
買い物に行った店の軒先にツバメの巣があった。
ドロや藁を寄せ集めて作った小さな巣には、雛達が4羽程居るようだ。既に大きく成長してしまった雛達にはこの巣の大きさが合ってない。まだ飛ぶことは出来ないが、巣の淵を歩いてみたり、兄弟の頭の上に登りあったりと、落ちないか心配でしばらく見入ってしまった。そして思い出した。
あれから10年くらい経つだろうか、ツバメの雛を育てた事がある。
当時勤めていた会社の前に雛が1羽落ちているのを、仕事が終わり、シャッターを閉めて帰宅する時に自分が発見した。
もう大分弱っている様子で、1日もつかな?
...というような状態だったけど、そのまま放置しても通行人に踏まれてしまうか、ネコがさらっていくか...と思い、とりあえず保護して家に持ち帰った。
この時点ではツバメの雛とは確信していなかった。
ツバメの雛は、小さい時は全身真っ黒で、まん丸な体にまん丸の目、口はとんがっていなくて一文字のようでまるで「まっくろくろすけ」みたいなのだ。
雛を持ち帰ると妻は「余計な事をして」とか言われたけど、とりあえず弱った雛に何か食べさせようと色々調べた結果、ミミズなどの小動物を1日に50匹以上も食べるという事が判り、夜やっているペットショップに駆け込んでミルワーム(ミミズみたいの)を買ってきた。
雛の口元にワームを運んだが、全く口を堅く閉ざして食べようとしない。このままでは明日にでも死んでしまうと思った。
どうしようかと悩んでいた時、妻の親戚で小鳥に詳しい人が
「口をむりやりこじ開けて喉の奥まで餌を入れないと飲み込まないよ」というアドバイスをくれた。
ピンセットで喉の奥までワームを突っ込むと、嫌がり、吐き出したりするものの5匹ほどをなんとか飲み込ませた。
よけいに元気がなくなり、ぐったりしてしまった雛を見て、やるせない感はあったけどとりあえずその日は寝ることにした。
翌朝、目が覚めるとなんかうるさい。
ツバメの雛が元気に鳴きまくっていた。無理やり飲み込んだ食事で生命力が回復していた! 雛はエサを「くれくれ」と親鳥にするように催促してきた。餌をあげると、1匹、2匹...30匹!を一気に食べてしまった。名前は「ピーちゃん」にした。
それからピーちゃんは元気を取り戻すとともに成長し、毎日50匹ちかくのミルワームを平らげ、いつも肩や頭にとまってきて本当に可愛かった。
まん丸だった体は次第にスマートに変わり、黒いお腹は白くなり、羽は長く伸びてきてようやくツバメらしくなった。
部屋の中で高い所から飛ぶ練習を始め出して、よく壁にぶつかるようになっていたので、そろそろ自然に返さないといけない時期がきたようだ。
だけど、すごく馴れていてもう家族の一員のようでなかなか踏ん切りが付かなかった。正直このままでいたかった。
会社から帰宅するとピーちゃんに餌をあげるのが毎日楽しみでしょうがなくなっていた。
あくる日、会社から帰るとピーちゃんが居なくなっていた。
妻が洗濯物を干すのに窓を開けていたら知らないうちに外に飛んで行ってしまったという。
もう心に穴が開いたようにあぜんとしてしまった。 あんなになついていたからすぐに戻ってくると思っていたけど結局帰ってこなかった。
...とそんな事を走馬灯のごとく思い出してしまった。
(一瞬の回想の割に文章が長くてすみません)
ああ、またピーちゃんに会いたい(笑)
Posted at 2006/06/11 02:05:52 | |
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