.
FD3S用APEXパワーFCの燃料噴射について、ハイレベルなプライベーターから
質問があったので、少しだけ解説しようと思う。
FD3Sには、アイドリングから噴いているプライマリ(Pr)インジェクタと
途中から噴き始めるセカンダリ(Sc)インジェクタがあります。
P-FCは画像のように「Scが噴き始めるときのPrのINJ開弁率」の設定ができます。
言い方を変えると、「Prが何%噴いたときにScを噴かせ始めるか」の設定です。
画像の場合、Prが40%噴いたときにScが噴き始めるのですが、
そのとき濃すぎないようにPrは少し絞られます。
(下記ログ画像参照)
Prの絞り具合やScの噴き始めの噴き具合は予めプログラムされているままで、
いじれません。
(ちなみにV-Proはこの部分をセッティングできます)
緑で囲った部分は、INJのサイズです。
例えばPrを純正550ccから850ccに変更した場合、ダイレクトに850という数字を入れます。
次に左側の緑で囲った“ 1.000 ”を、550cc ÷ 850cc =“ 0.647 ”に変更します。
次に茶色で囲った部分にPrインジェクターとScインジェクターの
無効噴射時間の差を入れます。
それだけでなんとなくまともにエンジンがかかりアイドリングしてくれます。
が、
Prインジェクターの吐出量が大きすぎてアイドリングで絞り切れない場合、
茶色の部分の数値を小さくしながらちゃんとアイドリングするようにごまかします。(笑)
ごまかし具合はA/Fの数値を見ながら、リーンベストを探します。
もちろん、そうすると全体的に薄くなりますね。
Scが噴き始めた瞬間に薄かったり濃すぎたりする場合、
ピンクで囲った部分をいじるだけでなく、空色で囲った部分もいじってゆくのです。
ログデータを見るとわかりやすいです。
青=PrのINJ開弁時間
紫=ScのINJ開弁時間
赤=回転数
黄=ブースト圧
Aが突出しているのはアクセルを踏んだ瞬間の加速増量が働いている部分。
PrのINJ開弁が40%になったところで(B)
ScのINJが働き始めます(C)と同時にPrは減量しはじめ
4,453rpmで噴射率は同調します。(D)
ピンクで囲っている部分はクラッチが滑って回転が急上昇したものです。
冬のセッティング中は実質パワーが出ているのでよくありますよ。
ブログ一覧 |
ロータリー関連 作業 & セッティング | 日記
Posted at
2014/12/28 02:58:27