世界では日々あらゆる事が起こっています。彼女に振られた、財布を落とした、宝くじが当たった、同僚に髪型を誉められた・・・・・良いこと、悪いこと、大事、小事。もしその人が日記をつけてたとしたら間違い無く「今日はこのネタで決まりだな」ってな出来事が日々どこかで起こっているのです。今回のじみ日記はそんな出来事に遭遇した人になり代わり僕が代理で日記をつけることにしました。ウチの車はちょいとお疲れ気味の軽自動車だけどそれでも皆の為に一生懸命走ってくれる可愛いヤツ♪しかし今私は窮地に立たされているのだ!エンジンが掛からなくなっちゃったのだ・・・・・・家族も心配そうに見守ってはいるがまったく息を吹き返す気配が無い。周りの車達はいそいそと家路に就いていて全く助けてくれる気配も無い。何処へ行ったんだ助け合いの精神は!もう日本は終わりだね・・・・・そう思いかけた時だった「バッテリー上がりですか?」突然見知らぬ若者が声を掛けて来た。私は反射的に「はい、そうです」と答えるとその若者は「隣に車をつけますんでちょっと待ってて下さい」と言い残し走り去っていった。彼がどういった人間かは分からないが、今は彼に掛けてみるしか無い!相変わらず周りの車達が走り去っていく中、一台の車が僕の愛車の横に停まった。・・・・・なんだこの車は?冷やかしに来たのか?とりあえず無視だ!ふいに息子が「うわぁ~!ドアが縦に開いてるよ~!」と叫んだ見ると先ほどの若者が立っているではないか!「すみません、ギリギリまで幅寄せしますんでちょっとどいてもらってもいいですか?」私にそう告げると彼は我が愛車との間隔をさらに詰め始めた。そしてトランクからケーブルを取り出すと慣れた手付きで互いの車を繋ぎキーを捻った。キュキュキュキュ・・・ブ~ン!やった!かかったぞっ!彼の顔も満足気だ。すると彼はあっという間にケーブルを片付けると「それじゃあ!」とだけ言い残して運転席に乗り込むと走り去って行った。あんな派手な車に乗ってる割になかなかの好青年ではないか!世の中まだまだ捨てたもんじゃないねふと空を見上げると夕日がまぶしく輝いていた。※本文中、一部脚色されている部分があります。