共同通信社 歩行者の列に突っ込み、自らも電柱に衝突して死亡した会社員藤崎晋吾(ふじさき・しんご)容疑者(30)。12日、京都市西京区の自宅で取材に応じた姉(34)は、弟がてんかんの発作を抑える薬を服用していたことを説明し、口元を押さえながら「家族の管理不足です」と声を震わせた。 姉によると、藤崎容疑者の一家は夕食後にみなでリビングに集まる仲のいい家族だった。藍染め製品販売の会社で働く弟は「今日はこんな客がお店に来た」と話し、仕事への愛着をにじませた。 おとなしい性格で読書が趣味だったといい、近所の人も「優しい人」「ものすごくいい子」と口をそろえる。 約10年前にバイク事故を起こし、年明けから家でてんかんによる発作が2、3回続いた。医者は事故の後遺症と診断、通院して薬も飲んでいた。 これまで発作は自宅で起きていたが「運転中に起きたら大変なことになる」と考え、仕事で運転をしなければならないなら転職しようと家族で決めた。弟が勤務先と相談し、病気のことを説明すると、会社から「事故を起こしても会社の責任ではないと一筆書いてほしい」と言われたという。 最近は藤崎容疑者の母も、区役所などに障害認定が下りるかどうか相談しに行っていた。 父は12日夜、自宅で「秋葉原の事件とは違うんだから。そんなことする子じゃない」と絞り出すように語った。 小学校時代に藤崎容疑者と同じスイミングスクールに行っていたという近所の女性は「泳ぎもうまく、運動神経が良かった」。別の女性は「毎朝『おばあちゃん、元気』ってあいさつする優しい子。ニュースを見てびっくりした」と話した。 悲しい事件ですが、今後同じような事件が起きないようにするきっかけになればと思います