人間の顔は食べづらい

白井智之のデビュー作です。
道尾秀介が推してたので気になって1ヶ月位前に購入。しかし中々読む機会が無かったのですが昨日の埼玉移動中に一気に読み切りました！！！

私の大好きな作家が得意とするプロット！
その２つが作品の軸となります！
この作家もファンなんだなとニヤリとします。

①非現実で嫌悪感を抱く設定（それが本筋のミステリーの部分をミスリードさせるのに多いに役立つのです！）
・自分のクローンを作り、その人肉を食べるのが合法化されてる世界！
クローンだけでも論理的非難の的ですが更に人食！！！殆どの人は嫌悪感を抱くでしよう。それが目眩し！クローンを作れる。それこそが秘密を解くポイントです！

②複数の登場人物の視点で語る
・この作品では主に3人の視点で描かれます。
この手法は１つのストーリーを多面的に楽しむという喜びもありますが、大切な事柄を隠すという事にも役立ちます！
この作品の新しいところは実は3×2＝6という部分ですがネタバレになってしまうのでそれ以上は…



総合的には面白かったです！
基本設定がアレですから、それで拒絶反応を示す方も多いとは思いますが、それを乗り越えてミステリーと思えばよく出来てます！





以下ネタバレ！読む気があるならよまないで！



チャー坊になぜあれだけの知能があるのか？
そもそもクローンは成長剤で急成長させるので赤ん坊くらいの知能で肉体は大人、その状態で殺すので可哀想でないという設定であったはずです。百歩譲ってチャー坊はイレギュラーで育てられたし、和志から与えられた小説で人間的な知能を持ったとしても、どうやって字を覚えたの？？？？ひらがな程度なら分かりますが漢字はちゃんと教育しないと無理です。食用にチャー坊を育ててた和志がそんな教育をしたとはとても思えないです。そういう部分が御都合主義でミステリーを成立させる為の強引さを感じます。だから次世代を担うまでの才能ではないのかな…