
ハチマルさばいばーです。
今回のテーマは、
"工具を考える"。
ラングラーを可能な限りDIYすると心に決めてから工具沼にはまっており、退役となった工具が売るほどある。(売れもしない安物ばかりだけど)
そしてアメ車ということもあり、inchサイズの工具も念のため用意したいし、ミリのほうも1ミリ刻みで全て用意しておきたい。
というのも、国産車ではなじみのない7/16(11mm)とか中途半端なのがアメ車では普通に使われていたりして、しかも国産車のように定番サイズみたいなものがないらしく、どこで何mm(inch)が必要になるのかがわからない。
必要の都度に買うなら別に良いのだけど、その時間と手間もなかなか惜しいものだ。
主に車載工具として考えていて、「どこでもピット」みたいなの狙っている。だからコンプレッサーもポータブル式を新調してみた。
立派なガレージなんて、そうそう所有できないし(私の夢でもある)、集合住宅で寝板使って潜りこんだり電動工具やエアツールをぶん回したり、というのも少し憚られる場合もあるだろう。
私の場合はYoutube動画とかも撮影するから、そんな場面をご近所さんに見られるのはちょっと恥ずかしいってのもある。
ならばクロカン四駆の「どこへでも、どこまでも行ける」という特権を利用して、クルマ自体を「移動式ピット」にしてしまう手がある。
余裕のある荷室に必要な工具や電源を満載し、誰にも迷惑をかけない河原のような場所や、ホムセンやカー用品店の駐車場の隅で車をいじるのも、なかなか楽しいわけだ。(その店で買い物しましょうね)
ことさら、ホムセンやカー用品店の駐車場であれば、足りないものがすぐに手に入ったりするので便利。
もちろん混みあっているときは遠慮しよう。スカスカの駐車場の隅っこでならば、注意されない限りは許されると思う。
まあしかし、ジャッキアップまではどうかなw
車高の高い四駆なら、そのまま潜れて便利なのだが。
せっかくならと、有名ブランドの工具を調べては調達している。確かにモノはいいよね。DIYに対するモチベーションは上がる。
工具の収納はロールケースが◎
これがメインとして考えているロールの車載工具。
自車だけでなく、他車のレスキューも考えて、mm、inch、の両方を各種用意。
他にも、テープ類とか諸々の小物が必要になるだろうが、それらは車内のポケットとか、各所に収納できる。
もちろん、これはあくまでも応急用で、あらゆるネジ・ボルトのサイズに対応しながら、なるべくコンパクトに収めたつもり。
2Lペットボトル2つ分くらいコンパクトに収まるのは、余分なスペースがペッタンとつぶれてしまうロールケースだからである。
そしてこれらは、クロカン現場で経験を積めば内容物はさらに増えることになる。
クロカンでは予期せぬ事態が発生するもので、特に経験の浅い車両では何が発生し、何が必要になるかわからない。その都度現場ではなんとかするのだけど、「あれば良かった」と思ったものは随時追加されていくからだ。(特に消耗品が多いが。)
ちなみに、「何があれば良いのか」を調べるためにノギスやボルトのピッチゲージまでミリとインチで入っている。現場から近所の工具売り場に直行することもしばしばあるからだ。過去、ボルトのピッチが合わず時間と金を無駄にした経験があるので、ピッチゲージは重要だ。
このような追加を前提に「箱」を買ってしまうと、スペースにゆとりを考えた箱を選ぶことになる。そうでなくとも箱というのは内部に無駄な空間を作ってしまうもの。すると常に「空白」を積んでいるわけで、大きなスペースを必要とする。そして、フロアにラッシングベルトで固定された「その箱」の中で工具があばれてガチャガチャと音をたてる。これはあまり気持ちの良いものではないし、暴れる前提であると、細かなパーツや大きな工具の収納方法には気を遣うものだ。
さらに言えば、工具の「傷」は実際の施工ではなく、運搬中に暴れてぶつかり合うことで付いていることがほとんど。
美しく、末永く使うつもりなら、やはりロールケースが一番ではなかろうか。
もし箱に入れるにしても、ロールしてから箱に入れれば完璧だ。
最も活躍するラチェットメガネ(SIGNET)
左のグループ:アストロプロダクツのコンビネーションレンチ(ミリ)
中央:シグネットのフレックスラチェットメガネ(ミリ)
右奥:KTCのコンビネーションレンチ(インチ)

シグネットといえば、120段(3度)という細かな角度ステップのギアだろう。70段前後が一般的な中にあっては独創的な技術を採用して120段という驚異の細かさを実現していて(60角ギアにダブルラッチ)、高級工具のネプロスのラチェット90段をも凌ぐ。それでいて本締めOKなのだから恐れ入る。
ミリサイズに関しては、新調したシグネットのラチェ6本セットに抜けているサイズを、元から所有していたアストロのコンビネーションで補っている。
元から所有していたマスターグリップという安物のラチェは予備として倉庫送りになった。
インチサイズに関しては、ボルトによってはミリでは代用できないサイズも出てくるし、やはりカチっとハマるほうが気持ちいいし、ぴったりサイズならトルクも遠慮なくかけられるからコンビネーションで用意した。
サンデーメカニックなら同意が多いと思うのだが、工具の中でもラチェット式のメガネレンチの出番が一番多いと思う。それも、首振り式のものは汎用的で便利だ。
プロメカニックになると、信頼性や、手に伝わる微妙な感覚の違いに敏感だから、ラチェより普通のコンビネーションレンチのほうが重要性が高いと思うのだけど、サンデーメカニックは汎用性と利便性を重視する。
それに、今時のラチェメガネは本締めOKらしいしね。
イザってときのプライヤー(KNIPEX)
KNIPEXは、ドイツのメーカーで、1883年の創業以来プライヤー関係を専門的に作り続けている。今までプライヤー関係にあまりこだわったことはなかったのだけど、実際使ってみると安物とは全然違うから驚く。
動きは適度な抵抗がありながらもスムーズで、つかむ、切るといった動作の精度も高く、そして刃も確かな切れ味とかみ合わせをもっており、エアホースをニッパーで切断したのが、「ザクゥ・・ズパッ!」という切れ味に頬が緩んでしまった。
ラジオペンチもさすがの繊細さで、整備以外でもちょっとした「つまみ上げる」ようなことにも繊細に対応してくれる。
一番感動したのはウォーターポンププライヤー(長くて大きなの)で、ヒンジ部分に板バネが入っており、ヒンジのボタンを押すことで位置の固定と解除ができる。これは便利。
クロカンの現場でプライヤーが必要になるシーンというと、何かしらの代用であったり、破壊やねじりや引っ張りや切断であったりと少々強引さが必要な「イザ」って場面によくみられる。
スナップリングプライヤー。
地味だけど、無いと困る専用工具。

スナップリングの何たるかは、ネットでお調べいただくとして。つまりソレを脱着するのに必要な専用工具である。
ピン止めされている部分の、そのピンの抜け防止に使われていることが多い。
スナップリングというとサンデーメカニックではなかなか手を出さない部分に使われているものだが、だからこそ致命的な何かが起こったとき、これがあるだけで助かる可能性をもつ工具。
ランクルのナックルオーバーホールで必要になって調達したものだ。
ウインチ関連でも、フックのピン止めにスナップリングが使われていることがある。
不意に訪れるヒューズ切れ

後付けの電装系、特にクロカンではライト関連が多いだろうか。
そういった部分でたまにヒューズが飛ぶ。ヒューズボックスに使われているものと同型を同じバリエで持っておく他、少しアンペア数の上のものも入れておこう。(急場しのぎでね)その他、何かのきっかけで飛んでしまったら命とりになるようなメインヒューズ(箱型のもの)も念のため入れておく。
あとは、通電のチェッカーですね。
かさばらず、あると便利なアダプター

絶対必要というわけではないけど、あると便利なラチェットメガネアダプター。
中央ソケットの下にコロっとしているのがソレで、右のラチェは装着済みの状態。このように、メガネラチェが、ソケットレンチのように使えるようになる。
薄くて軽いメガネラチェなら疲れにくく、狭いところにも入り込みやすい。
長く飛び出たボルト(メガネだと前後に抜けてやりずらい)を早締めしたいときに便利だ。ソケットレンチは重くてキビキビ回しずらいのよね・・・。
一番便利かもしれない電動ドライバー(笑)

邪道だろうか・・・。
何が便利って、小さなネジの施工はもちろんだけど、実は大きなボルトの仮締めや、緩めるときの早回しで便利すぎるのだ。。。
コンパクトながら最大トルクは4.4n・m(21段調整)ほどあるので、ボルトがぴったり閉まるくらいまでのトルクは余裕で持っている。後は手で本締めをすれば良い。
アクセスの良い同じサイズのボルトが数本あるといった状況では、コレで作業効率が数倍になる。
コンパクトがゆえに車載ツールとしては大きなインパクトより使い勝手はさらによく、一緒にロールできるサイズなのでとても助かるアイテムだ。
Amazonなら1万ちょっとで予備バッテリー付きで売っている。
サンデーDIYなら、充電切れもそうそう発生しないはず。
電工プライヤー(エンジニア)
電気系統をいじるなら専用品が良い。
何かちょっとしたことで発生するかもしれない電装トラブルへの備え。
ラチェットビットドライバー(WERA)

商品名はちょこっと違ったと思うけど、検索すればいくらでも出てくる。
ドライバー専門メーカーとして最近日本に上陸したらしく、精度は折り紙付き。プラスドライバー一本取っても、ちゃんとネジにあったビットを押し込んでみると、そのフィット感が素晴らしい。

ビットに磁力がなくても、ネジが落ちることがないほど高精度にハマっている。これならキツいネジもナメることはないだろう。
慎重にやりたい部分以外は電動ドライバーでビットを使ってしまう。
写真で先端についているのはソケットアダプターで、これを電動に装着すれば百人力ってわけ。
手で早回ししたいときには、このハンドルで行えばレンチの2~3倍は早い。(このハンドルなら1回で1周できるから)
回すよりコジる(マイナスドライバー)

下段の丈夫そうなほうは、貫通になっていてグリップエンドをハンマリングできる。
マイナスは、ネジ回しよりも、コジったりする用途で多く使われる。
わりと現場では重宝するアイテム。2本あると何かと便利だが、片方だけでもこの貫通タイプにしておくと、イザというとき頼りになる。
使い方が強引だから、あまり高価なものは必要ない。
ヘックス&トルクス(WERA)

近年あちこちに使われているヘックス(六角)レンチは定番どころ。
小さなネジに大トルクをかけることができるヘックス。少々高価でもなるべく制度の高いものが良い。でないとネジをナメてしまう可能性が高まる。私もホムセンの安物で何度もそういう経験をしている。
WERAのような高性能工具になると、そのサイズも大きく、別な画像で見比べてほしいのだけど、それだけ小さなネジに大トルクがかかるということ。
なのでインチとミリの両方を用意しておいた。ぴったりじゃないと本当にナメる。
シルバーのがステンレスのミリ。単に黒いのがスチールのインチ。黒にカラフルなのがトルクス(星形)レンチ。
昔はいたずら防止とかで使われた気がするけど、最近はトルクスレンチも一般化していて、ラングラーの場合はドアのヒンジやルーフを取り外すための純正車載工具にもラチェのビットでトルクスが入っている。
知ることが近道
ノギス

主に、何かの直径や厚みを測るときに使う。ボルトの直径、鉄板の厚み、コードの太さ等だ。
電子式のとざっくりのを持っておくと良くて、通常は電子式の高精度を使うのだけど、もし電池切れや故障が発生した際には、最終的には写真のようなシンプルなものが信頼できる。
もう、取っ払っちまえ!
クリップリムーバー
クロカンでよくあるのは、オーバーフェンダー等のプラスチック外装。
これがヒット等でぶっこわれて中途半端にブラブラしているときなんかは、潔く取っ払って走行を続けるが良し。そういった部分で、プラ製のクリップが使われていることがあり、それを抜くための専用工具。
専用工具が無くても大丈夫だけど、私は今後オバフェン入れ替えの動画とかもやるんで、専用品を用意。
ドリル?現場で?
ポンチのためにハンマーは持たない。スプリングツール。
両サイドがスプリングでつながれており、片側を引っ張って話すことで高速度ハンマーとなる優れもの。日本で正規代理店はおらず、一応売ってはいるけども、並行輸入でUS Amazonから個人輸入するほうが全然安い。
この6種セットは、普通のポンチ、ハイス鋼ポンチ、パンチング、リベットリムーバー、釘頭の打ち込み、といった内容。
小さなものだし、車載ツールに入れてしまった。なんといっても、「知ってたこれ?」と仲間に見せたいだけである。
定番のソケットレンチ
ネプロス(KTCハイブランド)

実のところ、ピカピカメッキのこいつはコレクション要素が強く、自宅待機のほうが多いだろう。車載用として現場でガチャゴチョ使うのはコーケンだ。(個別写真忘れたので、全体写真に写ってるので確認してください)
ただし実用しないわけではなく、単に車載して、岩だや泥だらけの現場であまり使いたくないというだけ。ガレージや駐車場レベルならば使う。
こちらも、inch、ミリを各種用意。ネプロスはmmしかないので、そのすべてを買いそろえた。
コーケンでは、mmを1mm刻みですべて。インチはセットものを一つ。
通常、ソケットレンチで同じサイズを同時に使うことはまず無く、そういうときはメガネ等のその他工具が活躍する。mmとインチがほとんどの場合で代用できるので、最悪、同じサイズで4つ同時に使うことができる。
mmスパナ、inchスパナ、mmソケット、inchソケット、といった具合。
しかし実際のところ、同じサイズを同時に使っても普通は2つまでじゃないかな。例えばナットの空回りを押さえながらボルトを回すときとか、ブラインドナットを、ボルトとナットで施工する場合などだ。
非常に長い記事なってしまった。
最後までお読みいただいてありがとうございました。
次回は、
ARBコンプレッサーを日本仕様に改良して正しくエアツールを使う、の巻です。