2012年11月08日
先ずはこれを
------------------------------------------------------------------------------
田中真紀子文部科学相は大学の新設を予定していた秋田公立美術大(秋田市)、札幌保健医療大(札幌市)、岡崎女子大(愛知県岡崎市)の新設を不認可とした。
公私立大の設置認可を文科相に答申する大学設置・学校法人審議会は「新設を認める」としていたが、田中文科相の判断で覆した。答申通りに認可されないのは極めて異例。3大学の来春の開学は不可能となる見通しだ。
そして
文部省の前川官房長は「大学には不認可を文書で通知していないので(行政上の)不認可処分はまだ出ていない」と説明。「事務方の伝え方に問題があった」と弁明し、3大学が不認可となった、という文科省のこれまでの見解を事実上取り下げた。文科省関係者によると、新たな検討会議では1カ月程度で大学設置の審査基準を策定する。
-------------------------------------------------------------------------------
さて、面白い事になった。私は田中真紀子について総論で賛成である。
大体日本には大学が多すぎるのだ
まずは秋田公立美術大、
秋田県の様な場所で美術を学んでも世界に通用するような芸術家は生まれない。
これは不要な大学だ。美術を学びたければフランス、イタリア、アメリカへ留学するか、東京芸大に進学すれば良い。東京芸大に入学できるだけの才能が無ければその先、プロとして通用するような能力などあるはずがない。将来飯が食えない勉学を学ばせるに(税金で運営する)国公立大学は不要だ。
そんなものは私大に任せればよい。
次いで札幌保健医療大
北海道にはすでに医学部を持つ大学が国公立だけで4校もある。
旭川医科大学(国立)
帯広畜産大学(国立)
北海道大学(国立)
札幌医科大学(公立)
そして岡崎女子大
これは岡崎女子短期大学を短大から岡崎女子大にしようとする目論見のようだ。
愛知県にある女子大、短大の数は現在11校
名古屋女子大学
光陵女子短期大学
名古屋短期大学
椙山女学園大学
名古屋女子大短期大学部
南山短期大学
愛知文教女子短期大学
金城学院大学
中京女子大 ※2006年度より男子受け入れ
名古屋学芸大学短期大学部
岡崎女子短期大学
この11校を含めて愛知県には(男女共学も含めて)大学が50校、短大が27校ある。
さて近年、大学(学部)の定員数に対して、受験生の人数が少ないために定員割れを起こしている大学や学部が多々ある現状下で、尚且つ、今後少子化が確実に進む中で、果たして新設の大学が必要なのだろうか?
ここにある大いなる問題は『税金の無駄使い』と言う事だ。
僕の持論は国立大学は全国で11校もあれば十分だ。と言うのが昔からの持論だ。
東大、東工大、一ツ橋大、東京外国語大、東京医科歯科大、東北大、京大、大阪大、千葉大、九州大学、名古屋大
これ以上は不要。
あとは税金ではなく、国家からは多少の補助金を与え、私立大学として運営するが良い。
そうすれば、専門性の低い低級私大は市場原理で淘汰され、適者生存となり均衡が保たれる事だろう。
維新回天の後、開国した日本では、海外からの文物学問を摂取すべく、東京帝国大学が配電盤の役目を引き受け、“知のディストリビューター”として働いた。以後タケノコのように学問所が出来、右肩上がりで学生は増えた。
現在では受け皿が増えすぎたため、学生の質的低下は目をみはるばかりとなり、辛辣な言い方が許されるのならば、日本の大学はバカを製造している工場じゃないのか?とでも言いたくなるほど、日夜バカが量産されている。
各論でいえば、田中真紀子流というやり方には問題があるかもしれないが、言っている事は実に的を得ている。そして彼女の言うように、もうこれ以上の国公立大学は日本には不要なのだ。
彼女は大臣就任後にも違う場面で同じような事を言っていた。
それはこのような内容だ。
-------------------------------------------------------------------------------
岡田(副総理)
「来年度の公務員の定員削減について引き続き増員抑制を徹底していくため、各大臣に特段の協力を願う」
田中(大臣)
「岡田副総理のご趣旨は良く理解いたします。しかし、それに先立って、まずやるべきは『私ども国会議員の定数削減、これを実行してほしいということ』そして『議員の資質、質を上げること』これが国民はあまねく望んでいることではないでしょうか」
-------------------------------------------------------------------------------
このようなやり取りが大臣就任3週間にあった。
定数の削減。
質的向上。
ここでも彼女の一貫した思考が垣間見える。
国公立大学の増加は、知的労働者の雇用促進の場を創設しているのではなく、天下りの場所を提供する場所でしかない。学問の場において、質的向上を目指すのであれば、それは少数精鋭によるエリートの育成が肝要だ。
優秀な兵隊を増産する時代は、もう旧式で前時代的なやりかただ。
現代に求められている者は、優秀な幹部や指導者達の育成機関だ。それらを育成する機関(学校)には限りがある。なぜなら少数精鋭を育てるにはそれ以上に有能な指導者が必要で、尚且つ、少人数制の教育システムでなければならないからだ。
地域の名前が付いていなければ、大学名を聞いても一体どこにあるのか分からないような国公立大学は統廃合する方向で行く方が良い。
今後益々少子化が進む日本では、有能な人材の1/4は英米の大学に進学する事だろう。
なぜなら彼らをそこまで教育させた両親は、それなりの教育費を与え続け、留学させられるだけの資産と環境を保有しているからだ。
残りの優秀な1/4は国内の偏差値70前後の学部へ進むことだろう。
そして、残り半数は「大学は出たものの」という格好になり、就職難という壁にぶつかり、二流企業か、三流企業で知的労働者を望んだつもりがブルーカラーとして働く事になるだろう。
それならばいっそ、高校を卒業した後、専門性の高い技術を日本で習得し、四年間働き詰めて金をため、英米に語学留学し、英語をマスターする事で海外の文献にアクセスできる能力を身につけ、早々に独立開業する事を進める。
専門性の高い文献や資料を翻訳ではなく、英語で書かれた資料に直接アクセスする事で国内の情報戦争を制する事が可能になる。一日の長によって半歩先んじる事は機制を制す意味で重要だ。
このように、既に機能していない“星の数ほどある”日本の大学を目指し、受験し、合格し、卒業しても未来は全く明るくない。であるならば卒業までにかかる学費を有効活用して、自分の未来を切り開く方に使う方が有益な人生が過せるのではないだろうか。
外資の企業に行けば、どこの大学を出たか?は大きなポテンシャルには全くならない。
問われるのは「君は何をしてきて、一体何が出来るのか」と言う事だけだ。
自分は将来何をするか、何がしたいのか。の明確な未来図があれば
秋田公立美術大(秋田市)、札幌保健医療大(札幌市)、岡崎女子大(愛知県岡崎市)
のような学校へ進学する事などを欲しない。
先ず、芸術についてならばフランスのエコール・デ・ボザールやドイツのベルリン芸術大学など。を目指す。同時にフランス語、ドイツ語の習得が必須となる。
音楽ならアメリカのバークリー音楽大学やジュリアード、ピーバディー、ニューイングランド。そしてインディアナ大学ブルーミントン校や北テキサス大学など。を目指せばよい。勿論英語力は必須だ。
そして医学ならば(例えば英国のインペリアル・カレッジなどが良いが)、大学受験で外人が医学部に入学できる可能性はほとんどなく、又、研修時に必要な就労ビザの習得など非常に困難なことから、どうしても海外の医学部に行きたければ高校から通わなければこれだけは難しい。
そうなると日本国内でも屈指の医学部に進学する他なく、東大、京大、大阪大、東北大、東京医科歯科大、名古屋大、九大を目指すべく偏差値72の壁を超えるしかない。
今後、アジアでは溢れんばかりの人材が、生存競争率の高い、いやむしろ激戦区の中国から生まれる。又、韓国では少子化なれど子供の教育費には多額の資金を準備して高等学校へ進学させる両親が非常に増えている。“ゆとり”などと平和ボケしてアホなことばかり言っている日本の若者たちはその内、中国人と韓国人の上司にこき使われることになるだろう。
それを諒とするものは、どんどん子供を甘やかせばよい。この日本と言う国に無いモノはないのだから。しかし危機感をもち、現状に異を唱えるものは、来るべき将来に向けて準備に余念がないはずである。
田中真紀子の一言は、そんな来るべき日本の未来に一石を投じただけだ。
結局の所、本件は認可され新たに国公立大学は新設されるのだろう。
それにしても、もっとちゃんとした税金の有効利用は無いものだろうか。
Posted at 2012/11/08 01:04:21 | |
トラックバック(0) | 日記