイク並みのパワーを獲得できるものなのでしょうか?
それも誰でも運転できるレベルのもので。
(ターボは確実に可能だと思いますが、それでも果たしてフレキシビリティと耐久性を両立できるか・・・)
もし不可能であればバイクのエンジンがあれほどコンパクトで高出力なのはなぜなんでしょう?
自分なりに考えてみたのですが
・車重が軽い(160キロ前後)ためフライホイールなどの慣性重量を小さくできる
・同様に車重が軽いためトルクをある程度犠牲にできる(軽に3気筒が多いのはトルク確保?)
・上記により高回転化が可能
・回転馬力が稼げる
なのかなと。
お忙しいとは思いますが、ご存知であれば「くるまやさん」としての見解をいただけるとうれしいです。
ども、knsです
aveve3様はナカナカ車にはお詳しいようで、私が説明できることは限られてきますが、一応お返事を。
まずバイクに関しては、
・車重が軽い(160キロ前後)ためフライホイールなどの慣性重量を小さくできる
・同様に車重が軽いためトルクをある程度犠牲にできる(軽に3気筒が多いのはトルク確保?)
・上記により高回転化が可能
・回転馬力が稼げる
と、ほとんど正解だと思います。
さらに付け加えるのであれば、極端なロングライフはあまり考慮しなくても良い。ということですかね。
で、コレをクルマに応用しようと思うと、やはりトルクが重要になるわけで。
軽自動車と言えども、800キロ、ジムニーにいたっては1t近い重量があります。
この重量を動かそうとしたら、それなりのトルクと各部品の耐久性が必要です。
で、限られた排気量でそれを実現しようとしたら、カムの角度や圧縮比による基本体力、それとフライホイル等による慣性力を利用しなければなりません。
またココに耐久性、コスト、ATとのマッチング、1人乗車と4人乗車時との差などなど、非常に厳しい条件にあります。
仮にバイクのエンジンをそのまま車に載せたとしたら、恐らくナカナカ発進出来ないでしょう。
エンジン回転に余裕があるとは言え、そうとう低いファイナル比を設定し、60キロで12000回転などと言う呆れた仕様が出来ると思います。
すると、燃費やライフにも影響しますし、なにより騒音が酷く乗れた物じゃないと思います。
スズキの『隼』と言うバイクのエンジンを積んだフォーミュラーがありますが、あれはレース用だからできること。それに排気量も軽自動車の倍、1300ccありますからね…
長々書いてしまいましたが、ご質問の、
>規制がなければ軽自動車もNAでバイク並みのパワーを獲得できるものなのでしょうか?それも誰でも運転できるレベルのもので。
の件ですが、『理論的』には可能だと思います。が、ソコにはさまざまな壁が立ちはだかり、コスト度外視、耐久性は関係なし、燃費?ナニそれ…の世界でしょうね。
また、誰でも運転できるレベルではないと思います。
ですので、『事実上』は無理かな。お答えになってますでしょうか???
いえいえ、私も昔真剣に考えたことがあります。
いま、改めて自分の書いた文章を読み返してみると、私の答えはどうもaveve3様の質問内容とは少々ピントがずれてましたね、スイマセン。
ついつい、バイクのエンジンをそのままクルマに利用できないか?と言う回答になっているように思えて…
よく出来た軽エンジンをチューニングして、100馬力を狙おうとすると・・・
仮にコストも耐久性も一切関係ない、とすれば660ccで100馬力ぐらいは狙えるのではないかと思います。
当然出来たエンジンは乗り難い物にはなるでしょうが…馬力は出せてもトルクが無かったらとても発進できる物ではないと言う事です。
aveve3様はご存知でしょうが、ここでトルクと馬力について少々説明したいと思います。
トルクとは回転力の事。
例えばボルトを締め付ける時に1mのレンチを使って、1キロの力で締めたとします。このときにボルトに掛かったトルクが1㎏/m。
で、馬力とはそのトルクの集合体で、仕事量です。
計算上では75㎏の物を1秒間に1m動かした時に使った馬力が1馬力となります。
もうチョット噛み砕いて説明すると、ある人が100mを10秒間で走るとします。
トルクは走っている時の一歩一歩の足の踏み出す力。
馬力は10秒間で走った時に使った仕事量な訳です。
我々の基本的な知識の中に
PS(馬力)=T(トルク)×N(回転数)と言う公式があります。
馬力を増やす為にはトルクを上げるか、回転数を高めるか、と言う二つの方法があるわけです。
前述の100mをもっと速く走る為には、一歩一歩の踏み出す力を強くするか、左右の足の回転数を早くするか、です。
軽のエンジンを高出力化するには、圧縮をガンガン上げて爆発力を強くしトルクを稼ぐか、スンゲェハイカム入れて高回転化するか、と言う手法があるわけです。
しかし、あまりに高圧縮はデトネーションを起こす原因になりますし、ピストンやヘッドを高熱に耐えられるよう強化しなければなりません。
極端なハイカムシャフトは、アイドリングさえまともに出来ず、リフトが増えたらピストンへの接触が心配されます。
そして、いかにフリクションを減らして高回転化したとしても、ピストンスピードの物理的限界があります。現在では秒速30mくらいだと言われているようですがうろ覚えです…スイマセン。
つまり、デトネーションが起きない様、燃焼室やピストントップ形状を整え、燃料や点火システムを可能な限り綿密にコントロールし圧縮を高め、それに合わせたハイカムを組み込む。ボアはピストンのストロークスピードを抑えたいのでなるべく大きくしたいのですが、コレも火炎伝播や燃焼効率の問題で極端には大きく出来ません。
よって秒速が30mを超えない程度のストロークや回転数を設定する必要があります。そうしたら100馬力超える軽のNAは作れると思いますが、ほとんどエンジン新設計ですね。
いやァ、私の知識を全て出してしまいました。既に空っぽです。
お金と時間に余裕があったら、こんなエンジンいつか作ってみたいですね。
多分無理ですけど…
お忙しい中色々とありがとうございます。
また、バイク用のエンジンを使える使えない+αのことを教えていただき、まことに感謝感謝です。
馬力=トルク×回転数という図式であれば・・・
トルクは出せるが各部の耐久性と重量にあわせると、回転数が稼げない=馬力が上げられない軽自動車
トルクはないが重量が軽く、回転数は約倍は回せる=馬力が上げられるバイク
馬力というものは何かと目に付くものですがあくまで指標であり、
排気量やトルク、もちろん重量を総合的に見ないとその本質は見抜けないということを再認識しました。
そもそもバイクと軽の’出力’に対するアプローチが違うが僕の頭の中で結論付けられてきました。
やはり、車両重量が大きなファクターを占めているようですね。
またバイクの場合は、’趣味性’という要素も多少追加されてきているため、
多少ユーザーに不便を強いてもそれがある程度は許される環境なのかなとも思えます。
バイクの排ガスが臭いのはいまだに触媒がついてない車種も多いのもありますが、
フリクションを嫌ってシリンダー:ピストンの設計寸法が広めなのではないか?
という推測も出てきました(調べてみます)
またやはりバイクのピストンスカートが短いのも、可動部の軽量化、接触面積削減によるフリクションロスを狙ったものではないかと・・・
色々な事情で数字が設定されていることが再認識されて、点が線になってきました。
車の世界は奥が深くて、そして新技術もどんどん投入され、いくら勉強してもし足りません。
回ればいいというわけではないですが、僕のF20Cを12000回転回るようにしてください(笑)