【読売新聞 2006年11月10日】
自身が弁護する被告を無罪にするため、別の犯人を仕立てようとしたとして、宮崎県警は
10日、東京弁護士会所属の弁護士山本至容疑者(52)(東京都杉並区阿佐谷北)を証拠隠滅容疑で
逮捕、暴力団組長(34)ら2人を同容疑で指名手配したと発表した。
山本容疑者は容疑を否認しているという。
調べによると、被告は振り込め詐欺事件にからみ宮崎地裁で公判中で、手配された組長と同じ系列の暴力団組員。
山本容疑者と組長らは2月下旬、東京都新宿区の喫茶店で、20歳代の男性2人に「お前らがやったという文面を書け」と
脅しウソの書面を作成させ、9月6日の公判に提出した疑い。
2人のうち1人が10月25日の公判に証人として出廷した際、「山本弁護士らに『被告人の身代わりになれ。
おれの言うとおりにかけ』と強要され、書いた」と証言。
もう1人も、東京で行われた宮崎地裁の出張尋問で「自分は犯人ではない」と説明したという。
東京弁護士会によると、山本容疑者は1992年に弁護士登録。
司法試験対策の著書もある。
東京弁護士会の篠塚力副会長の話「突然のことで大変驚いている。事実関係が確定するのを待ち、今後の対応を決めたい」
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【共同通信 2006年11月10日 17時36分】
宮崎県警は10日までに、担当した刑事事件の公判で真犯人が別にいるとの虚偽の証拠を
裁判所に提出したとして、証拠隠滅の疑いで東京都杉並区阿佐谷北、弁護士 山本至
容疑者(52)=東京弁護士会所属=を逮捕、暴力団幹部(34)ら2人を同容疑で指名手配した。
山本容疑者は「そのような事実はない」と否認しているという。
調べでは、山本容疑者は9月6日、盗品等有償譲り受け罪で起訴され、宮崎地裁で審理中の
暴力団組員(24)の公判で「自分たちが真犯人」と第三者が名乗り出る、うその書面を提出
した疑い。
書面は2月下旬、組員と親しい暴力団幹部が、知人の男性2人を東京都新宿区の
喫茶店に呼び出し「おまえらがやったという文面を書け」と書かせていた。
2人のうち1人が10月25日に出廷した際、山本容疑者の質問に「身代わりを強要された」と暴露した。
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脅迫容疑で弁護士再逮捕 弁護の被告に「黙秘」強制
【共同通信 2007/10/09 05:30】
東京弁護士会の弁護士山本至被告(53)=証拠隠滅罪で宮崎地裁に起訴、保釈中=が、弁護を
担当した被告を脅し黙秘を強いていたとして、宮崎地検は9日、脅迫の疑いで山本容疑者を
再逮捕、東京都杉並区の自宅など数カ所を家宅捜索した。
証拠隠滅罪の起訴事実も公判に虚偽の証拠を提出したとされるもので、捜査関係者によると
弁護士が弁護活動をめぐって2度も刑事責任を追及されるのは異例。
9日朝に自宅で任意同行を求め事情を聴いていた。
調べでは、山本容疑者は昨年11月初めごろ、詐欺罪に問われて東京地裁で公判中だった被告の男(20)に
警視庁麹町署で接見した際「黙秘しろ。黙秘しないと家族や交際相手がどうなっても知らんぞ」
などと脅した疑い。
被告は振り込め詐欺グループの一員とされ、宮崎地検は、山本容疑者が被告に黙秘を強いる
ことでグループ上位の暴力団関係者に捜査の手が伸びるのを妨げようとしたとみている。