もはや恒例になりつつある、週末のクランキング地獄。
先週までの調査から予測した不具合としては
<予測1>燃圧が極度に低くてインジェクタから吹けない
<予測2>インジェクタ配線異常
<予測3>インジェクタ不良
<予測4>エンジンECU不良
<予測1検証>
燃料ポンプ、フィルター、配管は正常と判定済みなので
フューエルレギュレーターがスカスカになっていることを想定。
しかし、いくら何でもポンプが正常で、まったく燃圧がかからないとは考えにくい。
クランキングし続ければ、ウンとかスン位は言うだろう。
一応、燃料ポンプのリターン側の配管をクランプで掴み
燃料を戻りにくくした状態で燃料ポンプ強制スイッチオン。
これでクランキングするが、やっぱりダメ。
<予測2検証>
インジェクタ関係の配線、電源の異常を懸念。
電気配線図から確認。
IGオンでインジェクタには常時12Vが印加され
エンジンECU内トランジスタが動作することで、コイルが励起され
インジェクタの弁が開くってわけだ。
ちなみに、インジェクタは1ローターに2本、しかし冷間時始動はプライマリのみ動作。
IG状態でECUの3W~3Zの端子に安全ピン突っ込んで、テスターで電圧測定。

エンジンECUの3つあるコネクタの一番左側のコネクタ、左隅。

どの端子も電圧しっかりかかってる。配線は正常と判定。
<予測3>
やはりインジェクタを確認するのは最後にしたい。インマニとかバラすのめんどいし。
<予測4検証>
配線を疑ったついでに、ECUの動作を確認。
オシロスコープは、一般家庭には当然無い。会社のやつを拝借。
クランキングでプライマリ側が定期的にオンすることを確認。
ECUも正常ということになる。
一応、予備のノーマルECUに変えて確認するが、特に違いは無し。
いよいよ、禁断のインジェクタ不良か、インマニ外すのは面倒で嫌だ・・・他に無いか?
煩悩を駆使して悩み込むと、ある閃が。
インジェクタが異常ということは、ガソリンが噴射しないということ。
原因は
1.電気的に動作しない
2.物理的に詰まっている
に分けられる。
電気的にはコイルと磁石の関係なので、コイルさえ断線してなければ
磁石が壊れることはそうそうありえないだろう。
なので、今回疑わしいのは2の物理的な詰まり。
ぢゃ、燃圧ガンガンかけた状態で、インジェクタを開きっぱなしにしたらどうだろ?
つまり、ECUに来ているインジェクタの配線を強制的にグランドにショートして
無理やりインジェクタを開きっぱなしで圧力かければ、そのうち詰まりが取れるはず。
かなり強引だが、ECU的には、オープンコレクタ出力なので、端子がグランドに
ショートしていようが断線していようが関係無し。
インジェクタからガソリンが出てるかの確認は、
プラグを抜いてクランキングで生ガスを目視確認する。
詰まりが解消すればガソリンがドバドバでるので、
火気厳禁。静電気も注意。
まずは、フロント側のインジェクタ端子をグランドにショート。
判定がややこしくならないようリア側はプラグで栓をする。
火が飛んだら恐ろしいのでハイテンションコードは接続しない。
ECUの何らかの保護が働いて、燃料ポンプを止められたら意味ないので、
燃料ポンプは強制スイッチオン状態で常に全開。これで通常ならだだ漏れになる。
この状態でクランキングし始める。
が、今まで同様、無色透明の乾燥した圧縮空気が出るのみ・・・
これもダメか・・・と思った数秒後、
突然の変化が!!
堰を切るとは、まさにこのような状態。出るわ出るわ生ガスっていうかむしろ、ガソリンそのもの。
明らかな症状の変化だ。
しかし、あまりのガソリンの噴出量のすごさに
喜ぶよりもまず印加の危険をリアルに感じて即IGオフ&有毒ガス中毒を恐れて避難
ガレージの換気を行い、引火の危険がなくなるまでしばらく待つ。
次にフロント側のプラグ穴をプラグで栓して、リア側のプラグを抜く。
さっきと同様、今度はリア側のプライマリインジェクタの配線を強制グランド。
こちらもクランキング数秒で、生ガスが噴射。これでフロント、リアともに燃料が出た。
逸る気持ちを抑えつつ、フロント、リアともプラグを締め、コード接続。
これでやっとエンジンかかる!はず。
緊張の一瞬、クランキングをした瞬間、
初爆とともにエンジンに火が入る。
はぁ、と安堵したのもつかの間、違和感が・・・
後からよく考えれば当然だが、散々生ガスぶちまけたのだから排気関係は
ガソリンでビチャビチャのはず。そこでエンジンかけたものだから排気ガスが酷いことに。
もはや室内で焚き火してるんじゃないか?ってくらいの真っ白さで
煙いというか、
数秒で逝けそうな有毒っぷり。
しばらくアイドリングさせて、ようやく正常に。
ご近所の皆様、朝っぱら有毒ガスぶちまけてすみません。いや、マジで。
詰まりの原因を考えてみると、まし号の燃料はエンジン保護のために
2ストオイルを混合しているんです。なので、その残りガスが劣化して
インジェクタに膜を作ってしまったのでは無いか?と想像。
やっぱり車は乗らないとダメだね。本当に実感しました。何とかしなければ。
とにもかくにも、これで我が家のFCは全て正常に復帰。
今後は運用を考えていかねば!