2016年04月05日
指さして言うPORSCHEへ 前編 ~フロントエンジン車への拘り崩壊~
随分久しぶりの投稿となってしまったが、この頃投稿へのきっかけになる本がベールを脱いだ。
その名も、「PORSCHE 偏愛グラフィティ」。
これはベスモ同窓会が主体となって、過去のベスモアーカイブと最新ポルシェ試乗記を織り交ぜたものである。なかなかの売れ行きにつき当初購入が大変困難であった。内容については割愛するが、この本を拝読しているうちに、最近のポルシェに対する疑問が大きく膨らんでゆく。
「どうも最近のポルシェには『偏愛』できない」
その理由について、前編・後編に分けて恐縮ながら偉そうに述べたいと思う。
これより、大変申し訳ないがポルシェ偏愛の方々については御覧にならない事を強く勧めたい。
よく世間では『ポルシェ=911』というイメージが強烈であるだろうが、実は過去にFRモデルを開発していたのを御存知であろうか。
944,928,968、特に928に関してはベスモ人気の上昇期を支えた名車であり、ベスモ1991年10月号に至ってはあのガンさんが『理想に近いFR』と評価したほどである。後のポルシェ流マルチリンクである『ヴァイザッハ・アクスル』を備え、ビックFRながらトランスアクスル方式を採りバランスの良いフロントエンジン車として、今でも復活の声が高い。
また、ベスモの登場回数は僅かだが968も中谷さんのお気に入りであった。適度なサイズにトランスアクスルレイアウト。これぞポルシェの「フロントエンジン車」としてFR好きには堪らないものであった。
ベースは例えVWグループのものでも、「わざわざフロントミドシップ・トランスアクスルにしないと気が済まない」。それが嘗ての「ポルシェ製フロントエンジン車」であった。
そんな偉大な名車たちを、ポルシェは忘れてしまったのであろうか?
遡ればカイエンまで至るが、当時安定を求めたポルシェはVWトュアレグのプラットフォームを流用するはいいが、「わざわざフロントミドシップ・トランスアクスル方式にする事」を放棄してしまった。
「スポーツSUVとしては」ポルシェイズムを秘めているかもしれないが、「ポルシェ製フロントエンジン車」の誇りなど忘却の彼方に追いやってしまったのだろうか。
その後発売されてパナメーラも、「わざわざフロントミドシップ・トランスアクスル方式にする事」を放棄してしまった。嘗ての拘りなど、もう忘れたのだろうか。
挙句の果てには、『マカン』というFFベースのSUVまで販売する始末である。
『アウディ RSQ5』であれば問題ないが、「わざわざする事」などこれじゃあ忘れたに違いないとしか言いようがない。
まあ、この全幅1900mm超えの車体を『コンパクト』と称するジャーナリストの方々にも正直がっかりであるが。もういっそ『ボロカー増税』などやめて、そのかわりに全幅1800mm以下を『新3ナンバー』、それ以上を新たなサイズ枠として増税対象にすべきでは・・・とも思える。
『わざわざフロントミドシップ・トランスアクスル方式にする事』せず販売したこれらは、どうやら売れ行きも絶好調であるらしいが、そんなもの試乗する気も失せてしまう。
なぜこれ程『わざわざする事』に関して口うるさいのか。それには他メーカーの前例があるからである。
日本市場を棄ててしまった『日産・スカイライン』
4輪ダブルウィッシュボーンを諦めた『ホンダ』
FRを一時期棄てた『ジャガー』
スポーツキングダムから崩落した『ブリヂストン』
他にも前例はあるはずだが、いずれも根強いファンを結局は裏切る事になった。
日産に至っては私が言うまでもないだろう。このパターンに陥る可能性がポルシェも高いことなど、私にはひしひしと伝わる。
もしポルシェがこのパターンに陥る事なく好調を保つのであれば、この辺をまずは考え直すべきはないであろうか。
まあ、これに勝るとも劣らない大きな問題がもう1つあるのだが、それは後編にしよう。
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Posted at
2016/04/05 17:31:04
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