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　「空とぶタイヤ」
　車関係の職・趣味の人なら「ああ、あのことか」とすぐに思いだす事件の映画化です。

　事件当時は三菱車乗っていると「お前のもハブぶっ飛ぶんじゃねぇの？」と馬鹿にされたことがある人は多いでしょうね。

　今の会社で、この事件と映画のことをきいてみましたが、運送や中古車、解体業者なんかは、この事故発生当時にすぐに「三菱のだろ？当たり前だろ」と思っていたそうです。
　
　実際、ハブの強度が不足って印象あったのかをつっこんでみると、単にハブがどうのっていうより駆動系が全体的に、特にドラシャから外側の部品が他社より弱いという感じがあったらしいです。

　ただ、トラブった車両の多くは過積載での運用で、壊れてもあまり強く出ることが出来ない会社や人がほとんどだったのが、なかなか表沙汰にならなかった原因ではないかと。

　では、他の会社の車両でも過積載なんだから同じことになっただろう・・・というとそんなことはなくて、やはり三菱自工のは特別に弱かったという印象だそうです。

　
　さて映画ですが、主人公のいる赤松運輸は過積載とは縁遠い会社で整備もしっかりしていたのにハブから左前輪が丸々脱落、タイヤが縁石でバウンドし・・・
　という一連の部分は特撮とＣＧが上手く合成されており一見「あれ？これじゃ役者さん直撃・・・」と普通に思えるほど良く出来ています。
　
　内容は車乗りにも経営者経験がある人にもグサグサ刺さるシーンがあり「ああ、俺なら、もうここで折れているわ・・・」の連続です。

　中小企業の経営者だったら必ず何度かは経験があるはずです。
　「ここでアクセル満開にして事故れば・・・」とか
　「このまま、この飛行機落ちてくれると色々助かるな・・・」とか

　そんな糸一本でギリギリ正気をつなぎ止めているシナリオの連続です。

　劇中のホープ自工内社員の自浄努力も財閥系自工の巨大な力の中でへし折れていきます。

　ある契機から話がゴロッと回転するのですが、この事件は偶然も加わらないと事故で片付けられ続けただろうことがよくわかる作品となっています。

　この作品中でも、自工の品質評価部署の有様がキーポイントなのですが・・・そういえば・・・と思いだしたことがあります。

　この人身事故が発生する以前に自工の開発関係の方の御話を聞ける機会を設けてもらえたことがあり、その時、品質的なあることに質問をしたことがあったのですが、その反応が当時思い起こしても随分と過剰反応で・・・あれは「そんなことについて認めたらリコールになるじゃないか！なんてことをキミは言うんだ！」って意味だったのかなとｗ


　ま、ともかく、みんカラ書いたり覗いたりしているアナタは、観なきゃならない映画ということです(´∀｀)