【FNN ユアタイム 2016/10/29 00:42】
横浜・小1男児死亡事故 過失運転致死傷容疑で87歳男を逮捕
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登校中の小学生の列に、軽トラックが突っ込んで、小学1年の男の子が亡くなった。
28日夜、87歳の男が逮捕された。
事故現場で、冷たい雨にぬれる花束。
痛ましい、その事故は、集団登校中の小学1年・田代 優君(6)の命を、突然奪った。
献花に訪れた人は「近くだし、なんか知らん顔できないなと思って」と話した。
神奈川・横浜市港南区で28日朝、集団登校中の小学生の列に、軽自動車に
追突した軽トラックが突っ込んだ。
事故を目撃した人は「小学校の男の子が、車に挟まれているような状況で、救急隊員の
方が救出して、心臓マッサージをしているような状態だった。お母さんが結構、泣き叫ん
じゃっていまして」と話した。
フロント部分が、大きく壊れた軽トラック。
その脇には、「交通安全」の黄色い札を下げた、黒いランドセルが残されていた。
田代君は、軽トラックと電柱に挟まれ、死亡した。
一緒に登校していた男女8人の児童のうち、2人が重傷を負ったほか、軽自動車を
運転していた、70代の女性がけがをした。
今回、事故に関わった車は、最前方がバス、その次に緑色の軽自動車、
さらにその後方から、白い軽トラックが突っ込んできたという。
現場は、道幅およそ5メートルの一方通行だった。
目撃者などによると、事故当時、バス停に路線バスが止まり、その後ろに、緑色の
乗用車が停車した。
そこに、軽トラックが追突し、そのはずみで横転して、小学生の列に突っ込んだ。
軽トラックの運転手・合田政市容疑者(87)は「事故を起こしたことは間違いない」と供述している。
警察は、過失運転致死傷の容疑で逮捕した。
いったい、事故は、なぜ起きたのか。
事故現場20メートルほど手前の防犯カメラが、事故直前の軽トラックをとらえていた。
映像では、小学生の列の横を通過する路線バスと、緑色の軽乗用車のブレーキランプは、
ともに点灯しているように見える。
一方、その十数秒後に走ってきた軽トラックは、ブレーキランプが点灯していないように見える。
現場に明確なブレーキ痕は残っておらず、スピードを落としていなかった可能性がある。
合田容疑者を知る人は「いや、もう今、仕事していないんじゃない。ここんとこ、年だから、
そんなに乗っていないんじゃない」と話した。
一方、亡くなった田代君は、27日、大好きなおじいちゃんとおばあちゃんに、運動会の様子を
話しに来たばかりだった。
田代君の祖母は「きのうも、夕飯を食べに来てくれて。来年は、1等になるように頑張るからって。
とにかく、優しくって、頑張り屋で。受け入れることはできません」と話した。
痛ましい事故を防ぐ方法はなかったのか。
地元の住民は、現場一帯の道路について、こう指摘する。
現場近くの住民は「町ができる前に、人が先に住んだってところがありまして、道路が狭いんですよ。
全部、一方通行で。説明しても、みんな、ぐるぐるぐるぐる回ってですね。道路は大変、危険だという
ことで」と話した。
地元の人が、危険だと話す、通学路で起きた悲劇。
記憶に新しいのは、あの事故。
2012年4月、京都・亀岡市で、集団登校の列に車が突入し、当時小学2年生の女の子ら3人が
亡くなった。
こうした事故が相次いだことから、国土交通省などは、全国の通学路の安全を緊急点検した。
そして、各地で歩道の設置や、路肩を緑色に舗装するなどの対策がとられた。
横浜市は、2015年、事故を防ぐための取り組みを、ビデオを作り紹介している。
ビデオには、「危険が迫る子どもたちの通学路を安全なものに。そのために地域が動いたのが、
バス停を移設することで、子どもたちの安全を確保することでした」などとあった。
バスの乗降中、後続の車から、横断歩道が見えなくなることを避けるため、バス停を移動。
ほかにも、歩道の整備をすることなどを紹介している。
今回の事故現場は、どのようになっているのか。
交通事故の専門家に見てもらった。
交通事故調査解析事務所・熊谷宗徳所長は「まず、この外側線から、こちら、スクールゾーンの
歩くところですね。
この幅が、あまりにも狭いなと。(道幅に比べて、人が歩く歩道側が、狭すぎる?)そうですね。
もっと、とれると思うんです。
今、こちらの緑の幅は、50cmあるんですが、それに対して、車道が広くとられているので、
車が速度を出しやすい」と話した。
熊谷氏は、事故現場の道について、一方通行の割には、車道が広く、ドライバーは、スピードを
落とさずに走れると考えやすくなるという。
さらに、熊谷氏は「最高速度30であれば30の標識、40であれば40と書かれた標識がつくはず
なんですけど、これがないということは、速度規制がなされていないということになります。
(ということは、何km/hまで?)速度規制がなされていない以上は、車は法定速度まで、
違反にはならない。一般道の法定速度は、60km/hという形になります。(とてもここで、60km/hは
出せない?)そうですね」と話した。
速度規制もなく、車道も広め。
熊谷氏は、車のスピードを落とさせるための対策が、不十分ではないかと指摘する。
田代君が通う小学校の校長も、この道路について語っている。
横浜市立桜岡小学校・高島典子校長は「車も人も、大変多いというところで、危険性が
高いことは、認識しておりました」と話した。
事故の原因は、まだ明らかになっていないが、心理的、物理的に、スピードを落とさせる対策が十分であったのならば、防げたのか。