【読売新聞 2013年12月18日08時45分】
海上自衛隊と米海軍が共同使用する厚木基地(神奈川県大和、綾瀬市)で、旧日本海軍の
夜間戦闘機「月光」のものとみられる部品が見つかり、17日、報道陣に公開された。
月光の機体は、米・スミソニアン博物館で展示されている1機しか現存しておらず、海自第4航空群
司令部は「本物であれば部品だけでも貴重」とし、今年度中にも同基地内の広報資料館で展示を始める。
同司令部によると、部品は長さ約250センチ、幅約40センチでジュラルミン製。
形状などから、第2次世界大戦末期に米爆撃機B29の迎撃などに当たった月光の右翼の部品で、
低速飛行時に揚力を増すために取り付けられた「前縁スラット」とみられるという。
5月末、基地東部の配管工事中に偶然見つかった地下壕跡で、泥をかぶった状態で発見された。
一部が腐食しているが、泥をかぶっていた部分は比較的保存状態が良く、深緑色の塗装が確認できる。
同司令部が残る文献などを調べ、月光のスラットとみられることを突き止めた。
厚木基地は1944年以降、横須賀から移転してきた実戦部隊「第302海軍航空隊」の拠点となり、
今回発見された地下壕跡の周辺に格納庫が置かれていた記録がある。
同隊内では「月光隊」も結成され、本土の防空に貢献したという。
航空・軍事評論家青木謙知さん(59)によると、月光は初めて実用化された夜間戦闘機で、
生産数は後継機も含め470機程度という。
旧日本軍の戦闘機は、月光に限らず、敗戦後に廃棄されているため、青木さんは
「どの戦闘機の部品でも貴重だが、月光は生産数が少なく、歴史的な価値は特に高い」と話している。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
海上自衛隊厚木基地 戦闘機翼の一部 地下壕から発見
【東京新聞 2013年12月18日】
海上自衛隊厚木基地(大和市、綾瀬市)は17日、太平洋戦争中の地下壕から、
旧海軍の夜間戦闘機「月光」の部品が見つかったと発表した。
月光は、米国に復元機体があるが、国内では部品も公式には残っていなかった。
厚木基地によると、月光の部品は右主翼内側の「前縁スラット」とみられる。
ジュラルミン製で長さ2.4メートル、幅は最大40センチ。
主翼から前に張り出し、すき間をつくることで、低速や旋回時の安定性を向上させるのが目的。
旧海軍機では、月光と艦上偵察機「彩雲」に使われているが、大きさなどから月光と判断した。
部品が見つかった地下壕は5月下旬、基地を共同使用する米海軍が基地東側で配管工事した際に発見された。
全長約11メートル、幅1.7メートル、高さ1.5メートルで三カ所に枝分かれしている。
大和市教育委員会などが調査後に埋め戻した。
厚木基地では1997年以降、工事現場3カ所で地下壕が見つかり、2003年のターミナル
ビル建設工事中には零式艦上戦闘機の酸素ボンベが見つかった。
今回のスラットも、酸素ボンベと同様に基地内の資料室に展示する予定。
第四航空群司令の森田義和海将補(50)は「保存するのが責務」と説明。
地下壕の追加調査については「基地の安全面などに影響が出る可能性がある」と行わない考えを示した。(佐久間光紀)
<夜間戦闘機「月光」>
旧海軍が戦中の1943年から運用した戦闘機。
中島飛行機が開発した。
機体上部に斜銃が取り付けられ、米国のB29爆撃機を迎撃した。
海上自衛隊厚木基地には1944年末に24機が配備されていたという。
復元機は、米国のスミソニアン博物館に展示されている。