塩之瀬売店23

日曜日も夜中に塩之瀬売店に走ってきました。
星が綺麗に輝いています。
昨日の夜に帰って6時間ほどで塩之瀬売店に戻ってきたことになります。
明日も皆さんに逢えますように。
とりあえず、横になって疲れを取ります。
川の流れる音を聴きながら、横になったのまでは覚えています。
ほとんど瞬間的に眠ったみたいで、帰らずにいた方が疲れず、良かったかなと思います。
さて、日曜日もまた寝坊です。
海堀名人は、もう到着されています。
師匠の言葉通りでした。
眠気も疲れもふっ飛びます。
今日は網入れ前の最後の釣りになるかもしれません。
海堀名人から、網が入っても上はいけると教えていただき、上に入ってみたい気持ちも出てきます。
そんな時、師匠の一つ年下の弟さんが登場です。
先代の愛弟子中の愛弟子です。
先週も50尾ほどをかけてます。師匠も一目置く鮎師です。
5年前に初めて伺った時に教わった方で、あの頃のままです。
海堀名人と弟さんから、いつまでたっても腕の上がらない私に、改めて基本を教えてくださいます。
まずは、その日初めての鮎を掛けることが一番大事やと教わります。
友鮎を丁寧に扱って、その場からそっと放してやるのがええんやでって、初めての時にお聞きしたことを思い出しました。
今日は、一番確実な場所まで竿を出すのを我慢しようと決めました。
弟さん、海堀名人と続いてお二人を師匠と二人で見送り、しばらくゆっくりしてから、師匠に見送っていただきます。
師匠、「今日は、ようさん教えてもろとったな。」
「こんだけ聞いたら、ようさん釣れるで。」と、意味ありげに笑っています。
お天気は完璧でしたが、昨日のことがありますから、やっぱり雷が心配です。
朝の間に、頑張って釣ならあかんな。
川に入って、心に決めた場所まで竿を出すのを我慢して、気合いを入れて鮎を送り出ます。
ここまでは、教わった通りでしたが、初めて掛かったのが、師匠が言う「だしジャコ」ぐらいのかわいい鮎で、友鮎に付け替えるのはさすがにかわいそうです。
川に帰して、改めて挑戦です。
ところが、このあとが続きません。
二度、掛けた鮎を逃がしてしまい、根掛かりの連続で、師匠に入れていただいた元気な友鮎も赤信号です。
今日も余分に入れていただいてた鮎で、何とか2尾を掛けましたが、また昨日と同じように雷が鳴り出しました。
今日は、友鮎の数より少ない!!
こら、あかんがな。
とてもやないですが、塩之瀬売店には戻れません。
今になって、師匠の「こんだけ聞いたら、ようさん釣れるで。」の一言がプレッシャーとしてのしかかってきます。
でも、やっぱり雷も心配です。
ここは昨日に続き、名誉の撤退しかありません。
私、「あきませんでした。聞かんといて。」
師匠、「ほんまか?」
さすがに、師匠も落ち込んでる私を見て、普段の突っ込みはありません。
私、「今シーズン初の、友鮎の数より少ない鮎になってしもたです。」
師匠、「何しとんなよ。入れるとこ間違ごとるんちゃうんか?」
私、「なんで?」
師匠、「心配やさかい、内緒で見に行っとったんや。」
「砂地のとこで座り込んどったやんか。」
まずい!!
一番へこんでた時や。
師匠、「まだまだ名人から教えてもらうんは、早すぎやな。」
「今度、一緒に川に入って教えたろ。」
塩之瀬売店に戻って、しばらく休憩します。
奥さんも「疲れてるからやで。そんな時もあるよ。」と優しい声をかけてくださいますが、ますます落ち込みます。
美味しい塩之瀬焼き飯をいっぱい盛っていただき、お手製の「生姜の甘酢漬け」まで食べさせていただきます。
少し落ち着いてきますが、これでシーズン終了かと思うと、やっぱり情けなくなります。
私、「海堀さんに報告しよかな。」とメールを書きかけます。
師匠「電話したらええやんか。」
格好悪いですが、師匠の言われる通り、海堀名人の携帯に電話をさせていただきました。
2尾と聞いて、海堀名人、「何しとんなよ。」
あかん!師匠とおんなじや。
会わせる顔がありません。
たまらず携帯を師匠に渡します。
師匠が海堀名人と話しています。
師匠、「今度、川に入って教えるわ。」
電話の向こうの海堀名人の顔が思い浮かびます。
私、「もう網入れやから、終わったら、今度は上に行こかな。」
師匠、「付いて行ったる。」
ほんまに優しい人です。
宝ものの発泡スチロールのクーラーに、師匠がわざわざ氷を割って入れてくださいます。
冷たいのにすんませんでした。
大きなクーラーに少しの鮎では申し訳なくなってきます。
丁寧に鮎を持って帰れるように詰めていただきました。
師匠、おおきに。
いつもは、暗くなるまでお邪魔して帰りますが、今日は明るいうちに、お礼を言って失礼しました。
師匠、「もっと、ゆっくりしていったらええやんか。」
私、「いつも遅くしてすんません。たまにははよ失礼します。」
涙が出るぐらいうれしかったです。
師匠、奥さん、海堀名人、二人の弟さんや駅長さん、辻本さん、たけちゃん、小林さん、ほかにもいっぱいの皆さんにお世話になりました。
鮎は最後が残念な結果でしたが、塩之瀬売店は、日本ーの癒しの里でした。
皆さんには、普通の日常なんやと思いますが、久しぶりにあったかい人の温もりを分けていただきました。
言葉にならへんぐらい、うれしかったです。
ほんまにありがとうございました。
機会がありましたら、網入れ前にもう一度挑戦させてください。
つづく?
写真は、先代からの鮎師の皆さんの道具です。
浮き輪の長老やリハビリ中の元高校の先生の現役の皆さんの道具もあります。
お姉さん、「この前ね、お父さんが亡くなったって言うて、家族の人が囮缶を取りにきたんよ。」
「これ見てね、やっぱり、ここに置いといたってくださいって言うて、帰っていかはったったんよ。」
じーんってきました。
住所: 和歌山県九度山町河根84
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