【共同通信 2007年9月18日】
無免許のうえ時速約100キロで猛追するなどの「あおり運転」で軽乗用車に事故を起こさせ
2人を死傷させたとして、危険運転致死傷罪などに問われた無職戸田固士 被告(24)に対し
宇都宮地裁(池本寿美子裁判長)は18日、懲役9年(求刑懲役10年)の判決を言い渡した。
検察側は「高速度での逃走を余儀なくさせた危険極まりない犯行」と指摘。
弁護側は「追い越すためで、あおり運転はなかった。運転と事故に因果関係はない」
として危険運転致死傷罪については無罪を主張していた。
論告によると、戸田被告は1月21日、栃木県大田原市の国道4号で、乗用車の
クラクションを鳴らし、ライトを点滅させて軽乗用車を時速約100キロで追跡。
運転の女性にハンドル操作を誤らせてガードレールに衝突させ、同乗のアルバイト店員
坂本睦月さん=当時(18)=を死亡させ、別の同乗者にも重傷を負わせた。
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大田原の2人死傷事故 あおり行為原因か 運転の男再逮捕へ、危険運転適用も視野
【読売新聞 2007年02月12日】
大田原市の国道4号で1月、軽乗用車がガードレールに衝突し、同乗者2人が死傷した
事故が後方の乗用車にあおられるなどして起きた疑いが強まり、県警は近く、現場
付近に乗り捨てられた別の乗用車を運転していた矢板市富田、無職戸田固士被告(24)
(無免許運転で逮捕、起訴済み)を業務上過失致死傷と道交法違反(救護措置義務)の
疑いで再逮捕する方針を固めた。
県警は危険運転致死傷罪の立件も視野に入れ、調べを進めている。
事故は、1月21日午前2時45分ごろ、大田原市下石上の国道4号で発生。
那須塩原市下厚崎、パチンコ店員田中千春さん(25)の軽乗用車が、対向車線を
越えてガードレールに衝突し、助手席のパート従業員坂本睦月さん(18)が死亡
後部座席にいた坂本さんの父親の正さん(42)も重傷を負った。
戸田被告の同乗者や田中さんの証言などから、戸田被告が前方の軽乗用車を執拗に
あおったり、幅寄せしたりしながら約2.5キロ・メートルにわたって走行した
状況が判明した。
車の破損状態などから、戸田被告の車は、時速100キロ(法定速度60キロ)
前後の猛スピードを出していた疑いも浮上している。
県警は、戸田被告の車が後方からあおったりしたことで
田中さんがハンドル操作を誤り、事故が発生したとみている。
戸田被告のあおり行為など一連の悪質な運転が、危険運転
致死傷罪にあたるかどうか、慎重に調べる方針だ。
■「絶対に許せない」娘亡くした父、怒りあらわに■
「無免許であれだけのことをして。娘と同じ目に遭わせてやりたい」。
最愛の娘を亡くし、自らも左足などに全治3か月の重傷を負った
坂本正さんは入院先のベッドで怒りをあらわにした。
坂本さんによると、21日未明、自宅に向かって国道4号を北上中、戸田固士
被告の乗用車が強引に追い越してきた。
運転免許を取得して半年で、若葉マークを付けて運転していた
田中千春さんは「危ない」と驚いた様子でクラクションを鳴らした。
そのクラクションが気に障ったのか、戸田被告の車は後ろに回り込み、今度はあおり行為を始める。
先に行かせようと車を止めても、戸田被告の車も後ろに止まり、動き出そうとしない。
坂本さんは窓を開けて「危ないよ」と言ったが反応がない。
逃げようと速度を上げると、戸田被告は猛スピードで迫って来て、すれすれまで接近。
前照灯をハイビームにしてパチパチ光らせ、クラクションを鳴らし続ける。
坂本さんが「狂っている」と恐怖を感じたとき、「ガガガ」と車が揺れる。
対向車線を飛び越え、ガードレールに激突。
横転してひっくり返った車内で、坂本さんは救急車到着までの間、睦月さんに何度も
呼び掛けたが、返事はなかった。
病院を訪れた警察官から戸田被告が「車にぶつかってもいないし、あおってもいない」と
話していると聞き、怒りに震えた。
「絶対に許せない。娘は18歳になったばかりで運転免許を取りたいと言っていたのに……」。
睦月さんを思い出し、坂本さんは言葉を詰まらせていた。